実演鑑賞
満足度★★★★
たまに食指が動く加藤健一事務所今回4度目の観劇。「おかしな二人」「ビロクシー・ブルース」は戯曲を読んだがこれに並ぶニール・サイモンの代表作の本作は棚に飾ったままであった。
老境にあるかつて一世風靡したコント師にTV出演の話が来るが、不仲の二人はコンビ解消して10年以上が経つ。この作品、実際にコントを披露する場面を作っているのが、これを秀作たらしめている。二人の人間的なタイプと取り合せが面白く、ストーリーはTV出演可か、ちゃんとコントがやれるか、という所に注目させるが、二人の人間味と往時の関係性を振り返り、新たな今が生まれる仄めかしのラスト。老いのドラマ。
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/01/31 (水) 14:00
座席1階
確かに、2年前よりもよかったと思う。脇を固めたメンバーもしっかり存在感があった。翻訳劇なので仕方がないとは思うが、ニール・サイモンのギャグがはまるところとはまらないところがあって、笑いのツボがずれている感じもした。クスリとなるのも含めておおいに笑いたいと思ってきているお客さんも多い。少しでも脚色でカバーすることはできなかったかと思った。
アメリカエンタテイメント界で一世を風靡した2人組のコメディアンが主役。足腰が弱ってボケも入っているのではないかと心配になるウイリー(加藤健一)と、出で立ちはしっかりしているが足元が怪しいアル(佐藤B作)。2人を再び共演させようと、ウイリーの甥(加藤義宗)が画策するところから始まる。とにかくこの2人は仲が悪い。特にウイリーは被害妄想的なところもあり、絶対共演なんかするかと抵抗する。最終的に「じゃあ、まずはさわりの稽古だけでも」と落ち着くが、やってはみたものの、とにかくアルが入室する冒頭の数秒のところしか稽古が進まないという状態。ぶっつけ本番のような形でリハーサルに突入することになる。
主役の2人には、納得の客席だ。間合いもぴったりで、B作のちょっと甲高い早口のせりふ回しがすばらしい。特に、2人だけのラストの場面は客席を魅了した。千秋楽だけに、気合が入っていたのが伝わってきた。
この演目は全国各地を回っていて、シモキタの本多劇場はいわば凱旋公演。地方公演はまだあるから、全国にこのすばらしい演目を披露してほしい。
実演鑑賞
満足度★★★★★
再演。2年ほどの間にウィリーの偏屈の度が増した感、実の息子の義宗さんの甥役が伯父を放っておけない優しさも更に醸し出されていたような。B作さんと加藤さんのテンポが命の台詞の応酬にも磨きがかかり、実に見応えがありました。本当にこの作品をまた観ることができて良かったです。この二人の共演はやはり国宝級です。文句無しに笑わされてしまう。