日本語を読む その4~ドラマ・リーディング形式による上演『家、世の果ての……』 公演情報 日本語を読む その4~ドラマ・リーディング形式による上演『家、世の果ての……』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
1-2件 / 2件中
  • 満足度★★★

    シュールな孤独感
    素舞台の上に置かれた椅子以外には小道具も使われず衣装もモノトーンで、演技的な要素は立ち位置を変える程度に抑え、そこに音響と照明が入る形での上演でした。劇中に出てくる固有名詞は実在のものですが、ちょっと現実とずれてる感じがあって、パラレルワールドのようなねじれのある不思議な世界観がありました。

    少女と犬がスーパーにおつかいに行って彷徨う話と、女性が夫を捨てて他の男と出て行く話が交互に進められ、現代社会における人間の孤独感がシュールなテイストで描かれていました。「世の果て」というキーワードや、単語のナンセンスな連結などの言葉のセレクトに、安部公房の小説、とりわけ『壁』のような雰囲気を感じました。ラストは劇中の世界が一気に現実世界に接続される展開で(ほとんどト書きで説明されるだけでしたが)、惹き付けられました。

    終盤までは照明や音楽の効果も控えめに使われていて、主人公の少女が閉じ込められている場所が肉屋の冷蔵庫であると判明するクライマックスのシーンで今までと異なる青白い照明と叙情的な音楽が使われるのが天井の高いシアタートラムの空間に合っていて、とても効果的で印象に残りました。

    なかなか面白かったのですが、この戯曲はリーディング公演では理解しにくいと思いました。身体表現や美術もある形での公演で、ト書きで読まれていた部分がどのように表現されるのかを観てみたいです。

  • 満足度★★★★

    極彩色の過剰な台詞がまさに80年代演劇
    リーディングだけど、1時間50分引きつけられた。
    そして、リーディングの醍醐味、イメージが広がる。
    これ、演劇の舞台として観たいなあ。
    1,000円安い。

    ネタバレBOX

    とにかく、台詞が過剰である。連発。
    そして、その台詞は極彩色であり、舞台の上をキラキラさせる。

    シンプルな舞台と衣装、ライティング、音楽なのに、色を言葉に感じる。
    悪夢のような展開(いや、実際悪夢なのだが)に、引き込まれる。
    次々と現れるクセの強い登場人物&登場犬。
    本当に面白いと思うのだ。

    けたたましい閉塞感とでも言うような状況が続く。
    主人公のはな子が軸になりつつも、猫河原の物語でもあり、その妻の物語でもある、戯曲の面白さ。
    80年代にはまだ「未来」があったのだ(Bプロの『夜の子供』も「未来」が大切なキーワードだった)。
    今は「未来」があるのだろうか。
    3.11以降、とつい考えてしまうが、その前まで不透明だったかもしれないのだが、今、一番熱望しているモノではないかと思ってしまう。

    冷蔵庫の中という、閉塞感たっぷり状況から、はな子の叫ぶ声、突き出した手、飛び出した身体は、未来に抜けていく入口なのだろう。

    ラストの力強さに、それを感じた。

    とにかく面白い戯曲であり、今回演出した北川大輔の手によって、「現代」の演劇として観てみたいと思った。

    Aプロも観たかったな。

このページのQRコードです。

拡大