演劇

アイホール提携公演

阿呆~a fool~

デザイン:東 學

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演劇

アイホール提携公演

阿呆~a fool~

実演鑑賞

上海太郎カンパニー

AI・HALL(兵庫県)

2011/08/19 (金) ~ 2011/08/21 (日) 公演終了

上演時間:

公式サイト: http://www.shang-pagnie.com/

※正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。
~野々村くんのこと~
2年上級の野々村くんとは直接口をきいたことは無かった。
だが彼がずば抜けた秀才だという噂は僕の耳にも入っていたし、クラス委員が集まる会議の席で彼の口から発せられる難解な言葉の数々はある種の恐れを伴うあこがれの感情を僕に抱かせた。
彼は中学を卒業後、僕らの学区の最難関...

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公演詳細

期間 2011/08/19 (金) ~ 2011/08/21 (日)
劇場 AI・HALL
出演 上海太郎、室町瞳、坂本さやか、浦川舞奈、駿田千佳、浅野彰一、加門功、堀江勇気、増井友紀子
脚本 上海太郎
演出 上海太郎
料金(1枚あたり) 3,500円 ~ 4,000円
【発売日】2011/07/01
前売り3500円、当日4000円
公式/劇場サイト

http://www.shang-pagnie.com/

※正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。
タイムテーブル
説明 ~野々村くんのこと~
2年上級の野々村くんとは直接口をきいたことは無かった。
だが彼がずば抜けた秀才だという噂は僕の耳にも入っていたし、クラス委員が集まる会議の席で彼の口から発せられる難解な言葉の数々はある種の恐れを伴うあこがれの感情を僕に抱かせた。
彼は中学を卒業後、僕らの学区の最難関校であったK高校に難なく進学した。
僕の方も彼の後を追いかけたわけではないが、その2年後になんとかK校に潜り込み、僕らは再び同じ学校に通う先輩と後輩になった。
かといってあまり明るい性格とは思えない野々村先輩とはやはり会話を交わす機会は皆無だった。
春が過ぎ夏が来て、そして夏休みも終わった2学期の始業式、僕は野々村くんが自殺したことを知った。
人生のあらゆる事象を数学的に積分し結果がマイナスになったから、と言うのが自殺の理由だったと言う。
勘違いしないで欲しい。僕は今芝居の筋書きを話しているのではない。
僕の10代の頃に実際に起こったことを話しているのだ。
その事件はそれまでもぼんやりと僕の脳裏に漂っていた疑念を今度は深く胸に刻み込むことになる。

   「頭が良くなれば幸福になれるのだろうか……」  

他人の精神世界のことはよくわからないがたぶん私自身は相当にbad tripしやすい人間なのだと思う。
つまり『いらんことを考えてしまう』のである。
この『いらんことを考えてしまう』自分にわたしは長いこと苦しめられて来た。
子どもの頃から『よく考えなさい』と教えられて来た。
考えてはいけないことはたぶん『エッチなこと』だけだと思っていた。(それだって考えても良かったのだと今は確信する)
つまり、基本的に考えるということは美徳に属していたはずだ。
この考えすぎる特性はわたしの学校の成績を随分伸ばしてくれた。
自慢になるのであまり言いたくはないがつまりわたしは勉強のできる頭のいい、要するに賢くて大人しくて女の子たちにとってちょっと気になる可愛い男の子だったのである。
何が言いたいかというと、

   『頭が良いってけっこうつらい………』

世の親たちは学習塾に行かせたりして、少しでも偏差値の高い学校に子供を入学させようと躍起になっている様に思われる。
子供が賢くなるためには手段を選ばんぞ!という気迫すら感じるのである。
いい大学に入っていい会社に就職することが子供のため。
それが子供の幸せに繋がるのよ!…と。
だが果たしてそうだろうか?

   知性と幸福は比例するのか?

知的障害を伴って生まれて来る子供はたいがいお金持ちの家に生まれると言う噂を聞いたことがある。(確たるデータがあるわけではありません)
その子供たちは、両親の愛をこれでもかと感じながら人生を全うする。
親は親で、独り立ちが困難でかつ配偶者を見つけることも困難であろう我が子供を死ぬまで見守りたいと自らの使命を感じて生きるのであろう。
その関係は、前世においてあまりにも愛すべき対象を持てなかった人間と、そして愛される経験を持てなかった人間とが、両者とも必要とする相手に巡り会い貴重な時間を過ごしている様にわたしには思われるのだが。

   さて、上海太郎カンパニー第3回公演『阿呆~a fool~』は?

知性がもたらす幸不幸の彩を、ダニエル・キイス原作の『アルジャーノンに花束を』にストーリーを借りつつ上海太郎カンパニーの得意技であるダンスやマイムなどの身体表現を盛り込んで構成して行きます。
実験動物のマウス『アルジャーノン』を室町瞳が演ずるのは他に類を見ない演出です。
原作では実験迷路を発達した知性でクリアして行くアルジャーノンですが、この舞台では『白鳥の湖』の映像を見せられたアルジャーノンが、それをそっくり真似て音楽に合わせて踊り始めます。
まさにはくちょうならぬ『白チュウの湖』です。
前回公演の『不思議の国のアリス』で全楽曲の作曲を担当した多久雅三が今回も主題歌の制作を担当。
音楽でもって主人公チャーリーの知性の変化を色付けします。
音楽面では前回も生演奏で参加したマリンバデュオsoyの駿田千佳も参加、生演奏とともに役者としても登場します。
役者は他にいつもの坂本さやか、浦川舞奈、そして久々に登場の浅野彰一、初参加は尼崎ロマンポルノから堀江勇気、悲願華から増井友紀子、そしてフリーの加門功と並びます。
もちろん主人公のチャーリー役には『阿呆』をやらせれば藤山寛美と双璧ともっぱら噂?の上海太郎が体当たりでぶつかります。
乞うご期待!
その他注意事項 未就学児童入場不可
スタッフ 【舞台監督】谷本誠(CQ)、【照明】吉本有輝子、【音楽】多久雅三、駿田千佳、【音響】Alain Nouveau、【衣裳】勝原理江、井本惇子(演劇秘密結社ピーピー・スー)、【宣伝美術】東學(188)、【宣伝写真】山田徳春(STUDIO 500G.)、【制作】松井康人、石垣佐登子

[情報提供] 2011/08/14 03:37 by 松井

[最終更新] 2011/08/14 04:07 by 松井

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