満足度★★★★★
無題76
チラシに写っているシーンから楽しそうだなと思い観に行ってきました。真っ黒な舞台を前に時間まで待ちます。後ろをみるとお客さんがいっぱい。チケットの申し込みをしたのは6月、C席ということだったので3列目かと思ってたら最前列でした。暗転、始まって最初に目に入ったのは特大の真っ赤な横長の「いったんもめん」。真ん中にひとつ、顔だけが出ていて、大きなクリクリした眼で客席を見据えています。ひょえ~、眼を合わせると石になるかと思いました。はっきり覚えていませんが、1列目には5人くらいいらしたでしょうか?ちゃんと脚があります。ふとももから下だけがのぞいていて、足技をみせてくれます。この回はアフタートークもありました。
You Tubeに「トヨタコレオグラフィーアワード2010」のときの映像があります。
満足度★★★
魅力的な群舞と視線
端正なムーブメントやフォーメーションの合間にコミカルな動きを差し挟みつつも、全体としてはクールな質感が支配的な作品でした。
ヘンデルの『水上の音楽』をカットアップしてトライバルなリズムに乗せた音楽の中、赤い大きな暖簾状の布で上半身を隠して赤いソックスを履いた脚だけを見せて踊る幕開けがインパクトがありました。
その後はソロやデュオなど少人数のシーンが続き、具体的な物語があるわけではないのですが芝居的な要素が多く含まれていました。
比較的長いシークエンスを反復し、3回目で変化する展開が多用されていて、少しくどく感じました。単独公演ということで60分以上ある作品を作ろうとして無理に引き伸ばしている印象を受けました。
いくつかのモチーフを作品全体を通して用いることによって統一感が図られていました。バレエ的な動きが多い中、鋭角的な腕の動きを強調したヒップホップダンスの様なモチーフが異質で良いアクセントになって格好良かったのですが、この種のビート感の強い動きで揃っていないのはとても目立ってしまっていて残念でした。
群舞におけるグループの空間配置や、グループ間での動きの受け渡し方がとても良かったので、もっと群舞シーンを見せて欲しかったです。
特徴的だったのはダンサー達の視線でした。目を強調したメイクで客席を睨みつける場面が何度もあり、ミステリアスで魅力的でした。
70分の間に、全身赤の衣装、ソックスだけ赤のままで他は青の衣装、民族衣装的なベージュの衣装と着替え、視覚的に楽しかったです。