満足度★
ダンス×音楽
日仏ハーフの女性ダンサーによる、ダンスと音楽の関係を探求する小品3つの上演で、それぞれプリミティヴなアイディアで動きと音を関係させていましたが、関係の持たせ方がストレート過ぎで、ダンスとしても音楽としても単調に感じました。
『SOLO TABLE』
テーブルの上に図形楽譜を置き、それをなぞることによって動きと打撃音・摩擦音が生み出される作品でした。テーブルの下に設置したマイクで音を拾って増幅していましたが、もっと大音量に増幅して微細な物音や爆発的なノイズを聞かせて欲しかったです。
『TRACE/PIANO』
グランドピアノに体の様々な部位で接触して音を出したり、あるいは音が出ないように極めて静かに触れたりする作品。身体のコントロールが精密で良かったです。
『A-MUSE』
腕と胸に取りつけたセンサーとコンピューターを用いて、流れている音楽をリアルタイムにミックスする作品でした。動きが音を出すトリガーとしての意味しかなく、ダンスとして格好悪くて、せっかくのインタラクティヴなシステムが有効に使われていなかったように思いました。
身振りと音の電子的処理については、アメリカの実験音楽グループ、センサーバンドが10年以上前にやっていたパフォーマンスの方が示唆に富んでいたように思います(ダンスとしてのアプローチではありませんが)。
3作目の途中でシステムがクラッシュしてしまったのはリアルタイム処理のプログラムを使っていたので仕方がないところもありますが、復旧するまでの20分の対応がグダグダだったのが残念でした。