アフタートークと朝日新聞夕刊で内容を補完(笑)
ダンスという身体表現で演出してきた方だからなのか、とても言葉に対してシビアであると同時に窮屈な印象も受けてるようで、まともに台詞喋らせて何が面白いだ芝居!という雑に表現すればそういう発想の様です。
事前の予備知識がなくて観覧したのですが物語の内容とかキャラ設定とかほぼ分からず、アフタートークや新聞のインタビュー記事でそういう事なのかと(笑)役者陣は相当な運動量を求めらると同時に烈しい動作をしながらのセリフ回しという苦行を求められます。その為台詞は半分以上聞き取れません(笑)
演出上開場の赤レンガ倉庫が広過ぎたという要因があるのも知れません。
あと体調的要因、岸田國士戯曲賞受賞前後に片頭痛に悩まされて入院されていたようで、準備という面で無理があったのかなと思います。
ただ矢内原美邦さんのキャラは面白かったので、次の作品も興味があります。面白いか?つまらないか?は時の運に任せます(笑)
満足度★★★
畳み掛ける言葉と動き
ハイテンションに早口で喋り続ける台詞に加え、台詞とは関係なく踊ったり走り回ったりする、役者にとってはかなり負荷の掛かる演出で、70分程の上演時間にも関わらずボリューム感がありました。矢内原さんのミクニヤナイハラプロジェクトとしての公演を観るのは初めてでしたが、ニブロールの公演と同様のザックリした質感が魅力的でした。
台詞が聞き取りにくく、場面が断片的に時間を前後したり繰り返したりしながら展開するので、どういう物語だったのかあまり把握出来ていないのですが、朗読好きな男が道に倒れていた記憶を失った男を家に連れて帰り、同棲する女医やその同僚との会話から15年前の連続殺人事件との関わりが浮かび上がってくるというサスペンス的テイストの漂うもので、生と死のテーマが描かれていました。
会話体の台詞なのに演技が相手の存在してないかのように間を取らずにどんどん喋り通すスタイルが新鮮でした。1曲生歌がある以外は全く音楽も効果音も使われていないのに、とても迫力がありました。
ずっと体を酷使する演出なので、後半は少し勢いが衰えたように感じられ残念でした。
色褪せた木製のパネルを物語の展開とは無関係に役者達が並び替えてたり、奥の壁に立て掛けたりして空間を変えていく演出が興味深かったです。天井から吊られた工事用のランプとシャンデリアを振り子のように揺らすシーンが美しかったです。
満足度★★★★
セリフと運動量
洪水のように溢れ出す言葉とその情報量の多さ、そしてそこにハイスピードで行なわれる身体の動きの運動量の多さに観ている時には処理しきれないものもたくさんあるが、反芻して補完できなくもないです。正直台詞はあまり聞こえないがそれはそれでパンクだなって思って新鮮でした 。役者さんたちへの負荷は相当なものだろうが、やりきった役者さんの凄さというのも感じました。