実演鑑賞
満足度★★★★★
今年も総合点だと、あやめ十八番。
劇場に入った瞬間、舞台美術を見た瞬間から引き込まれた。
鳥居に、竹藪(楽隊はここ)、綺麗な丁寧な素舞台。その空間をはさむ二面の客席。
頭上には神社の屋根(言い方あるのかしら?)
ああ、ここに日本の夏があるって。
演者や楽隊の素晴らしさは言うに及ばず。
場面転換の見事さに、ため息がでた。
通路とゆうか、舞台から降りて周回するような演出もうまく調和してたし、演者がすぐそばに来るのはテンション上がりますね。
4回観ましたが、毎回、入り込んであっという間でした。
ホームドラマとか、そんな好きじゃないはずなのになあ。
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/08/14 (水) 13:30
8年ぶりとなる「団子屋シリーズ」第3作。劇中時間も8年を経て、演じるレギュラーの三姉妹と母も実生活の8年の経験を役に乗せて演じており役の説得力(というか実在感?)が見事。
そしてメイン舞台の白っぽい木目の印象もあろうが木目の優しさ・暖かさに通ずる作風に癒される、
さらに母の過去を(も)描くのは「いかにもシリーズ第3作」だし、冒頭場面や中盤のアレなど今の時期にピッタリなのも巧い。
また、ファゴット(!)も加えて効果音もこなす4人の楽器隊の生演奏も言わずもがなだし、贅沢な時を過ごせて満足。
実演鑑賞
満足度★★★★★
極ありふれた…とは言い過ぎか…日常が少しセピアな感じで丁寧に描かれていてほんわか。そこに存在する様々な価値観や人間関係から生まれる人々の思いに何度もほろっと。
そして、アフターイベントの中野亜美さんの思いにもほろっと。
ほんとに良いお芝居だった。
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/08/17 (土) 18:30
返田神宮という、わりと大きな神宮の参道で『小堀屋』という名のお団子屋さんを営んでいます。五人家族全員で、お団子を売って暮らしている設定で、そういう平穏で平凡、あんまり激流に乗ったような劇ではなかった。
しかし、そういう中にあって、35年前の駆け落ちのことや裏の小父(おん)ちゃんの幽霊や化猫のことなど、代わり映えしない日常の延長線上にお盆を通して、亡くなった霊が棲むあの世と現世との境界線が曖昧になっていき、劇の最後には、祭の音頭に合わせて、亡者と現世の人とが一緒に祭りを楽しむ大団円に、日常と非日常が混ざりあった世界観に思わず引き込まれた。
良い意味で、今までの怪奇幻想エログロナンセンスな世界観で、後味が悪い終わり方で有名なはずのあやめ十八番のイメージを壊してきたと感じた。
ただし個人的には、平和な日常の延長線上であの世との境界線が曖昧になっていく大きな事件がない話も嫌いじゃないが、怪奇幻想エログロナンセンスでバッドエンドな終わり方、何なら屋台崩しまであるような劇のほうが好き。
福圓美里さん演じる、小堀忍のお姉さん加瀬直美が怒った時の演技がその表情と相まって迫力があり過ぎて、団子屋小堀忍の母小堀青子を演じる井上啓子さんが切れた時の演技が霞む程だった。
実演鑑賞
満足度★★★★★
出だしに響きの良い通る声での説明風のやり取りでぐっと引き込まれた。
過去と現在が交錯し、懐かしさのある場面だった。
運動会のところでほろっと来てしまった。
とても良かった。
実演鑑賞
満足度★★★★★
お団子屋さんという、本当に日本的な舞台に人情味たっぷりの内容。
泣いたり笑ったり、心に残る芝居でした。
日本っていいなって思いました。
ありがとうございます。
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/08/18 (日) 13:30
美斉津恵友さんゲスト回を観劇。
小夜の存在を強く感じた。
お団子屋を中心にどの登場人物も魅力的で微笑ましかった。
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/08/17 (土) 18:30
橘花梨さんゲスト回を観劇。
この季節にあったハートフルな話で引き込まれた。
照明による陽と陰が美しかった。
実演鑑賞
満足度★★★★★
観劇前日,台風のためどこにも出かけられず,あやめ十八番さんのHPを見ていたら,お団子屋さんシリーズ二作目の『雑種 花月夜』が観劇三昧で無料視聴できることを知ったので,観劇予習として『雑種 花月夜』を視聴した上で,当日の観劇に臨んだ。人物の関係性や性格,状況の設定が頭に入っているので,最初から芝居の世界に引き込まれて,2時間の観劇時間,芝居にのめり込んでしまった。もう完璧!お見事!物語,演奏,舞台装置,役者さんの演技(設営等も含む。),細かいところも含めて素晴らしいの一言に尽きる。これは絶対おススメの舞台。観劇後,無性にお団子が食べたくなり,帰宅途中に購入したのは余談である。
実演鑑賞
満足度★★★★★
2回目。
台風直撃土砂降りの東京、散々な目に遭った。
Life is dream. Life is but a dream.
人生は夢、人生は夢に過ぎないよ。
この作品は一つの楽曲のように作り込まれている。そのセンスを高評価。岡本喜八や深作欣二には秘密があった。それはフィルムを編集する際、ジャズのリズムで細かくカットを繋ぐこと。テンポと気持ちよく刻んだ繋ぎに観客はノっていく。挟み込まれるメロディー、リフレイン、快楽原則。それは曲の構造そのもの。だがセンスは歳と共に落ちていく。黒澤明も卓越した反射神経でカットを繋いで大衆を熱狂させたが、やはり衰えていった。アカデミー名誉賞を受賞した時の有名なスピーチ。「私にはまだ“映画”というものがよく解っていない。」大家の謙遜のように捉えられたが、実は晩年に語っている。「最近、ちょっと見えてきたんだよね。“映画”はカットとカットの間に垣間見える。」
“映画”というものを一瞬だけでも見せる為のカットの連なり。
この作品の演出は一つの曲を構成する為のもの。話自体は定番の人情物かも知れない。かつて山田洋次は大ヒット作となった『男はつらいよ』を会社からシリーズ化するよう要求されて悩んでいた。おんなじ話を再生産していくことに果たして意味があるのか?作る方にとってもキツい。高名な落語家に相談したところ、「私は古典落語をやる時は来ているお客さんがそれを初めて聴くものだと思ってやっています。何度やったものでも初めてそれに触れるお客さんはいる。その人の為に新作としてやるのです。」
そこで何かを掴んだ山田洋次は『男はつらいよ』を続けることにした。
ゲストは活動弁士の片岡一郎氏。サイレント映画こそ映画の構造の真髄を知る機会。何が伝わって何が伝わらないのか。
佐原囃子(千葉県香取市、佐原の大祭の祭囃子)を演奏する囃子方を下座連(げざれん)と呼ぶ。
福圓(ふくえん)美里さんはちょっと見た目が若すぎると思っていたが今回細かく観て納得。配役にも演出家の意志を感じた。
小口ふみかさんの漫画的に誇張した表現は見事。中野亜美さんと共にジェスチャーが秀逸。
川田希さんの気の強い古風な女の啖呵、極妻だ。
実演鑑賞
満足度★★★★★
お団子屋さんの朝の作業の歌がすごく細かくてどのように作られていくのかが分かりやすかった。
お盆に彼岸と此岸の話が良く合っていて本当にほっこりさせてもらいました。
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/08/12 (月) 18:30
初めてのあやめ十八番で、初めての経験しました。
生演奏は言わずもがな。ハートフルが少し溢れて触れられそうな感じにすぐに心地よくなっちゃいます。他愛もない日々にドラマがゆるやかにクロスしていて、日常の表現力がすごいなと。
ここまでノンフィクションに距離が近くて、同じキャストで数年かけて公演が創られていてって他にあるんでしょうか。つむぎちゃんとかも含めてもはやドキュメンタリーの様な気もするし、雑種はまだまだ長く続いてほしいです。(雑種以外も気になりますが!)
人をちょっと好きになるし、団子が食べたくなる舞台でした。
実演鑑賞
満足度★★★★
小劇場には珍しい季節狙いの夏芝居かと思ったら、これは日本劇作家協会の推薦・夏芝居で、この劇団のシリーズ公演の第三作でもある。
地域では知られている神社の参道にある名物団子屋一家の三代にわたる人間模様ホームドラマだ。雑種の飼い猫まで噛んでいるのもご愛嬌。
作者(堀越涼)の三十歳代の実体験が下敷きになっている由で、今も地方都市に綿々と残っている日本の伝統的な命のつながりを、神社、その祭礼儀式、伝統信仰を護る家族の生き方、地域との関係の中で、いまに続く生活ドラマとして描いている。
たとえば、加藤拓也の「ドードーが落下する」が地方の演劇青年の人生を辛く切実に描いているのに比べると、こちらに登場する都会からやってきた演劇青年(当日客演・藤原祐規)はいかにもの今時のその場に生きる青年である。どちらがいいということではなく、どちらも今までの日本の地方に生きる人々の類型から逸脱していく時代の子である。青年だけではない、伝統の中に生きている老若の登場人物たちの生き方にも、時代の生き方は反映している。そこが、夏芝居のシリーズドラマを装ってこの夏枯れの時期に上演されたこの芝居の一番の見どころだろう。
使いにくい横に長い座高円寺の舞台を中央に置いて客席を対面に組んだ古典劇のような舞台はノーセット、上手に稲荷神社の鳥居、下手に五本の竹を立て、そこに西洋音楽の四人編成のバンド(木管のファゴットが入るというユニークな編成。V,Gu,Pf)を下座として置くという抽象舞台で、劇中歌もあり、邦楽楽器も活躍する。一見無秩序な構えなのだが、これが神社の門前町という舞台によく似あう。この美術・音楽が第一。物語は女性を軸にした三代のホームドラマなのだが。人情噺の相続劇に落ちそうなところを女性個人の生き方の問題にしているところが第二。三十歳を軸に観客が同感しながら見ているのは、都会に生きる人々も地方に根があるからであろう。客席は幕内も多いがそれだけでは230の席がみるみる埋まるということにはならない。
注文を言えば、キャラを出すことに慣れている花組の俳優(男優)たちに比べ女優陣の性格表現が弱い(面白くない)ところ、広い舞台を持て余し気味で、女優陣のセリフがお互いに届かず会話が単調になってしまったこと、音楽が意欲的なのはいいが過剰なこと(饒舌に通じる)。ほかの方々も指摘されているが脚本が説明過剰なこところ、ことに出だしと最後の部分、説明は演技で埋めなければ、シチュエーションドラマは締まらない。それは17名に猫という登場人物の数がこの芝居の構えとしては多すぎるところからきている。
作・演出も俳優も甘さは目につくが、それらはすべて、物語の日常のやさしさと道具立て、夏芝居の気分で帳尻を合わせてしまった2時間5分である。
せっかくタイトルにも使っている雑種の猫の使い方までは手が回らなかった。