満足度★★★★
江戸川乱歩「怪人と少年探偵」の世界感
この本は本当によく読んだ物語の一つだ。だから少年の格好をして登場したキャストらを観ると頬が緩んでしまう。東京のデパートの洋服売り場で、人形に扮した宝石泥棒「人形怪盗」が現れたことから始まるこの物語は、どちらかというとシリアスではなくコミカルでハイテンポなさまで始まるが、この始まりはワタクシ達を直ぐに物語の世界感に誘導する。
以下はネタばれBOXにて。。
満足度★★
人形と、人間の共有
内容は、芳しくなかったが、円形ステージの上下とその周りをシーンごとに使い分けていたのが目立ちました。マネキン人形と、人間の競演のすばらしさがよかったです。
満足度★★★
人形とカセットテープ
出演者は全員男性で、円形劇場を有効に使ったレトロな雰囲気のある作品でした。
地の文的な台詞があったり、異なる場所でのシーンをストップモーションを使って同じ場所で演じたりと、趣向を凝らした演出が面白かったです。人形とカセットテープを物語中で出てくるシーンだけで出すのではなく、作品全体に対して関わる演出要素として使っていたのが洒落ていました。
ちょっとおぞましい人形のデザインが江戸川乱歩の怪奇的な雰囲気を出していて良かったです。細いスチールパイプで作られた2階建てのコンパクトなセットが立体的な空間性を生み出し、階段や2階を歩くときの足音がサスペンス感を醸し出していて効果的でした。
少年探偵団のメンバーを演じた若手6人は小学生という設定もあり、あまり難しい感情表現が要求されず、素直な演技でした。演技での見せ場はベテランの2人が担い、舞台を締めていました。
パンフレットの類は有料のものしかなく、公式サイトを見ても脚本と演出以外のスタッフの名前がクレジットされていなくて、美術や音響を担当した人が分からず、残念です。全ての客が役者だけを目当てに観に来ているわけではないので、紙ペラ1枚か公演のチラシでも良いので配役とスタッフが分かるものを配って欲しく思いました。