親の顔が見たい 公演情報 親の顔が見たい」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
1-14件 / 14件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    この話を観劇したのは
    これで二回目になりますね
    琴線に触れます・・・

    学校の教室内で首つり自殺した女子中学生
    その遺書に書かれた名前の保護者らが
    集められた一室での芝居であります
    関与した学生らは別室におり
    集められた保護者らと教員たちが
    事件をどう扱ってゆくのかという話です

    ネタバレBOX

    自分の子供を守るためとはいえ
    自殺した生徒の遺書を
    火をつけて燃やすは
    千切って食べるは
    なんとも凄まじい演出だなぁと
    感心しきりっす

    一度や二度は隠ぺいできた(?)
    遺書でしたが
    その後もいろいろと出てきて
    どんどん苛めがあったことを否定できなくなり
    人が=同級生が自殺したのに
    まったく動じず反省もしない生徒らを
    殺してやりたいのは自分なんだと告白する
    担任教諭の告白に
    各保護者らは心打たれて
    自分らの子供のとこに向かい
    各自が部屋を出ていくというトコで終演となります

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     戯曲は畑澤聖悟さん作、演出が西川信廣さんである。今作は初めて拝見したが、1月から今作を含めて42本を拝見したうちのベスト作品と評した。文句なしの華5つ☆

    ネタバレBOX

     脚本が素晴らしい。演出も無駄が無く舞台美術も必要最小限で小道具1つに至る迄総てを用い緊迫の舞台内容を盛り上げている。自分は初見の作品であったが、有名な戯曲だとのことで読んだり、観たりで既知であった方々も多いのかも知れない。何れにせよ。楽公演じっくり拝見させて頂いた。
     板上はホリゾントセンター上部に「愛友理真」と大書された額、その真下の壁に「聖母子像」が描かれた額が懸かっている。ホリゾントやや下手に出入口、その下手の壁手前には電話台と受話器がある。丁度板全体の中央辺りを占めるのは大きなテーブル。長辺の各々にはパイプ椅子が各4脚、上手短辺に1脚並べられている他、上手観客席側にはパイプ椅子が観客の視線と直交するよう横向きに2脚並べられ、その下手に塵入れとして用いられるのか、防火用水が入っているのかバケツがある。パイプ椅子は下手にもあるがこちらは上手のパイプ椅子とは逆向きに置かれ而も2脚づつ、やや間隔を置いて置かれている。舞台美術は以上。出捌けは出入口1か所と極めてシンプルだ。因みに尺は約110分弱。
     美術的に優れているのは、大書された文字が右側から左へ向けて書かれていることで、この学校が敗戦前からあったこと。聖母子像が懸かっていることでミッション系であることが即座に分かること。深読みすれば何故そのようなことが許されていたのか迄観客は想像できるということだ。(名門校であり女子校であることまでは極めて合理的判断で辿り着ける)
     さて、物語本題に入ろう。発端は、この学校の中学2年の生徒、井上道子が、朝教室内で首を括って縊死していたことであった。それを初めに発見したのが新任で担任の女性教諭、戸田菜月。年齢が生徒たちと近いこと、優しく親身に生徒たちに向き合ってきたことから生徒たちからは菜月、菜月とファーストネームで呼ばれていた。それだけに戸田自身精神的ダメージは極めて大きく、学年主任で教頭の原田茂一が16時から緊急開催される懇談を一切取り仕切って戸田には「休んでいるよう」指示していたのだが、戸田は、懸命にお茶出し等に関わっている。自死という行為が学校内で起きたことで校長も当然懇談には出席する。実際舞台上に登場するのは親たちと教師陣だが、道子の自殺原因はクラスメイトたちによる苛めであった。この場に居るのは苛めを実行したと考えられる子らの親たち保護者たちと教職者である。では何故、朝早く起きた事件当日に懇談会が持てるようなことになったのか? それは道子が出した菜月宛ての手紙が届いており、そこにクラスメイト5名の名が記されていたからである。遺体発見が午前7時を少し回った頃、菜月の反応は極めて迅速而も理に適ったもので直ぐに他の教師たちに連絡を取って道子を降ろし皆で人工呼吸、AED等必要な処置を為しつつ救急連絡を取って救急車を呼んだ。死亡判定を下したのは救急車で駆け付けた医療関係者で7時台に判定は下された。既に登校していた生徒が100名ほど居たが全員各家庭に帰した。その後道子からの書面で名指された5名の生徒及びその親たちに16時に学校へ来るよう連絡を取って集まって貰っていたのである。 
     親たちは会議室に集められ、子供たちは1人づつ、別々の場所に付き添い教師と共に居た。実際、苛めた本人たちであれば口裏合わせを防ぐ為ということも当然考えられる。
     協議が開始されると、教頭が菜月宛てに送られてきた文書を皆の前で読み上げた。親たちは自分の娘が同級生のそれもクラスメイトを苛めて死に追いやったということを認めたくない。その為、様々な異論、反論を述べ立て始める。最初の異論、反論はそれなりに自然な発想と論理に基づき、その異論、反論に濡れ衣であるかもしれない論拠が在る程度認められるものであった。然し徐々に親たちの論理に合理性が欠けてくると、同窓会会長やPTAトップ等も務めてきた森崎(妻)が、その書面を見せて下さいと言い出し2度目にそれを要求した際、その書面に火を付けて燃やし証拠隠滅をしてしまう。そんなことをする森崎雅子に抗議する学校側に教師で夫妻の長谷部(夫)が証拠が無くなって仕舞ったのだからとやかく言っても始まらない、防げなかった学校側も問題だとして恫喝を掛け、事実隠蔽工作に走る。だが更に道子からの手紙は別の人物宛てにも送られており、それも親たちの面前で読まれることとなったが、今度は切羽詰まった挙句教師から奪った手紙を破いて食べ、あっという間に呑み込んで仕舞うということをしでかしたのは、今度もまた森崎雅子であった。そして今回も詭弁を弄してあくまでも娘たちを庇い続けたのは長谷部亮平であった。然し乍ら幾ら何でも酷すぎると保護者サイドからも内部告発がおずおずと出始めた。而も乱入者がありその乱入者は会議室迄入ってきた。彼は道子がアルバイトをしていた新聞配達店の店長であり、彼に親切にして貰った道子は3通目の便りを彼に送っていたのである。メディアでも速報が伝えられていたから店長は直ぐに気付き真実を明かす為に会議室に押しかけ苛めの全容を明かす。流石に今回ばかりは、森崎雅子も手紙を奪うことは叶わず、事件の全容は親たちの中からも明かされてゆく。そして終盤、チェーホフ作品の幾つかで言及される深い台詞が引かれる。無論単に引用している訳では無い。チェーホフ作品の中で用いられて表現されている内容との対比の為にここに持って来られたのだ。この苛めという陰湿で卑怯でグロテスクで無責任な社会の在り様の鏡とする為に! (因みに証拠隠滅を国家レベルでやった歴史、個人レベルでやった歴史は敗戦後も脈々と実際に続いているのが実情である)焼却で対応する有名な件は敗戦直後進駐軍がやってくるまでの2週間程で問題になりそうな書類が昼夜を徹して焼却された事実として、食べた件は金丸が国会で疑惑を追求された際、証拠書面を実際に食べて隠滅した事件がある。
     以上が私の観た今作の内容であり、今年観た全作品中、最高作品と評価する所以である。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    何度観ても、ずっしりと心に残る作品ですね。リアルな現実を見せつけられるように響きます。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    何度か見たことがある作品だが、話が進むにつれどんどん感情移入しモヤモヤしてしまった。
    自分の身だったらなどと考えさせられる舞台でした。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    熟練の芝居に非常な臨場感を感じました。観る方にも覚悟がいるぞ、と。普遍的なストーリーでありながらこの舞台が新鮮だったのは、真実を炙り出す過程に技術があったからだと思います。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    何度か観た芝居ではあるが,やはりこの舞台も凄かった。役者さんの中にはもう少し…と思うところも無いではなかったが,脚本の力であろう,それを補う迫力を舞台から感じることが出来た。ついつい感情移入してしまったところ。総じて充実した観劇時間。見応えありのおススメの舞台でした。

  • 実演鑑賞

    面白かったです。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    今まで身の周りで中学生の自殺事件が起こった事こそ無いけれど、普段 通りかかっている学校内で、こんなやり取りが実際にあっても全くおかしくないなぁと思わせる説得力
    日常生活の延長線上な世界観は、やはり日常生活で関わりのありそうな雰囲気ある役者さん達の揃ったdiamond-Zさんにはとても合っている
    穏便に暮らしていて突然この様な事件に直面したら
    「これは何かの間違い、うちは関係ない!」・・・そう思いたい気持ちは痛いほど分かる
    だからこそ目が離せない
    本当にいろんな親の“顔”を見る事ができます
    味わい深い役者さん達、台詞が自身の役に沁み込んだ“言葉”としてもう一段自然に発せられたなら、味わいはより一層深まったと思う

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    初めて入る劇場だったが、昨年他の劇団で観た本作の公演とはセットのトーンやテーブルの配置などが違う。色んな意味で「強い」作品だから面白くはなるのだけど、今日の回は少々演者のバラつきが目立ったような。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    重い内容だったが引き込まれた。うちの子に限って…思いたいよね。だけど,子供の24時間全てを把握してるわけじゃあ無い。
    加害側も同じ…
    ラストが未消化で残念な気がする

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    考えさせる濃密な会話劇。見応えあり。
    無くならない苛め問題、それを当事者である生徒ではなく、その親の責任を問うような物語。
    (上演時間1時間30分 途中休憩なし)

    ネタバレBOX

    舞台美術は、中央にテーブルとパイプ椅子。下手に出入り口の木製ドアと電話。中央壁に「聖母子の絵画」と校訓「真理友愛」が掲げられている。その壁が薄汚れており年代=伝統を思わせる。シンプルなセットだが、内容は濃密だ。ドアを開けると外の雑音が聞こえ、この部屋とは別世界のよう。その意味では、集まった保護者は誰も途中で出入りしないことから、密室劇(保護者という責任から逃れられない)の様相でもある。

    梗概…都内の私立女子中学校、校内の会議室に5組の父母(もしくは祖父母)が集められる。苛めを苦に自殺した生徒の手紙(遺書と思われる)に5人の級友の名前が書かれており、その生徒たちの親が集められた。年齢や生活環境、職業が異なる親たちは、それぞれ自分の子どもは無関係とばかりに擁護することに終始する。いつの間にか親同士が激しく対立し怒鳴り声が高まる中、各家庭の事情や親娘関係が明らかになっていく。

    苛めは、暴行を加え、金を要求し、足りなければ援助交際まで強要する悪質さ。これは<虐め>を超えた犯罪であろう。公演では、学校の事実確認・調査に対して、父母等は自分の子供に限ってという言動。一方 学校側の曖昧な態度が事態をさらに混沌とさせる。

    この戯曲が書かれた何年か前に、北海道で小学生の女生徒がいじめを苦に自殺した事件があったのを思い出した。当初、学校だったか教育委員会だったか忘れたが、苛めはなかったと結論付けた。しかし、遺族によって遺書が公開され一転して謝罪することになった。その後「遺書」ではなく「手紙」という説明まで飛び出した。
    この隠蔽体質、適当に誤魔化す対応が、苛めに対して断固たる対処できない一因ではないだろうか。さらに今日的にはブログやSNS等、責任の所在を曖昧にする巧妙なネット苛めが増えているのは周知のこと。

    また、学校での苛めを通して様々な問題提起をしている。父母と娘のコミュニケーションの希薄さ、名門学校という枠組みに潜む差別・格差。山の手以外、例えば下町や近隣県からの通学生への蔑視、家庭の経済的な貧富、片親や職業への偏見、帰国子女への悪意ーそれは社会全体に蔓延る縮図そのもの。公演はそれらに対する警鐘ではなかろうか。

    1人の母親 柴田純子がスリッパに係る素朴な疑問を発する。なぜ来客はスリッパで、教師は上履きなのだろうか。何気ない台詞の中にリアリティを持ち込む。父母の中に教員夫婦 長谷部亮平・多恵子がおり、説明によれば男性教師は生徒を追いかけ、女性教師は生徒から逃げるためだという。
    やはり何年か前、男子生徒が女性教師から何かの理由で注意され、それが原因で女性教師が刺殺された事件を思い出した。それだけに一層リアリティを感じた。

    公演では、苛めた生徒は登場しない。しかし担任教師 戸田菜月から、生徒達の様子は普段と変わらず平静だと言う。その生徒達はLINEで連絡を取り合い知らぬ存ぜぬを決め込む様子。苛めのターゲットがいなくなれば、別の生徒を…そんな怖さを抱かせる。一方、戸田は自殺した井上道子へ心肺蘇生法を施しており、そのショックは計り知れない。精神的な動揺、その落ち着かない様子を 呈茶で紛らわす。実に丁寧な心理描写だ。

    「親の顔が見たい」…このタイトルは、自殺した生徒がバイトしていた新聞配達店の店長 遠藤亨の告発から来ている。親の顔も見たいが、心裏も確認したいところ。
    次回公演も楽しみにしております。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    由緒ある私立のカトリック系女子中学校。まあ中高大一貫校なのだろう。早朝、中2の女子生徒が教室で首を吊っている。見つけた担任女教師(黒田玲子さん)が蘇生措置を行なうが間に合わず。彼女宛の遺書が遺されており、中には虐めの告発があった。5人の名前。
    放課後、5人の保護者が学校に呼び出される。この事件をどう処理するものか、教師と保護者の緊急会議。

    想像通りの気の滅入る話。梶原一騎ならば『人間の性、その実、悪なり!』と断じたであろう。何の救いもない。ただ虐められて惨めに自殺した娘が一人いただけのよくある話。ただ、そこに追いやった者の一人が自分の子供だった。

    長崎りえさんと宮下正伸氏のヒール合戦なんか見どころあった。理論武装した屑みたいな言論。

    広い会場にした為、客席はガラガラに見える。勿体無い。良い戯曲なので時間あれば一度は観るべき。

    ネタバレBOX

    『全員、悪人』で良かった気も。教師達がまとも過ぎる。己の保身と自己正当化で隠蔽側に回る方がリアル。事を荒立てないで、「虐めなんかなかった」、「万が一あったとしても教師側に落ち度はない」の逃げ口上が現実的。被害者の母親(岡田節子さん)とバイト先の店長(河波哲平氏)の怒りだけが虚しく空を切るような。

    作品の物足りなさは演出に何か仕掛けがいるような気がする。それこそ舞台美術を『イノセント・ピープル』のような荒廃した廃墟にするだとか。話が進むにつれて世界が腐り落ちていくような。
    一人、ずっと泣いているだけで何も語らない人物なんか欲しかった。(被害者に対してではなく、とんだ事件に巻き込まれた可哀想な母親な自分の立場に泣いている)。

    トーン・ポリシングばっかりの糞みたいな言論状況。「つばさの党」みたいな世の中。屑が足を引っ張って全てを糞味噌に落とし込む。一億総カンダタか?いや、自分等が糞なだけで良いものはきっとある。価値のあるものはきっとある。人の振り見て我が振り直せ。屑共と共犯関係になるな。

    透き通った心は歳と共に消えて失くなり
    残酷な出来事に感覚が鈍り始めて
    歪んだこの世界に染まっちまったらオシマイだぜ
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    よくもあんなののしりあいやあんな解決策を持ち出すし、同じ家族同士でやりあうなんて、もうめちゃくちゃすごいですね。見応えアリアリ。

  • 実演鑑賞

    面白い。
    なるほど、何度も上演されてきた作品なのもうなずける。

    ただねえ・・・。

    ネタバレBOX

    人前で妻を、あれだけ高圧的に威圧。
    しまいには歴とした暴力。というのは、修正しないと到底受け入れ難いものがあるなあと感じました。
    今は勿論のこと、この脚本が書かれた08年でも、かなりはずれた人な気がする。

    携帯代6万円というのも隔世の感がありますなあ。

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