満足度★★★
感傷的
振り付けはシンプルで好み。しゃべりすぎかなあ、という印象があった。内容は感傷的。世界の先行きに不安を感じているということがよくわかった(いい意味でも悪い意味でもなく)。
椅子に座ったシルエット+シルエット映像のシーンがすき。
鈴木拓郎さんの身体が心地いい。
満足度★★★★
身体の存在感
不確定な現代を生きる人間がおかれている状況が身体表現を中心にして描かれていました。暴力的なまでに動き回るダンサー、大音量の音楽、刺激的な映像、多量の小道具が組み合わさって強烈なインパクトを与える作品になっていました。
冒頭に耳をつんざくような強烈なノイズが響き、一気に世界観に引き込む始まり方が良かったです。
物が落ちて壊れたり、姿を単純化された人が落ちたり、多数投げ飛ばされたりといった、破壊や死のイメージが舞台奥上手に設置されたスクリーンに写し出される中、ダンサーたちが激しく踊り、走り、叫び、人間の身体の存在感を見せつけられました。
スクリーンの後ろで椅子に座ったダンサーのシルエットが逆光で写し出され、それに前面からCGで描かれたシルエットが重ねられ、最初は人間と映像が同一の動きだったのが次第にずれて行き映像のシルエットが崩壊していくシーンが美しさとユーモアと怖さを同時に表現していて素晴らしかったです。
後半では舞台一面に白い布広げられ、中に空気を送り込んで凹凸を作りつつ、上から幾荷学的なパターンの映像が投影されて、浮遊感のあるシーンになっていて格好良かったです。
最後はスモークが大量に焚かれてほとんど舞台の手前側しか見えない状態になり、その中をうごめくダンサーたちの姿が幻想的で美しかったです。
魅力的なシーンが多かったのですが、逆に意図がわからなかったり、冗長すぎるように感じられた部分も結構あり、全体としてはざっくりとした印象を持ちました。色々な要素を盛り込みすぎて、少々散漫になっていたと思います。台詞を言うシーン(特にインタビューのシーン)や服を沢山使った巨大なオブジェはなくても良いような気がしました。
しかし、全体としては、スタイリッシュかつ暴力的な雰囲気が現在の日本の状況にマッチしていて、印象に残る作品でした。
ダンス作品には珍しく衣装替えが何度もあるのも、中心メンバーにファッションデザイナーがいるこのカンパニーならではの演出で、素敵でした。
満足度★★★★★
3回見た
1回目。かなりの刺激を受けた。カスヤマリコはすごいと思った。矢内原美邦は天才だと思った。
2回目。つまらなく感じた。2回目だからか。客入れの時点で既に、照明が少しだけ変わっていた。冒頭のカスヤマリコの踊る速度をゆっくりにしたような気がしたのは、きっと私の気のせい。
3回目。楽日。ふんふん。毎回、照明も振り付けも音も少しづつ変えてるのね。色々試してみたいのかな。稽古中にも色々試してるんだろうな。1つに決めたくないのかな。変えてるって言っても少しだから無理して何回も見る必要はないけどね。楽日は矢内原さん舞台上で突発的に段取り変えてた。予定調和になってきてるのを壊したかったのかな。楽日が一番熱い舞台だった。
満足度★★★★★
唯一確かなものは、「肉体」であるという宣言として、受け取らざるを得なかった
映像と肉体のぶつかり合い。
わずか70分が濃厚。
暴力的とも言えるような、そのパフォーマンスは、3.11を彷彿とさせてしまう。
たとえ、それが本来の意図と異なっていたとしても。
満足度★★★
アトム化する人間たち
不協和音と縦横無尽に舞台の端から端まで金切り声をあげながら
駆け回る踊り手たちを見ながら、つくづく表題にあるようなことを
思ってしまいました。
最後辺りの展開は夢幻的でとっても美しく、激しくて、すごく
印象に残りましたが、全体の中でハッとさせられる部分が
他に乏しかったように思えたのが残念。