実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/01/28 (日) 12:00
全体の千秋楽に3度目の観劇。やはり終末感が溢れるが、純愛のイメージもあるなぁ。101分。
流れは分かっていたので、細部を気にして観ていたのだが、草彅の丁寧さや、大原の純粋さが見えた気がした。ベリーラストだからなのか、ちょっと遊びも交えた舞台で、役者に余裕があったように思う。パンフレットに書いてあったが、「シラノ・ド・ベルジュラック」よりトーマス・マンの「魔の山」をベースにしているんだと思うと、流れは分かりやすい。
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/01/20 (土) 17:00
2度目の観劇。終末感にあふれた舞台。100分。
観劇後、友人と話して『寿歌』との関連を強く指摘された。それは初日に観たときにも思っていたが、北村の反戦、と言うか、終末が来ないことを祈る気持が現われてはいる。
実演鑑賞
満足度★★★★
2035年、コロナの後に力を取り戻した結核が再蔓延。昔日のように高原のサナトリウムには患者が隔離されている。日中戦争も予感されるし、地球温暖化も目前、サナトリウムでは自然農法に患者も医師たちも精を出すがこの施設を出、地上に生還できるものは数少ないと。
そこにギター片手にテンガロンハットで現れた新しい介護士(草薙剛)の見る近未来の災厄の数々と、一目で落ちいった恋の行方はどうなる。
いつものように北村想戯曲らしく、諦観している病院長(檀田安則)は古来の剣術が治療に役立つといい、府院長(鈴木浩介)は輪廻転生を説く。未来予測、宗教や先端科学のかみ砕いた(中には落語の一節もある)解釈などを織り込んで、俳句で筋を転がして、一瞬の恋こそが救済のきっかけになるロマンスものの1時間45分。満席の客席のほとんどは草薙ファンの女性たちだが、そういうファン・サービスの少ない北村戯曲である。
しかし、北村戯曲になじんでいれば、これはまた、道具だてが変わるだけで処女作の傑作「寿歌」の現代版と見て取れる。
大八車を引く浮浪者じみたゲサク、ヤスオ、キョウコの頭上に原子核戦争の放射能雪が舞う終末は、雄大な山麓を望む大きな山のスロープに降る雪になり、シラは戦争に駆り出されていく。シンプルな話でこのような韜晦趣味がなくても十分観客に訴える内容はある現代劇ではある。だが、年末に、関西・中部を回わり東京で打ち上げる二か月にわたる大興行となれば、舞台(の内容)と観客をつなぐものが、草薙の人気頼りというのはいかにも苦しかった。さすが何でもできる現代第一級の主演者も、これはなにもしないほうがいいのではないかと戸惑っているようでもあった。
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/01/07 (日) 17:00
ワケ分かんないけど、何だかホッとする芝居。98分。
シラノ・ド・ベルジュラックの話をベースにしたとの前評判だったけど、あんまりそういう感じじゃなくて、純愛の物語だと思った。草彅の存在感は勿論いいのだけど、鈴木浩介の活躍ぶりと段田の重みが良い。