亡霊の地 公演情報 亡霊の地」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
1-2件 / 2件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    初めての朗読劇でしたが、圧巻の風景でした。片目のみ涙を流せる女優さんやメッセージ性の強い3本のセンシティブな話。知らない世界を体験できました。終了後のトークも劇とは一味違う気さくな雰囲気で良かったです。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     華5つ☆ 断固ベシミル。当日2000円のリーディング公演。初日はほぼ満席であった。

    ネタバレBOX

     紛争地域から生まれた演劇、今回はこのシリーズ16番目の作品群である。作:アンドリー・ボンダレンコ 翻訳:万里紗
     今作は『蝶』『罪と罰』『結婚持参金』と題された3本がオムニバス形式で朗読されるが、共通項はトラウマと解釈することができよう。このトラウマは攻める(責める)側にも攻められる(責められる)側にも表れ方こそ異なるが表れる。
     大切な観点は敗戦後日本は、国家として戦争行為に直接関わってこなかった為か、多くの日本人が実際の紛争・戦争状態のリアルな状況を受け止める為の想像力を欠落させている点にあるように思われる。その結果、自分の日常的な感覚や体験をベースにニュース映像や様々な媒体によって流される映像を見て分かったつもりになることではないだろうか? これらの映像には腐乱し膨張して腐臭を発する遺体の惨憺たる有様も、そのような状況に至る迄に自らの住地が爆撃や種々の砲撃・銃撃、ミサイル攻撃に晒され生きた心地も無く、眠ることも出来ないような状況の中で飲み物、食べ物にも事欠き逃げ惑う他無い恐怖も無い。敵に見付かれば拷問、殺戮、レイプ、虐殺等々の憂き目に遭う可能性に怯えるストレスも無ければ、子供や年取った父母を如何に逃がすか? の懸念や責任も無い。無論己自身が生き残れるか否かも誰にも分かりはしないのだ。
     このような状況で生きていること、尚生き続けようとすることと守らねばならぬ人々を抱えていることが如何に大きな負担を個々人に強いるか? そのように強大な負担にヒトはどのように反応するか? この3編は痛烈な評を伴いつつ一つ一つの裁を下し、問うている。果たしてヒトは? と。

このページのQRコードです。

拡大