去りゆくあなたへ 公演情報 去りゆくあなたへ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.7
1-6件 / 6件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    舞台設定はセレモニーホールの
    家族待合室のひとつです

    昭和の頑固オヤジ風の元教諭と
    厳しい作演でしられた劇団長の葬儀を
    交互に見せてゆく家族喪失の話でした

    各登場人物がしっかりと作り込まれていて
    各役者さんらも上手に演じられていて
    なんとも隙の無い見事な舞台表現に昇華していたなぁ
    と感心しきりな2時間の作品
    全席指定っす

    ネタバレBOX

    会話にだけ出てくる人物像も想像できる
    見事な作品世界観は秀逸でした

    奔放で自由な長男と
    まじめで貧乏くじ引き気味な次男との確執とか

    オーバーアクションと言動の
    端々が楽しいホール担当市川女史が
    結構気に入りました=壁に張り付くポーズは
    何とも忘れ難く・・・・(^-^;)

    孤独死した団長さんを慕って集まり
    葬儀をする元劇団員さん達
    個性的な面々も悲しいはずの葬儀が
    何とも楽しめて
    映画「お葬式」みたいやなぁ と
    この映画も資金不足で監督自宅を舞台にして
    あし代浮かせたりと苦労があったそうで
    劇中の劇団員らの会話での
    様々な話も楽しめました~♪
    ラストに疎遠であった団長の娘さんが
    夜行バスで此方に向かっているというオチは
    定番ながらも心に染みる〆方でしたわ
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    優しさ 温かさに溢れた好公演。
    葬儀会館を舞台にした2つの家族の物語だが、関連することなく それぞれが独立した物語を紡いでいく。逆にそうすることで、去り行く人と残された人の思いが しっかり伝わってくる。そして2つの家族に共通した思いのようなものが浮き彫りになってくる。亡くなった人からの、満たされないと思っていた愛情。しかし そこには思いもしなかった深い情愛が…。亡くなって初めて知る情の深さに涙する。そのラストシーンに多くの観客がすすり泣く。

    舞台は葬儀会館の第1控室と第2控室、その特定の空間で 通夜という特別な日。そこで繰り広げられる軽妙だが滋味ある会話が心に沁みる。舞台にありがちな2つの物語の関連付よりも、それぞれの違った<情愛>を描くことによって、家族のあり様の幅を観せる。なお 家族と記したが、厳密には少し違って、そこが妙。
    (上演時間2時間 途中休憩なし)【Aチーム】

    ネタバレBOX

    舞台美術は葬儀会館の控室。下手に座敷--座卓や座布団等、中央--障子窓(上演前には枝葉の影)、上手--ソファが置かれている。捌け口には暖簾。このスッキリとした(飾り気のない)セットの中にリアリティを感じる。

    第1控室は、元中学校校長の森家の葬儀。喪主は、故人の次男 卓也が執り行う予定。ずいぶん前に退職していること、近所付き合いもなかったことから 家族葬にしたい。自宅で嫁 美智子を始め家族皆に介護されながら最期を迎えた。その介護の苦労話が実にリアル。
    第2控室は、劇団灼熱の元座長の葬儀。故人はアパートで孤独死しており、遺体の引受人がいない。劇団は解散していたが、元劇団員が縁ありと葬儀を執り行うことにした。元座長には別れた妻・娘がおり、連絡したが…。そして 葬儀を演劇仕立てにしようと、奇抜なアイデアの実行。

    この2つの葬儀を関連させない。元校長は 家族に介護され、最後は皆に見守られて亡くなる。一方 元座長は 離婚し、アパートで孤独死。最期を迎える その時を対比するような描き方。勿論その正否のようなものを説いている訳ではなく、現実にある状況を紡ぐ。舞台にありがちな関連付けをせず、敢えて並行した2つの物語にすることで、<死>を考えさせる。同時に 去り行く人の<生き様>を観るようだ。しかも、身内だけではない 幅の広さ奥深さも感じられる。

    森家には長男 和也がいるが、若い時に家を出て消息知れず。母の葬儀にも参列していない。しかし、突然 若い女性を伴って現れた。父に反発し心配ばかり掛けていた。
    一方、元劇団員たちは、座長の稽古が厳しかったことを懐かしんでいる。劇団員たちは入団する前に何らかの挫折を経験している。演劇は好きだが、生活もある という現実。
    夫々の葬儀は、手がかかる子(長男)ほど可愛い、現役教師の時には 不良っぽい子の面倒をみていた。挫折した者は強い意志を持つ、その成長を心待ちにしている、そんな愛しさが伝わる描き方だ。そこに 去りゆく人の思いが しっかり込められている。

    舞台技術は、時々聞こえる外の騒音(暴走族のバイク音?)、人の心情を効果的に表すスポットライト。場面に応じた照明の諧調など、実に丁寧な観せ方だ。そしてラスト、長男 和也の(最期の)挨拶が涙を誘う。
    次回公演も楽しみにしております。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

     板上は下手に葬儀場の控え室。ホリゾントの手前にお茶のセットが置かれ、六畳の畳敷の休憩室にはテーブル、座布団が見える。正面奥の障子を通して落ち着いた雰囲気が醸し出されている。出捌けはこの休憩室の手前の側壁2か所に設けられた袖から。尺は約120分。

    ネタバレBOX

     物語は2つの葬儀(通夜の模様)をほぼ交互に演じ分けることで進行してゆくが、互いの挿話に因縁が無い為因果の生ずる必然性が生ずることは無い。その為、全体としてはドラマの迫真性を欠く。折角、舞台で演ずるのだから、話をどちらか1本に絞って更に掘り下げた作品にした方が良いように思う。映画なら、例えば葬儀場そのものをテーマとして脚本は無論変わるものの同じセットでもカメラを通した目で撮影し、フィルムを編集して様々にタイプの異なる葬式や通夜の内輪を描くことで別のテーゼ(例えば人間の儚さをテーマとした作品)を提示しテーマを統一することが可能であっただろうが、今回の表現法では演劇の醍醐味である登場人物相互の葛藤が作品全体に及ばす、生の人間が観客の目の前で苦しみ、哀しみ、悲嘆に暮れ或いは歓喜に我を忘れる様をダイレクトに共有する演劇独自の熱狂を共有することが出来ない為、全体としての遡及力が弱くなってしまった。この点が残念である。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    とても良くできた面白い作品でした。春に身内を亡くして葬儀を行ったこともあり、とっても心に入ってくるのと、よくわかってるというか寄り添ったいいお話でした。役者の皆さんの演技は素晴らしく、涙も自然で本当によかったです。2時間もあっという間した。優しい時間ありがとうございました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    とてもとても面白かったです。2つのお話がきちんとわかりやすく進んでいき、かっこよく、綺麗で、かわいい役者さんたちのひとりひとりの気持ちになってみていました。泣きました。
    おひとり初舞台だとご挨拶がありましたが、とてもそうはみえない素敵な娘さん役でした。観れてよかったなーと思う舞台でした。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    すばらしかったです。話がわかりやすく2時間が短く感じられました。葬儀屋の美人社員さん、最後でなんらかの形で伏線回収するかな…と思ったらなかったですね^^ 兄弟の確執などすごくよく表されていてよかったです。あと、「劇団とは何か」いうことについてもあらためて考えさせられました。

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