送りの夏 公演情報 送りの夏」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-5件 / 5件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    大納得の舞台。劇場の活用もうまい。
    劇団は主宰を失ってより演出担当は持ち回り、というか企画により都度決まっている印象であるが、このかんの舞台を通して演出家三木元太氏の存在感は定着している(自分の中では)。美術担当を兼ね、納得させられる事が多い。
    本作は自分はあまり知らないが作家のデビュー近い頃の作品が原作。児童演劇を主な活動の場とする若手劇作家に脚本依頼し、舞台化した。
    海辺に近い、奇妙な集団生活を営む家へ、母を追ってやってきた娘のある夏の物語。完全に空隙を突かれた内容で、人物らの感情とそれを受け止める娘のリアクションが砂糖水のように喉を通って入って来る。久々に涙腺が大幅に緩んだ。
    娘の感性が物事や他者の感情を受け止めて行く過程を観客はなぞって行く。その一つ一つに人間の可能性を実感させる。「出来すぎた話」がそうでもなく入って来るのが不思議である。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    主演女優が小学生役を活き活きと好演している。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2023/03/21 (火) 14:00

    座席1階

    三崎亜記の小説の舞台化。東京演劇アンサンブルがなぜこの作品の舞台化を思い立ったのか、それにも興味がある。この作品はブレヒト劇を追求してきた劇団のイメージとは程遠いが、物語も演出も役者も「見てよかった」と思える秀作に仕上がっている。

    小学六年生役の永野愛理がすばらしい。見ているうちに本当に小学生じゃないかと思えてくるほどの振る舞いだった。もちろん、せりふは小学生っぽくはないのだが、役に徹するとはこのことかと思えるほどのなりきりぶりだ。この舞台の成功の大きな要因であり、見事だと思う。

    物語はこの小学六年生・麻美が、海に近い田舎町にある「若草荘」という共同住宅を訪れるところから始まる。麻美の母は家出同然で若草荘に来て、マネキンと暮らしている。他の住人たちも幼児だったり、若い女性だったりのマネキンと暮らしているのだ。麻美は父親の携帯を盗み見てこの場所を突き止めるが、母が浮気をしているのではないかと疑って家を飛び出してくる。だが、若草荘に来て母や住人たちの生活を見て、夏休みでもありしばらくここに滞在することを決める。

    ご近所は「マネキンハウス」と呼んで気味悪がっているのだが、なぜ、住人たちがマネキンと暮らしているのかは物語が進むうちに明らかになってくる。ただ、麻美の母が一緒に暮らす若い男性のマネキンについては、結局正体は分からずじまい。客席としては消化不良感が残るところだ。
    しかし、「メメント・モリ」の空気感が流れる中で麻美の視点で語られる物語はすんなりと胸に入ってくる。原作の力であると思うのだが、これをシンプルな舞台設定で描き出した演出も見事だと思う。

    本日が千秋楽。とてもいい舞台だった。東京演劇アンサンブルのまた、違った魅力を発見できてよかった。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    永野愛理(えり)さんのファンならば今作は必見。気の強そうなバンギャのイメージがあったが、今回は12歳の小学生役。ほぼすっぴんで少女の目に映し出された奇妙な人間世界を切り取ってみせる。家から遠く離れた海沿いの田舎町、失踪した母親を追ったひと夏の冒険譚。この人の独特な声が耳に残る。アニメの声優なんか向いてるのでは。途中浴衣のシーンがあるのだが、驚く程鮮やかな色彩。

    お父さん役の和田響き氏は岸博幸っぽい。
    やたらインパクトを残す医師役は公家義徳(こうけよしのり)氏。坂本龍一と細野晴臣を足したような印象。
    悪ガキ中学生役の雨宮大夢(あめみやひろむ)氏はかなり痩せて美形になっていた。

    死者への執着を心ゆくまで過ごす人々。そこに正解はない。他人が口を出すことでもない。あるのは優しさと悲しさ。

    SHERBETS『サリー』
    悲しみはきっと優しさと同じ成分なんだね
    思い出はきっと悲しみと同じ成分なんだな

    ガレッジセールのゴリが監督した映画、『洗骨』を思い出した。
    是非観に行って頂きたい。

    ネタバレBOX

    物凄い傑作になる筈が妙な停滞が凄く勿体無い。死者との別れを受け入れるまでのモラトリアム(猶予期間)。何処か田舎の海辺の町にある『若草荘』は死者をマネキンになぞらえて人々が暮らす心理療法の施設。死者との関係に踏ん切りがつくまでマネキンを擬人化して生活は続く。

    マネキンをもっと工夫しても良かった気もするが、そこは難しいところ。『人でなしの恋』のようにすると、人形愛が描かれてしまう。気持ちが仮託出来れば何でもいいのだろう。

    少女が見る夢が秀逸。父母が人形(死体)となって車椅子に座っている。何度必死に呼び掛けても反応を示さない。“死”というものの不条理を実感する名シーン。

    物語は亡くした子供のマネキン人形を車椅子に乗せて買い物に出る夫婦のエピソードが核。その気持ち悪さに町の中学生達が悪戯をする。坂を転げ落ち放り出され傷付く人形。本当の我が子がそうなったかのように絶叫し慟哭する夫婦。少女はその苦しみと悲しみを受け止めて許せない。中学生の一人を捕まえて夫婦に謝罪させる。人形を可愛がる気味の悪い連中ではなく、痛みと悲しみと優しさという同じ心を持った人だと理解する中学生。他人の痛みが自分の痛みになる過程。

    ここでもう一つ踏み込んで貰いたかった。絶対に誰にも心を開かない老人のようなキャラクターを出して、最後まで理解出来ない。その無常感への無力さこそが人の世の手触りだと少女は感じ取る、ような。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2023/03/17 (金) 19:00

    125分。休憩なし。

このページのQRコードです。

拡大