2回観たけど掴みきれないことがいくつか
演技や演出、音響や照明効果等の良し悪しは、私にはわからない。
でも、鑑賞前に相関図を観ておくとわかりやすいと思いました。
皆名前で呼び合ってたから。
2回観たけど、「あれは何だろう?」とか「今この人達は何してるのかな?」など、わからないことがいくつかありました。ひとつはポストトークで観客から質問があり、監督が答えていたのでわかりましたが・・・
イギリスの観光地や名所の知識が出てきて、早口だったので私は聞きとれず、その場所のイメージやその台詞を言っている登場人物が何を望んでいるのかわからなかったのですが、世界が終焉を迎えるまでにやりたいことや心地良く満喫できることをやりたいんだろうなと思いました。
早口なのは、そういう演出だったそうです。
もし私がイギリスの場所や風景をよく知っていれば、もう少し感じられる何かがあったのかもしれない。
難しく理解できないところがあったので、原作を読みたと思ったし、イギリスの演出家&役者が演じるとどうなるのか、観てみたいと思いました。
この作品を観劇したことで、イギリス留学経験のある友達とイギリスの国民性や食文化等について話すキッカケができたことは良かったと思います。
満足度★★
これは失敗作
3人が共作した戯曲はまとまりがなく、俳優陣の芝居もバラバラ。中嶋しゅうや倉野章子、中村彰男など質の高い演技を見せる役者もいたものの、それらが舞台全体のクオリティ向上に繋がっていきせんでした。
なぜこのホンを日本で上演したいのか、その想いが舞台を観ても伝わってこなかったのが残念です。
満足度★★★
奇妙な質感の5代に渡る家族劇
イギリスの3人の劇作家が共同執筆した作品で、分かり易いドラマがあるわけでもなく、かといって難解で抽象的というわけでもない独特の雰囲気があり、キャッチ―な要素がなく地味なのに退屈さを感じませんでした。
地球が破滅するまで残り3週間と判明した状況において、癌で余命わずかな長男の元に集まる家族を描いていて、お互いストレートに感情を表に出すことがないアンビバレンツな感じが印象的でした。
全裸、セックス、同性愛、残虐性(非リアルに表現されていて血生臭さはありませんでした)等、ヨーロッパの演劇界では、このような要素を入れないと評価されないのかと感じさせる要素が多く、少々辟易したところもありますが、描かれる内容としては古典的だったと思います。
シリアスなシーンの中に急に話が逸れて行く、瓢々としたユーモアのセンスが楽しかったです。
台詞のテンポが早過ぎるように感じられ、10分の休憩込みで3時間近くあるやや長めの作品でしたが、寧ろ間があっても良いように思いました。演技のスタイルに統一感がなくて前半は気になりましたが、次第に違和感がなくなって行きました。
年齢や見た目の設定に合ったキャスティングにはなっていなかったのが残念でしたが、悩みを抱えつつ強気に振る舞う母親を演じた倉野章子さんが素晴らしかったです。
上村聡史さんは転換に見せ方にこだわりがある演出家だと思うのですが、シーンの転換で完全に暗くせず椅子や小道具を運ぶ役者の姿を見せる今回の演出はスマートさが感じられず、そうする意図が掴めませんでした。
空間的な広がりを感じさせ、アンビエントな音を鳴らし続けることで静寂を引き立てていた音響が素晴らしかったです。
満足度★★
あらゆる全てが少しずつ
かみ合っていない印象。素材はすごく良さそうな感じは
するんですけど、台本、演出、役者、その全ての要素が
少しずつズレていて、不協和音を発し、最後、う~ん、って
感じで終わっちゃった印象ですね。勿体ないです。
満足度★
絵に描いた家族(餅ならぬ)
大好きな役者さん、中嶋しゅうさんと倉野章子さんの共演が楽しみで、出かけたのですが、名優だけでは、名舞台にはなり得ない見本のような舞台でした。
3人の作家が共作したようですね。私は、共作とか、リレィ戯曲とか、ロボット演劇とかって、邪道な気がして、あまり好きな形態でない上、そういう形態ならば、演出家が、作品としての一貫性を押し出し、1本の筋道をしっかりと定める必要を強く感じるのに、今回の演出には、そういう技量が不足していると思いました。
どうも、5人の兄弟と母親の人間関係の描かれ方が、表層的で、ストーリー重視な偏りを感じました。人物の肉付けが薄っぺらい印象で、まるで、ワークショップを有料で見せられているような舞台でした。
所々、心に引っかかりそうな場面もあるのに、それがそこだけで、ぶちきれて、持続性がないのです。
台詞で語られる登場人物の情報と、役者の見た目にも、落差がありすぎ、描かれている世界を斜めに観ることしかできませんでした。
玄人の仕事ぶりが一番感じられたのは、音響スタッフさんでした。
私の後ろに座っていらした、一般客に迷惑を掛ける演劇記者だか劇評家さんも含め、プロの仕事を見せ付けて下さるのが、中嶋さん、倉野さん、西尾さん、音響さんだけというのが、ちょっと残念でした。