長い正月 公演情報 長い正月」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-9件 / 9件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    物語は大正12年(1923)の大晦日から始まり、令和6年(2024)の元日までの100年間の木村家における正月をシームレスに描く。衣裳やメイクはそのままでも台詞一つで大正12年と思っていたのが、いつの間にか昭和元年(1926)になるという具合で実に演劇的な見せ方。登場人物たちはどんどん年齢を重ね、子供たちは大きくなり、上の世代は一人、また一人と死んでいく。その死は該当人物が下手にある地下への階段を降りていくことで表現されるのも印象的。
    木村家の家業も最初は酒屋だったのが、純喫茶になり、カラオケを取り入れたりと時代ととに変化していく。一方、木村家の隣には代々神職を務める田崎家があり、最初の時点では博の幼馴染の克也が顔を出す。やがて父親が死んで克也が宮司になると養子の春彦が…という具合に神職同様、こちらも受け継がれていく。時代とともに変化する家庭もあれば、伝統を変わらず守っていく家庭もあるが、どちらにしても家というものを大事にしていくという、ある意味、日本らしい価値観は共通しているように見える。

    ネタバレBOX

    この物語をどうまとめるのかなと思っていたら、最後はひかるが中島みゆきさんの「時代」を歌い始め、これまでの100年が走馬灯のように流れていく。この選曲とこの演出はずるいよーと思いつつ、木村家の100年の歩みに感涙せずにはいられなかった。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    落ち込んでる自分がいる。
    絶賛ツイートしか目にしない中で絶賛できない自分には何かが欠けているのだろうか?
    100年という時間を違和感なく切り替えていく演出には感嘆したが、物語が日常過ぎて実体験を超えない、そんな遠い目で観ていた。
    決して否定しているわけではなく…
    きっと、求めているものが「非日常」なんだと思う。

  • 映像鑑賞

    満足度★★★★

    配信にて鑑賞。音声に若干難ありだが、演技がしっかりしており、凡そのやり取りのニュアンスは分かる(キーになる台詞は何度か再生して確認するしかないが..)。20歳の国は恐らく8年前位になるか、一度観た切り。コロナ期に配信用に取られたフィルムは観た。
    芝居が始まると奇妙な会話があり、その内「大正何年」という語が出てきて、リアリズムの時間が流れ始める。そして時折時空がふと飛んで世代が変わっている。100年の話という。逆算すれば1924年(大正13年)が起点。日本史的な事情が介入する隙もなく家族の内部の物語が進行する(一箇所、戦災孤児という言葉は出てくる)。人情劇に流れず、しかし情は溢れ出ている。外に出て行かずとも家族という自転(自然な営み)の中に劇的瞬間があり、全てを擁する世界がある。その発見。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2024/01/07 (日) 13:00

    とてもいい芝居だったので楽前に再度の観劇。やはりいい。(5分押し)99分。
     開場前に当日券の10人ほどの列ができるくらいの評判の良さで、とにかくいい芝居だった。アゴラ劇場の特性を活かした使い方や、生と死は表裏一体というテーマとか、年越しの時期に観て良かった芝居だった。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2024/01/06 (土) 13:00

    ある家族/一族の百年間折々の年越しを100分間で描いた「大河ホームドラマ」。
    途中暗転を1回しか(!)挟まずに話が進むので見た目だけでは時が経ったことはワカらないが、家族に起きた出来事や社会的事象、登場人物の年齢などをさりげなく織り込んで経過年数やいつ頃のことかを観客に推測させる会話が鮮やか。
    ヘタクソに作ると年が代わる度に暗転したり、会話に具体的な年号を入れたりするものね。(笑)
    また、鬼籍に入る表現(照明含む)も巧みで観ていて「嗚呼、この人も……」と寂寥感を抱いてしまう。時として逝きかけて戻ってきたりもするけれど。(笑)
    さらに、クロニクルだけに役者が子供時代から老年期まで演ずるが、その加齢表現(特に老年期)も良かった。これもまた「時の流れ」に説得力を持たせていたと言えよう。
    2023年の観劇納めに続いて2024年の観劇初めも秀作で満足満足♪

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2024/01/03 (水)

    100年を100分で!!しかも早回しリフレイン付きで!!!
    涙ホロホロこぼれていました。
    移り行く時代を感じながらあぁここまで来たのか…という。
    薦めてくれた友人に感謝です。新年早々観ること出来て良かった。
    演劇っていいね!と思える作品でした。

    ネタバレBOX

    小道具が最小限であることも魅力でした。
    しかもないものが見える演技がすごい!!
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2023/12/31 (日) 13:00

    約100年という時間を2家族の大晦日という「超」定点観測で表現。見事。数年前までは中途半端にヤンキーな高校生の熱い姿を描く群像劇が得意な劇団でしたが、主宰の竜司さん、いい具合にオジサンになってきたなあ。今後、どういう作品を作っていくのか、なおさら楽しみになりました。

    大晦日の昼公演でやったステージ上ツアーも楽しかったです。照明って熱いんですね。初体験でした。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    暖かい電球色の照明に、ほっこり、しんみりした芝居かなって思ってたら、舞台上が数年単位でシームレスに進行していくので、かなりスリリングな観劇になりました。
    今、地震速報を見ながら書いてるのですが、そんな人生のままならないところを象徴する奈落への階段の使い方も印象的だった。
    舞台上の役者の細やかな演じ分けは、演劇的にとても面白くて。
    100年にわたる家族の物語は、色んな感情を揺さぶられました。

    直接関係ないところですが、芝居をやる時期だったり、来場特典だったり、終演後に甘酒をふるまってくれたり、そういう配慮がまた芝居と良い響き方をしてたと思います。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2023/12/29 (金) 19:30

    6年ぶりの劇場公演だと言うベテラン劇団。とても面白い。いい芝居を観た。102分。
     1823年(大正12年)から今度の年越しまで、ある家族の100年にわたる年越しの様子を淡々と描く。多摩の酒屋だった木村家の居間が舞台。隣の神社の田崎家の人を交えて、短い時間で次々と年が過ぎていくのが面白い。シームレスな演技だが、ちょっとした言葉や話題で年が変わったことが分かるあたりは流石の巧さ。年末にいいものを見せてもらった。

このページのQRコードです。

拡大