しらなみ浮世 公演情報 しらなみ浮世」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-2件 / 2件中
  • 満足度★★★★

    殺陣が良い
    見せたい部分がはっきりしていて、クライマックスの盛り上がりが良かった。
    それぞれの男気を見せる瞬間に拍子木の音が入る演出がニクイ。
    やっぱり蜂寅企画は殺陣と男前な台詞が持ち味。

    ネタバレBOX

    親分がすべての人間に大きく関係しているので、台詞や演出等を使って
    もっと親分の存在にインパクトを与えても良いのではないかと思った。
    人間関係の描き方について、全体的にもう少し丁寧に描いて欲しいと感じた。
    恋に落ちる瞬間とか、怒りや悲しみや裏切りや許し。
    腑に落ちないところがいくつかあった。
    今まで怪我人を出さなかった盗賊たちが岡引を殺した(ように見えた)事には、
    それなりの意味を持つと思うが、ラストで旋風一派が全員生き延びて、
    笑い合い、風まかせに仕事を続けていくであろうラストが、一番気になった。
    一派は今回の事件が大きすぎてそれぞれ深い傷を負ったので、
    いつもどおりに振舞うことでごまかしている、という解釈もできなくもないが、
    特にそういったことをにおわせる感じもなく、普通に見ていると、
    「いろいろあったけど全員生き延びてめでたしめでたし」のように取れる。
    旋風一派が単純にヒーローのようで、違和感を感じた。

    公演が終わって、他のお客さんが
    「すごい面白かった~!誘ってくれてありがとね!」と友人らしき人と
    話していたので、「しらなみ浮世」は成功だったのだと思う。おつかれさまでした!
  • 満足度★★★★

    洒落た台詞と劇構成
    蜂寅さんは、旗揚げからずっと観ていて、今回3回目。

    個人的好みで言えば、今回の作品が一番好きでした。

    白波ものとして、取り立てて独自性を感じる筋立てではない、言わば、テレビの時代劇でよくあるパターンのストーリーではありましたが、不思議と、厭きることなく、観られました。
    意外と、ワクワクするし、次はどういう展開?と、興味を繋ぐ劇構成が巧みです。

    そして、これは、旗揚げでも感じましたが、狭い舞台空間をそれなりに、その場所と錯覚させてしまう、舞台マジック的な簡易的セットが生かされていました。
    場面転換一つないのに、こういう風に見せられる才覚は凄いと思いました。

    どうも、雰囲気がゲキバカに似ていると思ったら、ゲキバカの吉田さんが、制作だったのですね。

    ネタバレBOX

    前回公演で花魁役だった、川端さん、今回の白波家業の方が、任に合って、光っていました。

    つむじ風の陣太は、初登場の時は、とても颯爽とした盗人の所作には程遠い印象でしたが、観ている内に、それなりに見えて来て、不思議でした。

    初役の堀畑さんが、とても魅力的な女優さんで、一目でファンになりました。

    岡っ引きの娘で、正義感が強いがために、婚家の裏帳簿の不正を黙って見過ごせず、離縁されてしまう初。私も、その正義感故に、二人の息子をずいぶん生き辛くさせた経験があるので、この件は、胸にジンと来ました。

    悪党だらけの芝居かと危惧しましたが、こういう正義感のある人物や、仕事に責任を持って挑む同心や岡っ引きが登場して、ほっとしました。

    各人が、なかなか素敵な台詞を吐いたりして、単なる時代劇を超えているのが、なかなか魅力的なお芝居でした。

    ただ、最後の悪党達の理屈は、どうも、生理的に納得できない感じもしました。
    昔の歌舞伎狂言とあkだと、悪事にも、それぞれ、やむに止まれぬ理由があって、それは、私利私欲のためではなく、お家の再興のためだったり、主君のためだったりして、最後は、悪党も改心したり、後悔したりするものが大半ですが、この芝居の悪党達は、最後に、居直るかのように、悪事も仕事の一つ的な哲学を論じて、去って行くんですね。

    言ってみれば、ここが、ユニークな、作者の独自性の表れなのかもしれないですね。

    最後の風車の回り方がややちんけな感じがして、すっきりとした大詰めにならなっかったのが、ちょっと残念でした。

    風車は、むしろ、最後の最後で、ドドっと、出した方が効果的だったかもしれません。

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