大正元禄ロックンロール家族1926 公演情報 大正元禄ロックンロール家族1926」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    北海道夕張市。当時、炭鉱の町。そこから観た大正史。
    生歌に生演奏に歴史。
    最初は気軽に観てたんだけど、なかなか厚みのあるお芝居でした。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

     A班を拝見、

    ネタバレBOX

    初日ということもあった為か、音響と台詞のバランスが適切でないシーンが結構あり、台詞が聞き取れないシーンが多々あった。音楽劇と銘打っているだけあって歌を歌う役者陣の声は中々良いがマイクの使い方は習熟度が足りないのか或いは初日で緊張したのか? 途中から良くなったので後者であろうが、ちょっと残念であった。リハをしっかりやって板の上に立って欲しい。
     また、ファーストシーンで石炭を掘るシーンが出てくるが、ここにカンテラを下げて灯りを持ってくる役目の女性が出ていたが、ホントに夕張ではこんなことに女性が関わっていたのか? 疑問に思った。自分の読んだ本で九州の炭鉱の切り羽では、男が鶴嘴等で石炭を掘り起こし(サキヤマ)女は切り出し掘り出された石炭を男の後ろに居て籠などに集め坑道で用いられていたトロッコに載せる作業をしていた(アトヤマ)。炭塵爆発等の事故があれば無論死の危険がある中、地下の坑道での作業は単に肉体的にキツイばかりではなく、暑さと命の危険にも日常的に対峙する環境であり、一緒に作業をする者達は夫婦も多かったが妻帯者が別の妻帯者と組むことや、妻帯者が未婚の者と組むことも珍しくなかった為、この苛酷な状況で一緒に仕事をする間に男女の仲になり山から脱走するケースも可成りあった。無論、切り羽の作業では女性も半裸で作業していたから、猶更であったことは想像に難くはない。こんな状況をも実際に炭鉱夫をしていた山本作兵衛さんが描いた有名な絵から了解を取って借用し背景に映すなどの効果を狙っても良かったハズだ。そうすれば晃と志津香の関係もぐっと深いものに見えたに違いない。
     1926年といえば昭和元年でもある。最も極端に短い元年ではあったが。物語はほぼ時系列で展開し描かれる場面は殆どが大正時代である。登場人物たちを襲う様々な事件や事故、戦争や災害などについて深い掘り下げがある訳でもなければ人間関係のゴタゴタや先に挙げた様々な事柄によって変化する心理や人間関係の機微についての掘り下げも浅い為、観客の心と魂を深く揺さぶるような対立を言語化した台詞よりも、ゴフマン流のドラマツルギー理論を援用したような創りになっているので余り心と魂に響かない。ルシファーと契約して格段に腕を上げたとされるブルースと呼ばれる男が時折吐く台詞には中々穿ったものが多いが、また崔の歌う歌詞には彼の在日としての苦悩が偲ばれる言葉が多いが、他の出演者は、この作品が展開する居酒屋食堂「八尋」の店主の立ち居振る舞いに深い人間性を感じさせる他は、晃を除き殆どの登場人物がありきたりのドラマツルギーに従って演技しているように思われた。

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