Ally J. Levine氏によると、1892年、ロシア・サンクトペテルブルク初演の『くるみ割り人形』は大不評に終わった。しかし1954年、ジョージ・バランシン率いるニューヨーク・シティ・バレエ団により、この作品は大ヒット作と生まれ変わることに。彼はバレエ教室の子供達に出演機会を与えたかった。8歳から12歳の子供達に、能力に応じて役を割り振る。ステージ上で経験を積み、テクニックを上げることで更なる役がもたらされる。子供のバレエ教育としての作品へと。そしてその子供達が親になった時、自分の子供にやらせたいのはこの作品。経験の通過儀礼としてのバレエ。世代を越えて共通言語として残るバレエ。