きく 公演情報 きく」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-7件 / 7件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2024/06/22 (土) 13:00

    主題が提示され別の主題が現れたり主題の変奏があったりソロや合奏があり最初の主題に戻り……という「言葉/台詞/会話による交響曲」、5年前の初演と較べて歌や漫才(?)なども加わって多彩な展開となり、初演が「デッサン」ならこちらは「油彩画」な印象。
    ちなみに前日観た同じく「会話とは?」な劇団普通の作品はタイトル通り「水彩画」であり、先述の音楽の喩えで言えば室内楽か。
    が、これだけ対照的なな2作品、「物語」ではなく「状況とそこでの会話」を描いているのが共通。「会話とは?」を演劇で表現するとそうなるのかしら?

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    昨年開催された『CoRich! 舞台芸術祭! 2023春』のグランプリ受賞作品。の再演です。受賞作バージョンも観劇しています。その時の会場は三鷹のSCOOL。今回はアトリエ春風舎。舞台美術もリニューアルし、空間の使い方も異なり、新しいシーンも挿入されるなど、再演として基本的な構造を踏襲しつつ装いも新たになった印象を受けました。

    ネタバレBOX

    「きく(聞く)」をテーマに様々な角度から提言・実演・検証するパフォーマンス的上演。アドリブに見えるシーンも多いが、かなり緻密に構成された台本のもと上演していると想像します。上演形式の新しさも感じますが、とはいえ、こういうスタイル自体も増えているし、今後も増えていくと予想。個人的にすごく印象的だったのが、黒板を使って物語の一部を説明しようとするシーン。予備校の授業のように展開され、内容をまとめ、ポイントを絞り、明確な答えを導き出す。これらのシーンが反面教師として挿入され(←僕にはそう見えた)、このシーンのおかげで、今回の上演に大きな意味が追加されたと感じます。互いに聞くこと、互いに理解すること、それが明確にまとめられ、端的な言葉で伝えられた時、その意味合いのなんと味気ないことか…。改めて、コミュニケーションの本質・正体とは? という問答が自分の脳内を駆け巡りました。
  • 実演鑑賞

    未見の団体、そして「CoRich舞台芸術まつり!2023グランプリ作品」ということで興味をもって観たが、自分にはよく解らなかった。いや説明を読んでいたからだと思うが、描こうとしていることは何となく分かる。

    タイトルの<きく>ことを色々な方法・手段で表現しようとしているのだろうが、今まで観てきた作品と違うため戸惑う。今では、このような作品が好まれるのだろうか。
    (上演時間1時間30分 途中休憩なし)

    ネタバレBOX

    舞台美術は、正面後ろにスクリーンが3枚。その前に横並びで箱馬がキャスト分並んでいる。天井や壁には手作りのモノが吊下がり 貼られている。シンプルな空間だが、展開に応じてスクリーンを上げ、箱馬を動かし場転していく。ここは何処で、集まっているメンバーの関係性は、といったことは判然としない。

    冒頭、横並びの箱馬に座って たわい無い話を小声でしているが、1人の男が突然大声で「母が癌だった…」と話す。東京で働いている男(息子)、広島にいる病気の母、母子家庭で頼る親戚はいない。その彼に向って母の介護は大切と諭すメンバー。「そんな事は解っている!」、しかし遠方・仕事・経済など八方塞がりの状況だから苦悩しているのだと。彼の状況には同情するが、解決策は見出せない。この時点で彼は自分の心情は解りっこないと拒絶している。

    そのうち 別の話題へ移行し、<きく>について次から次に色々なアプローチをする。夫婦で行っているゲーム、長大な筒を耳に当てた何らかの競技など、雑然とした情景が繰り広げられる、といった印象である。この場面を煽るのが撮影しているスタッフ。実はキャストの1人になっているよう。そして照明とは別にキャストをスクリーンへ、更に角度を変え上手の壁にも映し出し 多くの人が存在しているような錯覚(混沌とした世界観)を演出する。場面によっては、キャストが1人ひとりバラバラに喋り 会話が成立しているのか否か。いや物語における会話ではなく、日常の雑踏の中で知らぬ者(同時に多人数)が勝手に喋っている光景か。その意味では舞台という虚構性ではなくリアルな現実世界を描いているのかも知れない(台本通りorアプローチか?)。

    通底しているのは「母が癌だった」である。<きく>という行為の真剣度、それは意識的か無意識かといった違いで、大きく違うのだろう。親身になれなければ 実際は聞いていないに等しい。<きく>は<きかせる>と対になり、男が初めの段階で拒絶しているよう。だからこそ <きく>人たちの会話が漂流し始めるのではないだろうか、と勝手な解釈をしている。
    次回公演も楽しみにしております。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    ひとこと、すごい!こんな舞台観たことない!傑作ですね。母親の告白があるまで「うわー、手抜きの舞台かな…」と思ったらそこから大化け。すべて計算されていると考えたらとんでもない舞台です。演出も演技も何もかも規格外です。これは観て損はないですね。お世辞抜きに度肝抜かれました。

  • 実演鑑賞

    鑑賞日2024/06/19 (水) 19:30

    観るの2度目のユニットで、1回目も分からなかったが、本作も分からん。(前説と客入れで7分押し)91分。
     昨年上演された作品の再演だが初演は観てない。友人達がとろとめもなく語る物語の通奏低音として、母親が癌になったと語る男の物語が繰り返される展開。やはり意図が分からないが、アドリブ風に語ってはいるがセリフだろ思うので、役者陣の負荷は大きいだろうと思う。私のテイストにはフィットしないユニットだなぁ、とは思う。何故か大きく笑う客が少なくなくて、私の感性がズレてきているのかとも思う。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    「よりアクティブになった充実の再演」

     昨年の「CoRich舞台芸術まつり!」グランプリ受賞作の再演である。

    ネタバレBOX

     母親が末期がんと告知された青年の告白に皆が耳を傾けながらも実はあまり内容を聞いておらず、話題の主軸が連想ゲームのように入れ替わっていく。途中に各俳優の独白は映像で投射されたりする。そのうち「きく」という行為を筒を使った競技のようにしたり、上下に激しくカエルジャンプのようにして表現したりとさまざまな方法で戯画化し、最後には「きく」行為の身勝手さを露わにする。

     このように大筋はほとんど同じだが前回とはまた異なる趣の作品になった。前回SCOOLでの上演は天井が低く横長の空間設計のためか俳優の動きが左右が中心に見えて、さながらボードビルのような心地がした。今回の上演が行われたアトリエ春風舎は、客席から舞台を見下ろすようになっており俳優の動きが前回よりもよくわかる。舞台奥の階段や客席横の入口からも出入りするためよりアクティブな印象を受けた。

     初日の客席は満員で特に若い観客を中心に反応がよかった。今後の上演でより多くの観客が本作を目にすることを期待したい。

  • 実演鑑賞

    長編のシュールなコントみたいだった。

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