ありとは見えて逢はぬ帚木 公演情報 ありとは見えて逢はぬ帚木」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
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  • 満足度★★★

    夢幻ここ一年の作品中一番の脚本構想
    ここ一年間ほとんどの夢幻舞台を見てきたが、構想としては一番の出来ではないか。もう公演は終わっているのでネタばれ込みで書きますが、「帚木の女」で著名になったという画家の未亡人が「帚木の女」を探すという筋書き。
    プロットはおそらく「雨夜の品定め」の女性版であり、ダヴィンチコードのような謎解きドラマの味付けがされているという憎い演出。
    画家は実在の人物か私は知らないが、「帚木の女」と疑われる複数の女性とほとんど同時に恋愛に落ちていたという光源氏の部分をかぶせている(と思われる)。いわゆるおしゃれな現代版源氏物語でありその発想力には脱帽する。
    そこに、デリバリー・キッスというとんでもない発想の商売を非常にうまく組み込んで、これが「雨夜の品定め」にのっとって5年前の亡き夫からのキッスの贈り物という設定がまた憎いが、これが最後のどんでん返しに一役買っている。
    ただ、説明に難があり、わかりにくいのであまりディティールにこだわらずに流れを重視したほうがわかりやすいと思う。
    また、個人的には「真壁エピソード」は不必要に思える。
    最後15分ですべてのなぞが解き明かされる。
    カミカミ演技が伝染するなど、ご愛嬌はあったが非常に今後が楽しみな作品となった。
    なお、舞台美術や衣装・小道具は観劇料500円から考えれば十分な内容。演劇は観客の存在と想像力があってなりたつことから考えれば必要にして十分だったと思う。
    演技は力が常に入りすぎていて、もう少し安心して見られるように肩の力を抜くことも必要かも。

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