満足度★★★
期待しすぎたか・・・
個々の俳優さんの演技はとてもいいのだが、なぜか一体感が感じられず、芝居全体の色というか空気が、どうもチクハグな感じであった。全員での練習は何回ぐらいしたのだろうか。演出家が全体をまとめるまで到達していない雰囲気だった。個々の俳優・素材が良いだけに、ちょっと残念だった。
満足度★★★★★
流石に俳優座・・・花の十五期!
この深川安楽亭は、私がW大大学院の頃、郷土・大学の先輩で【四期の会】小林正樹さんが監督で映画化した事を想い出す。仲代達矢・栗原小巻・山本圭・吾がマドンナ酒井和歌子・中村翫右衛門・佐藤慶・岸田森・近藤洋介・植田峻・神山繁・中谷一郎・滝田裕介・勝新太郎と蒼々たるキャスティングだった。祖父が放送局関係者だったので、祖父自身元祖コマキストと褒めまくっていた栗原小巻さんは、俳優座養成所第15期生・・・この旗揚げ劇団主宰・溝口舜亮さんと八町掘り同心・岡島役の片岡五郎さんも15期生・・・芝居が安定しているわけだ!
その他15期には原田芳雄・太地喜和子・赤座美代子・前田吟・林隆三・夏八木勲・村井国夫・竜崎勝・地井武男・小野武彦・浜畑賢吉・秋野太作・高橋長英と個性的で優秀な多くの方々がいて、俳優座でも特別に花の15期と言われている。私は素人だけど、地井武男さんのちい散歩に出演した事、小野武彦さんとは偶然にイタリア~スイスの列車の旅で出逢った事も・・・・!
1970年代当時、主宰・溝口舜亮さんはテレビ・東京12チャンネルで放映された「江戸川乱歩・明智小五郎シリーズ」で主役の明智探偵を演じていたなぁ・・・。演出演技陣も熟して文句ない!本も仕込みも良いし芝居の花・着物女王・三咲順子さんの艶やかで切れ良い演技も素敵だ。舞台空間の使い方など、芝居はこう創るものと若手劇団の手本であり、懐深い豊かさを是非若手劇団の皆さんにも観て勉強してもらいたい作品である。
演技陣も衣装さんも更に特筆すべきは劇中音響チェロの韮澤有さんで、最高評価文句なし! ★★★★★ 以下ネタバレにて
満足度★★★★★
時代劇の王道
といっても過言ではない素晴らしさ。衣装、演技力、演出とすべてに於いて、きっちりと。旗揚げ興行だったのであまり期待していなかったので掘り出し物を見つけた気分だった。
表の顔は飲み屋、その裏の顔を持つ「深川安楽亭」の描写がお見事だった。
たぶん、こなれてラクにはいい舞台になるはず。
以下はネタばれBOXにて。。
満足度★★★★
大人の人情劇
奇麗事だけでは済まされない人生、罪を犯すにも、致し方ない訳もあり、罪に痛まなくなっても、痛む心に動かされる、人情劇でした。派手さはないが、老若男女に通じる作品でした。
導入曲と挿入されるチェロが、時代劇には、とても新鮮でいて、深みをもたせていたのが、とても良く効果的と思いました。閉演後に制作の方に聞いたところ、この作品の為に、韮澤有さんが創ったとのこと。とても素敵でした。自然音や、居酒屋らしい料理している音等、控えめなながら効果音が生きていたと、思いました。
満足度★★★
山本周五郎の人情物
なんですが・・・・・。全体にこなれが悪く、泣けなかったです。せりふ回しなどもいまいち。周五郎作品はどんな子悪人やあばずれを扱っていても、どこか馥郁とした香りがありますが、そんな味を出してほしいなぁ。