実演鑑賞
満足度★★★★★
とても丁寧にとても良くできた内容だった。朗読劇のジャンルなのかもしれないが、その枠は超えていて内容もそれぞれのエピソードもこの役の心情まで観ているこちらの心にスッと入ってきてわかりやすかったです。とても、充実した時間を過ごせました。
実演鑑賞
満足度★★★★
久しぶりの青☆組の観劇。やっぱりこの劇団の雰囲気はいいですね。今回の舞台は太宰治の同名原作に、他の作品のエピソードも加えて、実に巧みな構成。時代を感じさせる見事な群像劇でした。
実演鑑賞
満足度★★★★★
お芝居とミュージカルの融合のような感じで、とても素晴らしかったです。
ひとりひとり、歌がとてもじょうずで、美しい歌声にうっとりしました。
曲目もよく知っている曲で、観劇後も頭の中に残り響いていました。
叙情的な詩を味わっているような、至福の時間でした。
個性的な役者さんひとりひとりの熱演が素晴らしく、良いお芝居を観たという満足感でいっぱいでした。
テーマは暗いのだが、明るくユーモアやペーソスがあり、笑える部分もあり楽しかった。
[花] がとてもインパクトがある。
吉田小夏さんのことを書いていたひとがいて、このお芝居が是非観たくなり、足を運んだ。
吉田さんの魅力にあふれた、本当にスゴい作品でした。
次回が待ち遠しいです。
実演鑑賞
満足度★★★★
朗読劇の成功例である。
朗読はどうしても演劇の迫力に及ばない。そこをどうすれば対抗できるか、をよく考えてある。
まずは、企画がいい。
太宰治のこの短編を見つけてきたことが第一。背中から手を伸ばして人の心をつかみそうな太宰の言葉のうまさをちょっとあざといくらいに巧みに編集している。80分。
次に素材。朗読される内容に、現実にはいまは存在しない世界へ観客のイメージを飛ばす力がある。素材が今の現実を打つ力がある。しかも開戦月の十二月の公演。
12月八日のこの日は、もう私は物心はついていたから、記憶にある。太宰の文章の力はその記憶へ帰っていかせるだけの力を持っている。大きな嘆息とともに、あぁ嫌な時代だったなぁ、と思うし、国民が集団幻想に踊らされるとどんな悲劇が待っているかは、今の人の多くは知ろうともしないが、私の世代はその解釈は人それぞれとしても、生身の骨身に染みて知っている。朗読という形式はそこへ素直に帰っていかせる回路として、演劇よりも力がある。
朗読劇では、このような半分立ち芝居を混ぜた形で便宜的に処理することが多いが、この公演には必然性がある。音楽(歌)も同様。この朗読「劇」にとって、余計なものを周到に省いて独自の世界を作ろうとしている。一段高く平台を重ね、白布を覆った舞台と、周囲の椅子だけ舞台表現に手を抜いていない。時に象徴的にフリーズショットになるところも、あざといくらい決まっている。
難をいえば、選択した原文部分はこれはこれでまとまっているが、今の人にわかりやすいおセンチなエピソードでまとめすぎているところだろうか。太宰を掘ればもう少し苦いところも出てくるはずである。
俳優はみな柄をうまく生かされていて、この吉田小夏という作演出は初めて見たが、なかなかのタマである。五十隻くらいか、満席。
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/12/19 (火)
原作の太宰治「十二月八日」を読んでからの観劇。
あらまぁ素敵。こんな舞台になるのね。
人間から発する声、音、音楽が絡み合い
青☆組らしい、と言えばそうなのかもですが
本を読んで広がった世界がさらに立体化し、本当に生きていた。
この先のことを考えると本当に悲しい。
でもきっとこの先も残る作品だと思います。
実演鑑賞
満足度★★★★★
原作の短編は、主婦の一人称による日記仕立て。それも字面だけ追っていけばあっという間に読み終わってしまうような短さだから、これをどう舞台化するのだろうと思っていたら、原作には登場しない人物を追加してエピソードを割り振ったり、創作のセリフを加えるなどして構成しており、この戦争の行く末を知っている観客からすれば、ドキッとするような箇所も。4年前にここで観た『Butterflies in my stomach』を思い出させるような演出もあり、100年前の遠い世界の話ではなく、地続きの物語になったような印象。
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/12/14 (木) 19:30
同劇団としては4年ぶりの公演だが、劇団の特徴が良く出た素敵な作品だった。(2分押し)84分。
太宰治が太平洋戦争開戦時の感触を妻の立場から描いた短編小説を潤色して、舞台化した。終演後に原作を読んでみたが、原作は一種無邪気に戦争を受け止めているが、本作では戦争の悲惨さも含めて巧みに手を入れて、興味深い舞台となっている。4年ぶりの公演だが、感触は相変わらず。開演の5分前から役者が舞台の脇に着席し、小説を読んでいるという設定の「読者」の少女を置いたことで、現代や未来に繋がる作品にするというのも巧い。