シャイロック 公演情報 シャイロック」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★★

    さすが

    観てきました!おもしろかったです!
    友情というものを改めて考えさせていただきました!

  • 満足度★★★★★

    娘が観劇?感激?
    観に行きました!わが娘が(笑)
    帰ってから早速第一声が、「もう一度シャイロック観たい」でした。
    原作を読んで向かった娘も内容が違う?と思ったようですが、これまたとても新鮮だったようです。高校生の娘ですが、内容的に少し理解ができなかったところもあるようですが女性の目線でポーシャがシャイロックとアントウニオウを傷つけずに救った優しさ、そして何をやるにしても本気で全力投球する彼女を私は尊敬する。そして観ているとポーシャは清水さん本人?清水さんを知る娘は二人を重ねてしまったようです(笑)
    東京演劇アンサンブルの何人かの団員さんと親しくさせて頂いて、目の前で演技を観ることができ感激したうえに、いい刺激を頂いたようです。
    自分の夢を諦めず目指す目的ができたようです。

    そして観劇した後の食事会にも参加させて頂きありがとうございました。
    とても美味しかった、と自慢されました。そして色んな話も聞けてためになったよ。っと満足げです。
    私自身もシャイロック観てみたいそう思いました。原作とどう違うのかも興味あります。
    是非また再演してほしいです。今度は、ブレヒトまで行って生を観たいです。

    最後にいつもお世話になってる志賀サン,公家さん、尾崎さん、清水さん、町田さん、坂本さんにいい刺激を与えて頂き感謝しています。
    今後も、うるさがらず相談や会話にお付き合いよろしくお願いします。と伝え下さい。

  • 満足度★★★★★

    感無量です
    チケットの招待をいただきましたが、熱中症でダウン。なんとか千秋楽の日に観ることができました。

    長野、木島というところに「学生村」という民宿の集まりがありました。
    私が高校三年のときの夏休みに、クラスメイトの荒木くんと一緒に訪れたときのことです。
    同宿した人たちの中に、20代半ばと思われる「お兄さん、お姉さん」がいました。
    男女それぞれ二人。もう40年近くも前のことです。

    なんとはなしに話をするようになり、この四人の同宿者は、「東京演劇アンサンブル」の劇団員だということを知りました。
    一人は、長塚さんという方。あとは残念ながら覚えていません。

    この四人は、ブレヒトの劇について、それがどんなに優れたものなのか、熱く語り、何も知らない私は、それがとても新鮮に感じられました。その際に、「暗記するといいよ」として教えられたのが、ブレヒトの「けしてできないなんてお言いでない」(原題は失念です)、谷川俊太郎の「ネロ」の詩です。
    同時に、そのときに、世界で初めて民主的な手続きで成立した、チリのアジェンテ政権が、軍隊の反乱により倒壊してしまったことも、この学生村で、ニュースとして彼らから知らされました。

    おそらく社会に目を向けて考えるということを、私は初めて、この四人から教わったと思います。(完全にノンポリの私でしたから)

    東京に帰って、暮れに「パリコミューン」という劇を、この劇団で観ました。長塚さんたちは、まだ端役でしたが、林光の音楽や、切れ目のないせりふの連続に、ある種のカルチャーショックを覚えたこと、今でも鮮明に覚えています。(打ち上げにまで私を誘っていただいたことも感激でした)

    私が今、ここにあるのは、この劇団のおかげなのかもしれません。

    「シャイロック」は、「ヴェニスの商人」をベースとしながらも、脚本を手がけたアーノルド・ウェスカー自らが言うように、まったく新しい作品として完成されたものです。
    シャイロックを、より人間くさく、しかも複雑な生い立ちと心理とを持った人物として、「再生」されています。
    ユダヤ人問題に目をそむけず、真正面から描いているところが、観ている私たちにとっては、分かりやすいものともなっています。シェークスピアの原作では、そこまで描ききれていません。
    より人間を深く理解し、しかもより深く愛した作品だと言えるでしょう。

    実験的な脚本なのでしょうが、その試みには共感できるものがありました。

    劇団の「年長の方」(案内係をしていた男性の方)に、前半に書いたようなことを、懐かしさをこめて、たくさん話してしまいました。待合室の左手奥に飾られた「パリコミューン」のポスター。これは当時、読売ホールで上演されたときのものだとのこと。私の第一歩が、ここから始まったのですね。懐かしい・・・

    今年の学芸会は、以前作成した「ヴェニスの商人」の大幅な書き換えをしたいと考えています。



  • 満足度★★★★

    シャイロックの魅力
    1週間前に、新国立劇場の小劇場で「ヴェニスの商人」を観劇してから、「シャイロック」を観劇しました。
    シャイロックに焦点を当て、彼の哲学で芝居を進展させるこちらの解釈の方がよりドラマティックで面白く、芝居を楽しめました。
    シャイロックと友人関係であるアントウニオ役が、年齢といい、存在といい、より信憑性のある配役でした。
    邪魔にならない程度のユーモアを交えたセンスある演出で、休憩を含む2時間半は、なんとも充実感を持ち帰れる作品に仕上がっていました。

  • 満足度★★★★★

    見ごたえ十分の舞台
    横浜からは結構遠い武蔵関まではるばる伺いましたが、
    遠くまで観に行って本当に良かったと思った。

    主役人から脇役まで演技面でも、
    そして舞台装置など演出面でも素晴らしく、
    この日はかなり疲れていましたが、
    むしろ、元気を与えられたような気さえしました。

    ネタバレBOX

    シェイクスピアの「ヴェニスの商人」を素材にしながらも、
    一部は変更され、また、そもそもこちらは
    「ユダヤ人社会の側」から、この劇は作られている。

    シャイロックとアントニオウは、お互いに尊敬しあう親友という設定。
    アントニオウを名付け親として頼ってきたバサーニオウに、
    お金の工面を懇願され、彼のためにシャイロックから借金するはめに。

    シャイロックは親友の頼みゆえ、「証文も期限も不要」というが、
    アントニオウは、「ヴェニスの法律が、ユダヤ人との取引の場合、
    証文作成と担保設定を義務付けている。
    だから、法律を守らないわけにはいかない」と言う。
    そのため、2人は「馬鹿な法律を揶揄する」ため、
    例の「肉1ポンド」の契約をする。

    さて、キリスト教徒で、シャイロックやユダヤ人達に敬意を持って
    付き合う男はアントニオウだけで、
    バサーニオウはじめ、アントニオウの周囲は、
    ユダヤ人を人種差別し、軽蔑している。

    そして、アントニオウの船が遭難(?)という情報が入り、
    期日までに借金の返済ができないことに…。
    しかし、法と契約を守らないと、法律違反の前例を作ることとなり、
    それは法によって差別もされながらも一定の活動を許容されている
    ユダヤ人の平穏な生活を奪うこととなる。
    シャイロックもアントニオウも、
    「契約」の履行をせざるを得ないことを覚悟する……。

    さて、これまでの筋の流れと並行して、
    例のポーシャの婿選びの話も紹介される。
    しかし、こちらの扱いは軽く、劇中の婿候補は
    バサーニオウだけで、しかも彼は逡巡しながらも、
    ついに見事に「鉛」の箱を選択し、彼女を射止める。

    そして彼女は、シャイロックとアントニオウの
    不幸な出来事を知り、ヴェニスに向かう。
    そして、「肉だけ」「1ポンドだけ」の有名な台詞で、
    「契約無効」を宣言するが、これは利発さからというより
    「思い付き」というような扱い。

    また、フィアンセにも分からないような変装もしないし、
    フィアンセの指環を強引にもらって、それを使って
    後でフィアンセを困らせる話も出てこない。
    したがって、最後のバサーニオウの台詞では、
    むしろポーシャを下に見るような台詞も口にし、
    ポーシャの利発さはあまり強くは感じられない。

    また、話は前後するが、さらにもう1つの話として、シャイロックの娘
    ジェシカが、父への不満(しかし、彼は変人かもしれないが悪人ではない)から反発が次第に強くなってきたことと、
    ロレンゾウに魅かれ、ついに家出を敢行。
    しかし、ロレンゾウも、結局はユダヤ人差別者。
    父にまつわる裁判を通して、ロレンゾウや彼の取り巻き達の、
    ユダヤ人への差別意識を知り、彼への気持ちは冷めていく。

    結局、この芝居を通じて、キリスト教徒の方が、
    むしろ小人物に描かれている。
    シェイクスピアの戯曲と、どちらが史実に近いのか?
    は不勉強で知る由もないが、少なくとも、
    こういう観方は当然できるものと思われるし、
    むしろ、こういう観点からの問題提起はなされて当然とも思われる。

    まあ、A.ウェスカーの台本にもし注文を付けるとすれば、
    ポーシャが最後の裁判の場面など、さらに知恵を出して
    シャイロックをもっと助けて欲しかったところ。
    前述のとおり、ポーシャについて、この扱いでは、
    シェイクスピアの下敷きが無ければ、ポーシャの話は無くても良いくらい。
    まあ、「ヴェニスの商人」はあまりに人口に膾炙しているので、
    ポーシャの話を入れても良いし、
    あるいは入れないと益々落ち着きが悪くなるのかもしれないが。
  • 満足度★★★★

    興味深い新釈シャイロック
    シェイクスピアの『ヴェニスの商人』とは趣の異なるアーノルド・ウェスカーの作品。

    役名が同じでも設定やストーリーはかなり違うので興味深かった。

    初演以来、10回の改稿を重ねているそうだが、日本ではこの東京演劇アンサンブルが最新版で初演となる。

    ユダヤ人についての捉え方、描き方がかなり違う。

    シェイクスピアファン、シェイクスピアにあまり興味ない人、両方に観てほしいと思った。

    有料プログラムに本戯曲が生まれた背景や分析、解説がなされているので、興味のある方には一読をお勧めする。

    再演を希望したい。

    ネタバレBOX

    観終わった後、各自が自分の中でいろいろ思いを巡らせることができる作品だと思った。

    東京演劇アンサンブルは「あー、面白かった」だけで終わらない作品を上演し続けている劇団。

    私にとっては「人生の良き友」のような劇団である。

    この劇場、唯一自宅から歩いて行けるので、引っ越したくないとさえ思っている。

    がめつい高利貸しというイメージのシャイロック(松下重人)が、本作では、読書家で教養があり、貴族のアントウニオウ(竹口範顕)に人生において影響を与えるほどの存在に描かれている点にまず驚く。

    しかし、その知識と教養が娘のジェシカ(樋口祐歌)には重荷で、反抗を生む。

    シャイロックに姉リヴカがいる設定で、志賀澤子の温かみがとてもよい。

    ポーシャ(清水優華)も颯爽としたスーパーウーマンではなく等身大の描かれ方で、ジェシカ同様、自分の境遇や結婚に迷いや悩みを持っている。

    「肉1ポンド」の証文の意味や、判決の出し方、受け止め方もシェイクスピア版とは違うが、ここで明かすのは興をそぐので控えます。

    2組の若い男女のハッピーエンドで終わらず、かなりほろ苦い幕切れ。これがまたよい。

    バサーニオウ(公家義徳)の妻に対する考えかたに男の本音が出ていて面白い。実は私の父が結婚の時に母に送った手紙を死後に発見し、その文章とほぼ趣旨が同じ台詞で苦笑してしまった。

    終幕の男たちの語らいの場面に、いつものアンサンブルの団風が出ていて、借り物の役でなく俳優の個性が役になじんで見えてとても良かった。

    松下重人は、誠実な人柄がにじみ出る俳優なので、このシャイロックは似合っている。

    ただ、松下を含め、初日ではないのに俳優の何人かに台詞のとちりがあり、手ごわい戯曲だったのだろうが、残念だった。

    清水は成長著しい期待の若手で最近好演が続いているが、まだ線が細く感じた。

    バサーニオウがベテランの公家なので、個人的には桑原睦のポーシャで観てみたかった。

    桑原は行動力ある銀行家の娘レベッカをくっきりと演じるが、ポーシャも似合うはず。

    桑原ならジェシカを保護して世話をするという包容力も出たと思う。

    ジェシカの樋口は見事抜擢に応え、難役をこなした。もっとよくなるはず。

    実際に建築学専攻の本多弘典が若き建築家ロドリゲスを演じているのも面白い。

    本多は加藤健一の若いときに似た目力がある個性的な俳優で、少ない出番でも印象に残る。

    名家に生まれ、屈託はないが100%善人ではない青年グラチアーノ役を尾崎太郎が好演。

    三瓶裕史の肖像画家モーゼ、浅井純彦のシャイロックの協力者テュバルも、いかにもその役らしさが出ていた。

    こういう脇の層の厚さがこの劇団の魅力でもある。


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