母【5月11日~14日公演中止】 公演情報 母【5月11日~14日公演中止】」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    千秋楽までの数公演が中止に。ほぼ初日あたりに観ていてラッキー、とは自己中心な発言だが芝居好きの本音。(昨年「中止」を悔やんだのはマキノノゾミ「モンローによろしく」・・これは一日こっきりで中止に・・、流山児「夢・桃中軒牛右衛門の」を未練がましく覚えている。)

    「母」とは小林多喜二の母であった。演じた劇団座長で、最も歴史ある新劇団の創立者二世でもある佐々木愛をフィーチャーした企画で、企画性が見えすぎる演目であったりもするが、肉親の目が見た多喜二の人物と人生を描きつつも、劇の焦点はこの母と、多喜二が温情を掛けて苦界から引き出したある女性との交流(いくつかの接点でしかないが)である。その点で多喜二はある意味若気の情熱の副産物とも言えるこの女性を、母に残したとも言え、母はこの女性を通して息子を「想う」にとどまらず、多喜二が見据えた社会を、その「具体」に他ならない女性を通して触れ、知ったとも言える。母の世界観が間接的に多喜二を語り、社会とそこに生きる人を語る舞台である、とも言える。

    コンマ0.2秒の間は芝居のリアリティに影響する。ひやっとさせる母の長台詞の綱渡りをクリアさせるのが、長い俳優業で培っただろう「乗り切る」技術、「合わせに行く」直感と瞬発力。正直その様子が見えるようであったのだが(僅かな間ではあるのだが)、むしろ子を思う母イメージが、ありきたりに堕ちそうな所を踏み留まったのが大きい。多喜二とは今で言う所のどういう存在か(他の人物たちも)、その想像の余地を残す素朴さが、本舞台及びテキストの密かな魅力であった。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2023/05/10 (水) 14:00

    座席1階

    文化座を率いてきた佐々木愛の主演作品。パンフレットによると、「主演作品としては最後にする」という。女優生活60年という記念の舞台。まもなく80歳を迎える佐々木愛にとっては記念碑的な作品なのだと思う。
    小林多喜二の母親を描いた物語。三浦綾子の原作をアレンジしてある。母親小林セキが中心ではあるものの、多喜二とその兄弟、そして、多喜二が身請けをしたタキも重要な役割を果たしている。小林セキを取り巻く群像劇になっている。
    昨年の舞台「しゃぼん玉」でスーパーカブに乗って舞台を駆け回った佐々木愛には驚かされたが、今回は回り舞台を活用してそれほど派手な動きはない。しかし、主演だけにせりふの量は最も多く、しかもせりふの裏側にある主人公の思いを表現しながらの演技は、さすがというしかない。先日に亡くなった民藝の奈良岡朋子も生涯女優を貫いたが、佐々木愛もきっとこの先ずっと舞台に立ち続けてくれるだろう。そんな思いを込めたカーテンコールの拍手だった。

    会場の俳優座の客席はほぼ満員である。年齢層が高いのは仕方がないが、夫婦で見に来ていた高齢男性の大いびきには閉口した。隣の奥さんは止めるべきだ。せっかくの舞台なのに、とても残念な客席だった。

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