『カミの森』『<花鳥風月>短編戯曲セレクション1・2』 公演情報 『カミの森』『<花鳥風月>短編戯曲セレクション1・2』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    抽象的な世界を芝居にする面白さにかけては、この作家はなかなかうまい。アングラ時代からこの一派は腕を挙げてきて、北村想などから出発して次世代の岩松了、前川知大、新しいところでは、加藤拓也や岡田利規にまで一つの大きな流れを作っている。素材の劇的要素を考えて構成しているので破綻しにくい。
    このドラマの主人公は森の中に出家してグループの指導者になっている兄(今井朋彦、ぴったし)と、そこでゾンビ映画の撮影にやってきた弟(配役表がないので不詳・これが兄と対照的でうまい)が、現代の「神」(生きていく指針)を探すという枠取りで、話の展開では映画の中の主人公の父母(この二人もうまいが不詳)のゾンビが出てきたり、殺人事件が起きたり、する。
    美術が洒落ているのはいつものことだが、天井から細い電線が伸びている森の木の切り株を散らした裸舞台を森を思わせるカーテンが囲っている。
    二時間ちょっとだが、冒頭の抽象論が少しダレる。もっと入っても良いと思うが、硬派に舞台が進んでいくところが若い人を遠ざけているのかも知れない。大人の客が多い。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    一度に3つの舞台が交互上演されているが、今回は2時間を超す長編『カミの森』を観た。あとの2つは短編集。

    滅茶苦茶簡単に言うと「兄(今井朋彦)は新興宗教の教祖、弟(加藤虎ノ介)はゾンビ映画の監督。そういう兄弟の20年前に失われた関係の再生の物語」ということになるのだろう。「崩壊した別の家族の修復」も外せないか。

    それを様々な演出技法で展開し拡大して行くのだがこちらの頭が回らない。笑いを取りに来る場面があっても一般観客はとまどうばかりでプロらしき一角で反応があるのみ。

    今井さんと加藤さんの持ち味は楽しめた。

    ネタバレBOX

    あらすじ
    舞台中央の一段高い台の上で新興宗教の教祖(今井朋彦)が拠点である森の素晴らしさを語っている。

    会社を首になった中年男が家族には会社に行くと言って動物園に来ている。それにまとわりつく教団の勧誘の女性。中年男は見学に行くことになる。

    森ではゾンビ映画のロケが行われている。実は監督(加藤虎ノ介)は教祖の弟で20年来音信不通であった兄をニュースで見て会いに来たのだった。

    ぎこちない再会を果たした兄弟だが、なんとか信徒がエキストラとして出演する折り合いをつける。撮影が順調に進んでいたある日、若い役者が信徒の一人とトラブルになり殺してしまう。この若者、実は入信してその場にいた件の男の子供であった。男が身代わりになることで隠蔽の合意ができる。

    事件後、教団は森を追われ、撮影は中止となる。やがて刑期を終えて出所する男の前には迎える家族の姿があった。教団は森から街へ活動拠点を変え、インチキ臭さを倍増してたくましく生き延びる。母の死に際して兄弟の関係が修復される。

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