満足度★★★
岩松了的アイドル論&観客論
岩松了とアイドルという取り合わせは、ちょっと意外な気もするが、よく考えてみれば、これまでのドラマ、映画、舞台出演を通して、間近でアイドルに接する機会も決して少なくはなかったはずである。
「アイドルがドラマ出演すること」について、事務所の意向や、ファンの反応などの実態を見て、アイドルたちにどのような葛藤があったか、それらが演劇化するに相応しい題材だと判断したのだろう。芸能事務所の一室だけに限定された舞台で、そこに集う関係者たちの思惑の違いが作り出すドラマは、極めて繊細で、時には激しく、時には静かな中にも狂気すら感じさせて、観る者を飽きさせない。岩松了お得意の「幻想」シーンも、ここぞというクライマックスに差し挟まれる。
しかし、観劇後の印象は、一言で言えば「後味が悪い」。それは岩松了の他作品についても言えることだが、登場人物がみな、アダルトチルドレンであり、アイドルに群がる人々が「模範としての大人」とはほど遠く、それはアイドルを食い物にしているマスコミも、そして観客である我々もまたアイドルの心情を思いやる気持ちに欠けた「ダメな大人」であることを暗に指摘されてしまっているからであろう。
それは岩松了の計算通りではあるのだろうが、劇中のアイドルが哀れさを増すに付けても、芸能界に、そして世間に、もう少しマトモな大人はいないのかという憤懣を抱かないではいられないのである。
満足度★★★
有名な役者
役者の演技にはものすごく魅かれたけど、話がよくみえない感じが最初から
あった。チケットを買い遅れれてかなり後方で観たせいもあるかもしれない。
古賀と祥子の夫婦はそれはそれは現実的であって、普通に共感はできたのだけどね。
満足度★★
前半が退屈だった。
休憩ありの前半、後半各70分の舞台だったが、前半の必要性をそれほど感じなかった。
前半のラストになりやっと物事が動きだし、後半は微妙な人間関係やキャラクターの人間性を見ることができたが、それも薄っぺらく感じた。
微妙な演技をするには役者の力が足りてなかったようにも思える。
これだけの時間をかけるなら、せめて後半くらいの密度ですべてやってほしかった。