満足度★★★
表現が中途半端
大劇場での超一流のクラッシックバレエの様に魅力的ではない。
小劇場ダンス公演の様に臨場感は無い。
全てが中途半端。
パパタラはもっと狭い劇場で見たい。
小川摩利子のヴォイスは素晴らしかった。
満足度★★★★★
ノスタルジックな風景
結成30周年を迎えた今年に解散することが決定しているパフォーマンスカンパニーの代表作の公演で、ダンス、歌、オブジェ、照明等、様々な要素が高いクオリティでスタイリッシュに纏め上げられた、詩情溢れる美しい作品でした。
物語性をうっすらと感じさせる程度に断片化された表現で港町の風景をノスタルジックに描き、観る人に様々な想像を働き掛ける抽象と具象のバランスが絶妙でした。
バレエから舞踏、日常動作まで様々なボキャブラリーを組み合わせた振付が、静謐さから激しさまでを表現していました。ホーメイ、ヨーデル、ブルガリアン・ヴォイス、島唄といった様々な民族的歌唱法を歌も面白い響きで不思議な無国籍感が漂っていました。殊更に日本らしさを強調している訳ではないのですが、コンテンポラリーな表現の間にアジア的な垣間見えるのが興味深かったです。
パパタラの作品は稚気や猥雑な俗っぽさを露悪的に表現することがしばしば見られ、個人的には好みではない演出なのですが、この作品ではそのような要素があまりなく、程良い緊張感のある凛とした空気が持続していて心地良かったです。
水平線を模した舞台奥の線状の照明や、天井から床面まで降りて来て複雑なパターンで点滅する多数の電球など、光源自体を見せる照明デザインが美しかったです。機械仕掛けで単独で動く船のミニチュアや自転車の車輪などのオブジェが夢のような印象を醸し出していて素敵でした。
カンパニーの看板パフォーマーで最近は出演の機会が少なかった小川摩利子さんの圧倒的な声と体の存在感が素晴らしかったです。品のある大人の女性の雰囲気が魅力的でした。他のパフォーマー達もそれぞれ固有の魅力がありました。
テレビで見掛けるような有名人が出演している訳でもない国内カンパニーのダンス系の公演としてはチケットが高額ですが、その値段分の価値があると思いました。