ハコ舟センチメンタリズム 公演情報 ハコ舟センチメンタリズム」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.7
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  • 満足度★★★★★

    参りました
    表面的にはサラリとした爽やかな感じなのに、家族のダークな部分を描いていて、ズッシリときます。凝縮された60分。のめり込んでしまいました。

  • 満足度★★★★

    透明感あり
    家族は距離感が大切ですね。

    ネタバレBOX

    弟を待つ姉、家を出て○○のハコ舟的な団体で生活していた弟、姉の同級生で親戚の喫茶店を手伝う男、喫茶店でバイトをするようになった女の話。

    喫茶店でひたすら待ち続ける姉。見守る男。途中からバイトで入った女はおどおどした感じです。団体に強制捜査が入り弟は戻ってきますが、べたべたと身体を触る姉の溺愛の仕方は異常です。

    弟と女が喫茶店で出会いますが、二人は同級生でした。それぞれが家庭に悩みがあり、小学生のとき親についての作文が書けなかったという共通点がありました。

    更に、女には虐待を受けた末に父親を殺してしまった過去があり、刑期を終えて親戚をたらいまわしにされていましたが、男の家族の許に引き取られてバイトをするうちに少しずつ社会になじめ始めたようです。しかし、やはり親世代との関わりが苦手なようで、独立を思い立ちます。

    姉の溺愛に嫌気が差し、弟はまた家を出ていました。

    喫茶店は廃業の予定でしたが、男は再び弟を待つことになった姉のためにも、借金して親戚から権利を買い取りました。

    かばんを持った女を見付けた弟は彼女を守ろうと決意し、二人は一緒に出発します。

    それまで溺愛し過ぎの姉も弟の自立を認め、家族なんだからいつでも会いにおいでと、最後はいい距離感を保つことができるようになりました。

    そして、自分のことを距離を置いて考えてくれていた人のことにも早く気付いてね!

    無縁社会とならないためにも家族の絆は大切ですが、一方で親離れ、子離れ、弟離れも必要だとしみじみ思います。

    舞台と客席を仕切るように置かれていた水の入ったビンも透明感を際立たせていました。

    しっとりとした雰囲気の1時間余りでしたが、ほとんどが椅子に座っているシーンばかりで変化が少なく、それ以上に長く感じられました。
  • 満足度★★★★★

    透明な心の疼きを感じる舞台(追記しました)
    苦しくなる作品。
    登場人物の苦しさが直に伝わる作品。

    後ほど追記します。
    とりあえず気に入ったのでもう1回見てきます。

    ※追記※
    2回目として、29日11時~の回、観てきました。
    以下ネタバレ。

    ネタバレBOX

    役者陣の自然な演技が光った。
    決して押し付けがましくなく、観客をすっと引きこむような雰囲気が非常に良かった。

    親や友人を愛せず、その反動か弟に過剰な愛を注ぐ姉。
    その愛情は明らかに姉弟間のものではなく、弟を一人の男として見ている。
    危ない感情。
    弟を待つ内田さんの虚ろな表情が、如何に弟を求めているか、その感情の深さを表していた。

    親や友人を愛せず、過剰な愛を注いでくる姉から逃避し、
    イ○○の方舟のような宗教団体に2年間身を寄せていた弟。
    最後にはまた家出・逃避とはいえ、決して先は見えないがそれでも未来へ歩もうとする。今度は2人で。
    横畑さんの表情や仕草の一つ一つが、彼の世界の軋みを伝えていた。

    そっと姉を見守り、場所を提供し、さりげなく支える珈琲店店長。
    他の方も指摘しているが、彼が一番難しい役どころだったのでは、と思う。
    彼の抱える問題は物語の本筋からは見えず、いつもちょっとひょうきんに振る舞い、でも芯は太く優しく安定感がある。そんな彼とて何らかの問題は抱えているだろうが、それを感じさせない。
    深沢さんの表情、間の取り方、あらゆる所作に安心感を持てた。
    かなり難しい役どころを好演していたと思う。

    虐待を加えていた父を殺してしまった弟の同級生。
    他人、もしくは男性に異常なまでの恐怖を抱いていることが登場シーンで見て取れた。
    水野さんが、彼女の内に巣食う恐怖や自己否定の感情を上手く滲み出させていた。

    ラストで姉はまた弟に去られ、ひとりになってしまうが、
    電話でメッセージを残せたことその行動そのもの、そしてメッセージの内容から彼女も弟離れをして絶望に満ちた世界を何とか生きていこうとしている、という希望を感じられた。

    エンディングで流れるharuka nakamuraの"everyday"も、劇の内容や雰囲気に物凄く合っていて、涙がこぼれてきた。

    今後の舞台にも期待が持てる内容だった。

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