満足度★★★★
役者さんに役柄を振り分けた妙技。
レジナルド・ローズの不朽の名作として、幾度となく上演されている本作。映画もアメリカとロシアでリメイクされ、特に裁判員制度導入に合わせて、近年は蜷川さんはじめ続けて再演されています。大きなテーブルと椅子、そして換気扇以外のよけいな装飾を許さない舞台の上で繰り広げられる、12人の丁々発止。何度観ても、原作の素晴らしさに感嘆の感嘆惜しみない称賛を禁じ得ません。
今回、新鮮だったのは、役柄に役者を合わせたのではなく、一つの役柄の持つ複数のキャラクターを自然な範囲で役者に合わせた点ではないでしょうか。12人の中に女性を2名入れただけで、役割が原作とは微妙に変わっているところが、興味深かったです。