BABYTRIP 公演情報 BABYTRIP」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    純真さと爽快感を感じました
    ヨーロッパ企画の黒木正浩さんといえば、格好いいとか、男くさい世界とか、多分、多くの女性には理解されないかもしれない(ここに自分が女ということは棚上げしていますが・・・・)独特ではあるけど、ある種の世界観に信念を持って表現している人だと思う。
    そんな黒木さんが脚本・演出、そしてとくお組の柴田さん・篠崎さん・堀田さんが客演となれば、行かないわけにはならないだろう。

    今から約30年後の世界に住むキラネネとドラゴン。
    仲睦まじく過ごしてきた2人だが、ある日、ドラゴンが事故に巻き込まれ死んでしまう。
    そして、そのショックでキラネネも後を追って自殺するが・・・・

    ネタバレBOX

    自殺したはずのキラネネは、初代ワンワン博士により、サイボーグとして生まれかわる。
    そして、その後、1960年間、キラネネは、ずっとドラゴンとの思い出に浸り、絶望しながらワンワン博士の子孫に生かされ続ける。
    そして、人類が地球に住めなくなった最後の日。
    29代目ワンワン博士は、キラネネをタイムマシンに乗せ、ドラゴンが事故に合う前の世界へと送る。
    しかし、マシンの関係で、キラネネは、ドラゴンが生まれる以前の2012年にたどり着く。
    そこには、龍虎姉妹によって守られている商店街だった。
    キラネネは、その商店街の一角に住む若き初代ワンワン博士によって助けられる。
    いくつかの誤解を生んだが、ワンワン博士や大家さんのおかげで、キラネネは、街で生活できるようになった矢先、皆を守ったことで・・・・・

    黒木さんの世界観と言えば、「ザ・男!」という印象が強かったが、その世界観を女性が体現することで、また、独特なものとなっていた。
    しかし、1つ1つのセリフやストーリーの展開などは、黒木さんの世界観そのままでとても充実していた。
    何気に、小銭を投げるシーンは、舞台版・智恵光院雀鬼で、雀鬼さんの登場シーンを思い出したり、龍虎姉妹など、色々、黒木作品の関連できるものが出てきて、それも楽しめた。

    勧善懲悪のストーリーでありながらも、最後は皆がホッとできるような、でも、ちょっと切ないラストではあったが、黒木さんの作品の多くは、今の世界ではありえないほどの純真さを感じる。

    仕事にしても生活上色んなことにしても、正直者が馬鹿を見ることは多々ある。それに辟易している部分もあるが、黒木さんの作品は、そういうところをぶった切った感じで、とても爽快だ。

    まだ新楽器始まって2週間ちょっとだったけど、とにかく疲れた私には清涼剤のような作品でした。

    一緒に行った後輩は、「もう少し内容を増やして映画化してほしい」と言っていたけど、私もまた、何かの形(映画でも芝居でもなんでも・・・・)でみたいなあと思う作品でした。

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