旬の演劇人の勢いが見えた
いま旬の非常に生きのいい3人の鼎談なので期待して出かけたが、ほぼ期待どおりでおもしろかった。
詳細は、演劇感想サイト「福岡演劇の今」に書いています。
http://f-e-now.ciao.jp/20120302.html
満足度★★★
劇トークは激トークになったか
「ゲキ(劇&激)トーク」というタイトルの割には、そんなに白熱した討議にはならなかった。むしろ話にフッと間が生じるくらいで、お互いに遠慮があるのか、激論したって仕方がないと考えているのか、単純に仲がいいだけなのか、いずれにせよ、全体的には、事前に期待していたほどには、現代の演劇シーンを鋭くえぐる、というところにまでは至らなかった印象である。
演劇に対する思いの強さは伝わってくるのだが、そのための方法論、あるいは本質論、そういったものがなかなか具体的な形で議論されず、終始隔靴掻痒の感を覚えることになった。
しかし、お三方とも地方発信の演劇活動を推奨する主張は共通していて、その点は地方在住者としては嬉しい発言であった。その割には福岡(主に博多)の演劇の話題が殆ど出てくることがなく、ああ、やはり福岡の演劇はプロの演劇人の眼中にはないのだなと、寂しいが厳然たる事実を確認するに至った。では福岡には、何が足りないのか、何が足を引っ張っているのか、もしもお三方が今後も福岡の演劇シーンに関わっていただけるのであれば、ぜひ障碍を乗り越えて、舞台の活性化に尽力していただけたらと願うばかりである。
福岡の演劇人や劇団がどうあってほしいということではない。ただ面白い芝居が観たいというそれだけのことである。
満足度★★★
演劇教育についてもっと考えたい
お三方ともお話は面白く、それでいて、表現者としてごくごく当たり前のことばかり話されている。
彼らは皆一様に真摯であり、自分たちの地位だからこそ観客に納得させられることを語っている。
だが、当然のことばかり語っているので新鮮な面白さは何もなかった。
演劇の裾野を広げたい、というのはお三方共通されているようだが、その方法論などは納得いくものばかりではなかった。
客席には地元演劇人の姿も多かったように思うが、前のめりになって聞く者、たくさんのメモを取る者、退屈なのかアンケートに落書きする者、様々だった。そして、その姿に苛立ちを覚える私がいた。