音埜淳の凄まじくボンヤリした人生 公演情報 音埜淳の凄まじくボンヤリした人生」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 実演鑑賞

    初期作品のリクリエイション版。近年のほろびて作品とは少し印象が異なり、新鮮な気持ちになりました。STスポットの使い方として珍しい舞台セットで、俳優との距離も近く、全体的に良い緊張感のある上演でした。

    ネタバレBOX

    登場人物は4名。父、息子、父の弟(伯父)、義理の弟(義理の伯父)。母は、どうやら亡くなっているようだ。ちょっと変わり者の様子を見せる父だが、父と息子、二人の生活は落ち着いていた。時々父の物忘れが露見する程度。そこへ父の弟がやってきて、これから離婚をするためしばらく実家に住ませて欲しいと頼みこむーー。

    物語は静かに流れるが、観客の頭の中にも、少しずつ「共有できるもの」と「共有できないもの」が降り積もっていく。体験として「共有する」ものが演劇だとしたら、極めて演劇的な実験作だと感じました。言語が通じたら、文化が同じなら、同じ風景を見られたら、共有できるかもしれない。けれど、その逆なら…という。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    過去作再演シリーズ。初演は未見。

    ネタバレBOX

    時間という概念抜きで見る世界はどのように見えるのかという某SF作品の肝となるアイディアをほぼそのまま使いながら、それを俳優の演技へのアプローチと認知症の世界認識とつなげたアイディアが秀逸。同時に上演自体が、そうして演技することを通して認知症の人の感覚する世界をどうにか理解したいという祈りのようなものにも感じられる。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    久々のほろびて。と言っても本公演2本、さいたまネクストシアターへの書下ろし作品(演出:岩松了)を観たに過ぎない。今回は初期作品のリクリエイトとの事で、新鮮な感触が味わえた。
    表現上「これは幻想なのか、想像なのか、現実なのか」が決定的な部分で判らなかった所があった。二つばかりの解釈があり得るそのどちらかによって評価が分かれるという所でもあり、あらまほしい解釈の方を信じたいが、そのためにはもう少し表現上の工夫がなければ・・という感想であった。
    STスポットを横長に使い、調度は置かれているが住居内の「壁」部分は床にテープで示され、映画『ドッグヴィル』(黒い床に白ガムを貼りつけただけの「村」のセットの中で演じられる)で、人物らが次第にリアルな存在に立ち上がって行くのに似た、「段々見えて来る」感覚が中々面白かった。

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