モナコ公国 モンテカルロ・バレエ団 Aプロ 公演情報 モナコ公国 モンテカルロ・バレエ団 Aプロ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
1-2件 / 2件中
  • 満足度★★★★

    Aプロ:洗練されたコンテンポラリー
    いずれも強引に前衛的ではなく、古今の調和がとれている。■シェエラザート:エロス。小池さんが見事、素晴らしいオーラが出ている。■ダフニスとクロエ:こちらもエロス。作品はよいのだが、絵が生々しすぎる。■アルトロ・カンロ1:古楽のシンフォニックバレエ。もっと小さい劇場で見たかった。作品の密度が空間に広さに発散してしまった感じ。・・・ロビーでチャリティオークションの企画展示があり気持ちは尊いが、モナコのホテルやクルージングでは日本で入札する人は少ないともう。

  • 満足度★★★

    エロティシズム
    バレエ・リュスの精神を受け継ぐバレエ団が芸術監督のジャン=クリストフ・マイヨーさんの作品を踊るトリプルビルで、いずれの作品も性的な要素を扱っていながらも下品さがなく、美しかったです。

    『シェエラザード』
    王が居ない間に快楽を貪る奴隷の男達とハーレムの女達が、帰ってきた王の逆鱗に触れ殺されてしまうという物語をリムスキー=コルサコフの管弦楽曲に乗せて踊る作品で、エロティックな動きが多用された群舞がダイナミックでした。
    ミハイル・フォーキンが振付をしたバレエ・リュス版へのオマージュということで、比較的クラシックバレエの様式性を残しながら、新しいムーブメントを盛り込む作風で、身構えずに楽しんで観ることが出来ました。主役を踊った小池ミモザさんが西洋人とは異なる身体性を感じさせ、エキゾチックでしなやかな官能性を美しく表現していました。

    『ダフニスとクロエ』
    ラヴェル作曲のバレエ音楽に、うぶな少年少女が大人の導きによってセックスの快楽を知るという、元とは異なる物語を当て込んだ作品でした。4人だけで30分以上踊るので、ダンサーにとってはハードだと思いますが、それを感じさせない流麗さがありました。
    前半で若者2人がユーモラスに戯れていたのが、次第に異性として意識しだす様子が、ダンスだけで明確に表されていました。
    舞台上手に大きな白いオブジェがあり、そこにヌードや性行為を描いたデッサンが投影され、作品の内容が分かりやすくなっていました。

    『アルトロ・カント1』
    前2作とは異なり、具体的な物語がない抽象バレエでしたが、物語に囚われない分、ムーブメントやフォーメーションに多彩なバリエーションがあり、派手な盛り上がりはないもののダンスだからこそ表せる質感が強く感じられ、3本の中で一番見応えがありました。
    ファッション界の大御所、カール・ラガーフェルドさんのデザインによるシャープな衣装を男性がスカートを穿いたり、女性がパンツを穿いたりと性別に関わらずに着用してモンティヴェルディの宗教曲に合わせて踊り、猥雑さから崇高さまで様々な雰囲気が感じられる作品でした。複数名のサポートによるアクロバティックなリフトで宙を舞うような動きが印象的でした。
    天井から吊り下げられた蝋燭の灯りが星空のようで美しかったです。

    群舞でのポーズの形や動くタイミングはいまいち揃っていませんでしたが、回転して倒れ込んだり、倒立したりとマイヨーさんならではの振付が楽しかったです。『シェエラザード』も『ダフニスとクロエ』も色彩感溢れる曲で、生演奏だと盛り上がるのですが、録音を使っていて、平板になっていたのが残念でした。

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