青春の墓標 ~盗まれた革命~ 公演情報 青春の墓標 ~盗まれた革命~」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    モロに再生スタイル
    「読書劇」と銘打ちながらも従来の再生スタイルに近く、昭和40年前後の学生運動に身を投じた青年の心情が浮かび上がる。
    また、彼(彼ら?)を「操っているもの」は何なのか?と観客に問いかけるような…美術?衣装?装置?もいかにも再生式でニヤリ。
    しかし板付きは大変だろうなぁ。(笑)
    なお、恒例のプレトークや客入れ時の40年前後の昭和歌謡ポップス名曲集も存分に楽しむ。

  • 満足度★★★★

    あのころも今も変わらない絶望
    千歳船橋の駅から1分、1階がカフェスペースで、2階が劇場という空間で
    役者さんが立ち上げたと言う一軒家カフェシアターはとても快適だった。

    今の若い人が感情移入するには難しい時代背景にも関わらず、出演者が豊かに共鳴しているのが伝わって来て「僕が死んだら」「私が死んだら」という悲痛な、切実な叫びに泣けてしまった。
    なぜならそれは仮定の話ではなく本当に自ら命を断ってしまった人の声であり、「死んでも変わらない」ことを知ってしまった絶望の果ての死だから。


    ネタバレBOX

    普通のカフェに入って二階へ案内されたら、そこは劇場だったという感じ。
    座布団付きパイプ椅子が40個ほどだろうか。
    客席と同じ高さの舞台中央にパイプのごついやぐらが組んであり、ヘルメットがかかっている。
    上手と下手にはそれぞれ小さいテーブルとライト。
    バックの白い布のスクリーンには、何か文章がびっしり書かれている。
    カルメンマキの「時には母のない子のように」や
    井上陽水の「傘がない」などが流れている。

    舞台は、基本的にテーブルの女性2人が本を読み、
    他の4人がそこからインスピレーションされた台詞と動きを繰り広げる。
    やぐらの上の武士は赤い糸の束を握っており、その先は
    倒れている男性の衣装につながっている。
    書物=思想に操られる哀れな「操り人形」の悲劇が連鎖して行くのを見せる。

    樺美智子の死に影響された奥浩平が「青春の墓標」を残して自殺、
    その「青春の墓標」から強い影響を受けた高野悦子が鉄道自殺して「二十歳の原点」を遺す。
    「青春の墓標」が読まれ、やがてそこに「二十歳の原点」が呼応していく。

    途中三島由紀夫の「盾の会」の「檄」が再現されたが、
    その演説の間の操り人形の剣の舞い(?)が少し中途半端で残念だった。
    台詞に迫力があっただけに、時代を映す出来事として挿入するならば
    演出にも力強さが欲しい気がした。
    それにしてもあの「檄」をよく覚えたなあと感心してしまった。
    中盤にメリハリがついたのは確か。

    懐中電灯でバックの白い布に書かれた文字を照らしながら読むところなど演出の工夫があって面白かった。
    本のページを破って操り人形の亡骸を覆うところも良かったが、
    若干長くて間延びした感があり、残念。

    やぐらの上の武士、「檄」の鶴見直斗さんに華があり、
    本を読んだあべあゆみさんに安定感があってバランスが良い。








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