他人 公演情報 他人」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
1-2件 / 2件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    事故で入院した子供の為に上京した母と
    その恋人と元カノの3人が繰り広げる会話劇
    舞台セットは住居のリビング
    家具などの小道具も充実していて見応えあり
    上京してきたお母さんの人の良さと
    秘密を抱えての応対をする部屋主さんなどの関係が
    丁寧にインパクトをもって描かれた作品でした

    ネタバレBOX

    部屋主さんは女性でホモ=同性愛者でした
    その彼女の母君はヘテロ=異性愛者で
    世間でいうところの一般常識人
    元カノは両刀さんで男性との結婚を控えている状況

    普通に理解あるお母様が
    自分の娘との同棲=同性付き合いを認めて
    大団円~とはならず
    部屋主さんがぶっちゃける
    一般的な恋愛であり大上段に構えての付き合いではなく
    自分の家族にもカミングアウトはしないといった展開は
    さすが優秀作=目から鱗が落ちました=

    ラストは3人がいる居間に
    退院した彼女さんが戻ってきて
    さぁどうなるんだーで
    観客の想像にまかせたオープンエンドで幕です

    クズだクズだと元カノに言われる部屋主さんですが
    さほどクズ感は無かった
    自分の感じる幸せを守り維持しようとする
    小市民な感覚は好ましかった

    とことん状況を楽しむ
    トラブルメーカーな元カノや
    ほんに良い人な彼女のお母さんなど
    演じ方も上手でした(^-^)
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    面白い、お薦め。
    現代的なテーマのリアルを コメディータッチで描いた珠玉作。
    本作は2022年「日本の劇」戯曲賞最優秀賞(竹田モモコ女史)を受賞している。その上演台本(冊子)を無償で配付しており、上演前に1~2頁読んでみた。会話の中に方言があり、急いで当日パンフを見ると彼女の出身地 高知県土佐清水市の「幡多弁」を使用…とある。この方言が、作品の中で独特の味わいと保守的になりそうなテーマへの緩衝的な役割を果たしているようだ。

    登場人物は3人の女性。彼女たちと関わりのある 言わば中心人物は登場しないため、「他人」同士が気まずい雰囲気の中で探り合うような会話をしていく。物語は中心人物が不在の一週間、この限られた時間の中で本音と建前 そして<秘密>を紡ぐが、面白さの中に切なさが滲み出るような味わいがある。

    3人の女性は年齢や職業、 住んでいる所も地方と都会で地域での付き合い方も違う。勿論 立場や性格も違うが、女性という共通項で親近感、世代や考え方で違和感を浮き彫りにする。一週間という短い そして奇妙な共同生活の中で それぞれを認め合い将来を話し合うが…。

    観客は劇中の設定を知っているが、登場人物はその事実をどのようにして知るのか、そしてどんな態度をとるのかといった関心を惹きつける。慌てふためき、戸惑い 困惑といった可笑しみと人に話せない苦悩、そのコミカルとリアルな姿にテーマの難しさを落とし込む。この3人の女性を原日出子さん、畑中咲菜さん、平松美紅さんが見事なコメディエンヌぶりを発揮して溌溂と演じている。観応え十分、ぜひ劇場で…。
    (上演時間1時間35分 途中休憩なし) 追記予定

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