冬に舞う蚊 公演情報 冬に舞う蚊」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
21-40件 / 49件中
  • 20110107
    (^・ェ・^) イライラしました!(いい意味で)

  • 満足度★★★★★

    観劇初め
    素晴らしい。素晴らしい。是非観ましょう。今年のハードルが一気に上がってしまったなあ・・・

  • いい人たちの哀しいお話
    特別なだれかではなく、
    たとえば、いま同じ電車の車両に乗っているだれかが渦中と思えるような・・・
    そんな身近な物語。

    全体を通してのスタイリッシュさと、登場人物の矮小さのギャップが面白い。

    時空を超えるような演出は、あいかわらずうまく好ましい。

    役者さんの演技も達者でに集中して観られました。

    登場人物はみんな、ふつうのいい人たち。
    誰もがもつ毒度合いがけっこう均等だったので、
    も少し、毒の強弱や、毒の見せ方に個性があるといいなぁ・・・とも。

    しっかりとまとまった良い舞台でした。

  • 満足度★★★

    みた
    語り口が、「テンポがいい」と「端折りすぎ」の中間に感じた。
    ここらへん、個人差はあると思うのだけど、ちょっと待ってと思うところが何箇所かあった。

    ネタバレBOX

    正義とは何か、善とは、悪とは、という問いかけは分かる気がしたものの、大卒で、勤続年数も長く、子供もおらず、まだ若く、、という主人公ならば、会社にすがりついて身を滅ぼしていくという他に、転職を考えるとか選択肢はあっていいはずだし、、という考えがずっと引っかかり、共感できなかった。

    主人公が追い詰められていった事情が畳みかけられていくけれども、会社と家以外の生活(友人関係など)は語られず、誘導されている感じが強くしてしまった。
  • 満足度★★★★

    中村暢明さんの作品は好み
    昨年、番外公演の『窮する鼠』の「リグラー」という不動産販売会社のサラリマーンを描いた作品と一対を成すような作品で、とても興味深かった。
    こういう社会派ドラマのような作品を上演してくれる劇団があるのは嬉しいことです。
    本公演は初めて観ましたが、中村暢明さんの作品は好みです。
    ただ、今回は描き方に物足りない点もあり、少し残念に思いました。
    JACROWはこれからも観ていきたい劇団です。

    ネタバレBOX

    「リグラー」のときのサラリーマン同様、この主人公・富島哲平(立浪伸一)も設計という技術畑から厳しい営業部へ転属になり、慣れない職場で上司らの苛めを受ける。そのうえ、会社の不正を知り見て見ぬふりができず、苦悩したあげく心身ともに憔悴しきって自殺してしまう。
    演技力のある俳優をそろえ、見ごたえはあったが心の綾があまり丁寧に描かれていないのが気になった。
    区役所の職員(祥野獣一)を弁護士(今里真)が問い詰めて職員が事実を認めず、また戻ってきて志賀についてヒントを与えて去るくだりや、志賀が証言を承諾するのが段取りっぽく見えてしまった。
    この職員、不正に協力した理由をあくまで母親の介護費用のせいにしている一方、チャッカリふぐをご馳走になるタカリ体質も見てとれ、あまり同情できない人物で、ヒントを与えようと変心するきっかけが何かはっきりしない。
    弁護士や自殺者の妻の熱意に打たれたというのが演技で見せないので、なぜ戻ってきたのかなと思ってしまう。
    弁護士の参考聴取はまるで検事や刑事の取り調べみたいに強硬なわりに、「大金の100万円振り込み」の事実はあえて切り札に使おうとしないし。
    志賀に法廷での証言を約束させて一件落着、という終わり方だが、こういう場合、法廷で証言を翻す可能性も大で、そんなに安心できる状況ではない。
    特に部署の社員1人の証言だけでは、総務が勤務関係の書類を処分した場合、過労自殺は労災と認定されないケースが普通で、たとえばこの劇で言うと、せめて派遣社員の三輪(菊地未来)の証言協力をとるストーリーにしてもよかったのでは。この三輪の思わせぶりな描き方も疑問が残った。哲平のストーカー疑惑の濡れ衣も知っていてわざと冷淡に黙視しているそぶりで、どうしてそうなのかよくわからない。
    ストーカーの真犯人は誰かということもはっきりしない描き方。この劇では、竹下(橋本恵一郎)、西田(大塚秀記)、共に怪しいが、挙動不審や電話の場面の演出では当然、竹下が犯人のように見える。違う部署でも部屋に出入りはしてるわけで、竹下が言うように超小型カメラならわからないように盗撮は可能だろう。終演後、「あれは竹下」と言う声が出演者の間から聞こえたのだが。アングル的なことや自宅の方向を知っているので西田の可能性もあり、女子トイレに入ろうとしてるところも撮られたと言っているので、私は三輪も関わっているのかと思った。あいまいにする必然性はないので、犯人がはっきりわかるような演出にしてほしかった。
    志賀の協力を取り付ける過程もせっかく演技派の岡本篤を起用していながら演技を省略してしまってもったいなかったと思う。
    三輪と志賀の会話の場面もあるが、もう少し2人を丁寧に描いてもよかったのでは。
    実家の問題で気が動転している妻と哲平が最後に交わした噛み合わない会話、これも自殺者の遺族としてはもっとも苦悩することなので、妻の心情をもう少し蒻崎今日子の台詞で語らせてほしかった。
    雪が降っている季節に、妻がコートを着るとはいえ、ニの腕が出るような服にショールを羽織って会社に来るのも、不自然でとても気になった。
    西田の大塚秀記と課長の吉田テツ太、封筒や書類を扱う手つきが会社員らしい丁寧さで、細かいことだが感心した。
    「リグラー」では自殺社員夫妻を演じた菊地未来、谷仲恵輔が本作では正反対の役どころを演じているのも興味深く楽しませてもらった。菊地は今度の役のほうが合っていると思った。
    立浪、菊地、蒻崎はコメディーでも観ている俳優さんだけに、こういう重い作品では別人に見え、さすが役者さんだなと感心(蒻崎さんはJACROWが本拠地ですが)。
  • 満足度★★★★★

    重い!
    新年早々見応えのある作品でした。

    前作で、異議なし、ナンセンスと叫んで過激派の意志統一を図っていた人たちが、この会社の方針にどっぷり浸かっていることが何とも不思議で、皮肉で…、しかし、学生運動を経験したサラリーマンにとってここまで両極端な例でなければ意外と有ったりしたりして。

    ネタバレBOX

    コンプライアンスを重視しなければ会社は潰れます。恐らくもうこの会社はダメでしょう。

    しかし、頼まれたことをしないのが勇気ある行動と言えるのか、途中から事情が変わったとはいえ腹をくくった割には卑屈になり過ぎてはいないかなど、思うところはありました。

    また、指摘がありましたが、入札書類を届ける仕事を新人に任せるというのは詰めが甘いですな。

    奥さんも、両親のことが心配で、夫の立場に立って考えられなくなっていて、ああ色々なことが重なった悲劇でした。

    バッファ、あそびが本当に必要ですね。
  • 満足度★★★★

    (*p゚ェ゚q)ゥン
    俳優陣の演技、創りこみがパなかった!
    灯かり、場転、音効もろもろも◎
    拡げた伏線が多少未回収だったり、エピソードによってはツッコミの深さに多少の物足りなさを感じる部分がないことはないが、外伝なしの本編のみとして十分に楽しめた

  • 満足度★★★★★

    まじめなお芝居
    JACROW初めてでした。
    前から気になってたのですけど、もっと早く見なかったことを後悔・・・。

    舞台上の緊張感がハンパなかったです。
    演技も内容もコッテリ。
    最近の小劇場は若者向けが顕著で子供っぽい内容が多いけど、これは骨太の大人が見れるお芝居で凄く好きでした。

    ネタバレBOX

    最後奥さんが旦那に対して取った冷たい態度が、彼を自殺へ向けてそっと肩を押してしまったのでしょうね。
    色々と調べているうちに奥さんはそれを自覚してしまって、「ゴメンね」と最後言ったのでしょう。

    中堅の社会人にこそ見てほしいお芝居です。
  • 満足度★★★★★

     
    観劇

  • 満足度★★★★★

    正月から重く迫力あり
    見ていて気分悪くなるひとたちを描かせるとうまいなぁ。ほんと気分悪くなってくる上司二人。後半、簡単に同僚が崩れているのが、あっさりしすぎ感もあるが。

  • 満足度★★★★★

    追いつめられて
    流石にキャストらの演技力が光る。JACROWはキャストの起用力が定評になっていると思うが、毎回の公演ごとに満足し満たされているのは事実だ。今回は建設会社の談合をめぐって一人の人間が破壊されていく過程を描く。

    ネタバレBOX

    主役は富島哲平。彼を演じた立浪仲一の演技力があったからこその演劇の醍醐味を感じる。哲平は正義感溢れる真っ直ぐな若者だった。千葉大を卒業し建設会社の営業に回される。どうやら彼は挫折を味わったことがなく、とんとん拍子に社会に飛び出した一人のようだった。人生の難問の結婚にも成功し妻との関係も良好のはずだった。

    配属された営業部は公共事業の入札で仕事を取るような部門だったが、こういった建設業には当たり前のように蔓延る談合や汚職を目のあたりにした哲平は愕然とする。持って生まれた正義感を振りかざし、また、国立出身というサラブレッド感が同僚や上司の妬みを買い孤立していく。

    そのうち「正義感だけでは世の中は渡れない。自分の気持ちに蓋をして生きるより仕方がない。」と意見する上司を尻目に哲平は「談合反対!」を押し出し入札の書類を市役所に提出しないという荒業をしてしまう。

    この入札に参加しなかったことで、下請けの坂本工務店は潰れ哲平が想像だにしなかった事態が翌日から始る。執拗にパワハラを繰り返される哲平。妻に相談するも、妻は実家の事で頭が一杯で哲平を見ていないのであった。

    更に事態は悪化し、妻の実家の資金繰りで会社を退職する訳にいかなくなった哲平を、会社は脅迫するかのように退職を迫る。哲平は徐々に、しかし確実に追いつめられて窮するどぶ鼠のようだった。逃げ道を見失った人間ほど弱いものはない。哲平は正気を失い冬に舞う蚊のように、その宿命は潰されたのだった。

    死んだ哲平を巡って妻が告訴する場面も、請け負った弁護士が志賀を問い詰める場面も案外、滑稽だった。人は皆大切な誰かが死んでから騒ぐ。どうして生きてるうちに大事にしてやれなかったのかと思う。更に告訴された会社が証拠隠滅に画策する様子は現代社会の構図のような気がして、その描写は見事だった。更にパワハラを裁判まで持っていっても中々勝てない。というのも事実だし、よく勉強してるな、とも思う。

    観て満足する舞台だと思う。相変わらず谷仲が終盤に登場するオチが絶妙。
  • 満足度★★★★★

    重厚なドラマでした
    重厚なドラマでした。公演があっという間に終わる感覚でした。どこにでもあるような内容、思わず身の回りを見渡した、そんな感じです。
    十分楽しめたし、これであの料金は安いです!。

    あと3時間くらい続きを観たかったですね。ありがとうございました。

  • 満足度★★

    雰囲気はありましたが
    細部が雑で2時間もののテレビドラマ程度でした。

  • 満足度★★★★★

    そこに希望は?
    見終わりズッシリ・・くたびれました。なくならないだろう嫉妬深い男社会、そして談合社会。そこにまるめこまれてゆく人たちの悲劇。やるせない辛い気持ちでいっぱいになり劇場をあとにしました(T-T) 
    役者さんたちみなさん素晴らしかったです。ゾクゾクしました。そして、時間軸が交錯する演出が見事でしたし、音楽も好きでした。

  • 満足度★★★★★

    こんな会社いやだ
    どの業界にも公明正大でない部分は多少なりともあるとは思いますが、こういう仕事や運命が自分にふりかかってきたら、私はうまく乗り切る自信ないです。

    ネタバレBOX

    旦那が最も支えを必要としている時にそうしてあげなかったことを知った奥さんの暗い表情と、裁判に勝てる材料を見つけた弁護士の笑顔が対照的でした。
  • 満足度★★★★★

    観劇始め
    今年の観劇始めの作品となりました。一言で言うと「辛い」かな。うちの会社を思い出させるような絶望に満ちた濃厚な作品。蚊の羽音が聞こえてきそうです。しかし,役者さんは皆演技が見事だナァ。とても芝居とは思えない切実感を感じさせます。ストーリーの続きを期待させるぎりぎりのところで芝居を終わらせるのも上手い。JACROWますます好きになりました。

  • 満足度★★★★

    見応え十分!
    役者さん達も、個性的で演技もあつかった。
    ただストーリーがストレート過ぎたかな。
    もっと裏の裏があるドロドロした内容にした方がいい。

  • 満足度★★★★★

    最強に面白かったです
    今までの作品の中では最強に面白かったです。
    二時間近く物凄い集中力がいりましたが、本当に面白かったです。

  • 満足度★★★★

    サンデル教授に見せたい!
    あ、でも「正義」の話をする前に、この日本の企業風土が理解不能かも。。。犯罪、パワハラ、セクハラなんでもありだもんね。

    ネタバレBOX

    非常に重苦しい嫌な職場を見せてくれました。時に滑稽なほどに。下請けが倒産したとたんに折れちゃった「国立」君は、「正義」を振りかざすにはあまりに「いい人」過ぎた。三橋さんぐらい開き直ってほしかったが、そうなると話の展開が変わるか~。一番怖い人は友達顔した総務の男。怖い。サラリーマン&ウーマンにはちょっとつらい話。

    手前の机のところの場面があまりに前すぎて上手側最前列近くにいた人は、良く見えなかったと思う。特に上手側に人が立つと机に座ってる人はまったく見えなかった。
  • 満足度★★★★★

    苦みと痛みが残る
    前回の3本立て『窮する鼠』内の1本『リグラー』のヒリヒリ感がさらにアップした、ヒリヒリ系舞台。

    ボクシングのコンビネーションのごとく繰り出されるパンチが痛い。会社勤めしたことのある人にとっては、なかなか効くのではないだろうか。

    ネタバレBOX

    役所内にいる内通者から、入札情報を買い取り、自社に有利にしていたことを長年やっていた建設業者内での物語(台詞で「談合」と言ってたけど、違うよな? 昨今流行りの「公務員の機密漏洩」かな)。

    会社ぐるみの不正vs正義感の新人(今回の場合は異動によるもの)という図式のストーリーは、よくあると言えばよくある。最近でもNHKでやってたりした。
    ただし、違うのは、「正義」と振りかざす側の「甘さ」や、彼を取り巻く環境があまりにも過酷であることだ。

    やんわりと真綿で首を絞めるような、とはほど遠い激しいパワハラで「国立」くんを締め上げていく。

    締め上げる側も、自らが「奴隷」であるという自覚がはっきりあるところが、観ていて辛いところでもある。

    そうしたストーリーを形作っている要素の深みが素晴らしいと思う。
    なぜならば、ありきたりとも言えてしまうストーリーでありながら、観客をここまで引き込ませ、かつ、共感させてしまう舞台であるからだ。
    単にありきたりのストーリーを熱演で見せただけであれば、こうした感覚は生まれないだろうと思う。

    締め上げ側の「生活」が見えてこないのが、やや弱い気もするが、よくよく考えると、生活を見せて「本当はいい人なのに」という要素がないのも、よかったのかもしれない。
    「会社員」であることが、会社にいるときの彼らの「すべて」であるからだ。

    それにしても、この劇団、イヤな人を演じさせると、日本一の劇団かもしれない(笑)。イヤな人の深みがいい。演出家だけでなく、俳優たちもそのイヤなところのツボを理解しているということだろう。
    営業スタッフでいる三橋も、やや固めなOLさんのはずなのだが、その底にある必死さのようなものが、ヒシヒシと伝わりちょっとしたイヤな感を出しているし、ストーカーされるOLの野村のやや媚びた感じも好感度があるとは言えない。と言うか、そう見えてくるのだ。

    とにかく、全員の余裕のなさがたまらない。

    余裕がない景況が、この会社をこういう企業風土に変貌させてしまったのだろう。
    今、こういう会社は多いのではないだろうか。不正をしていなくても、どこかギスギスしていて、人間関係にも、個人的にも余裕のない会社が。
    会社勤めをしたことがある人にとっては、見たくない、考えたくないことを見せつけられたような印象がある。

    犠牲になる富島の行動は明らかに「甘い」し「迂闊」すぎるのだが、「だったらどうする?」「どうすればよかった?」という言葉に対しては、うまい回答はなさそうである。
    他人事のように批判するのは簡単だが、いざ自分のことになったら、どうなんだ、ということだ。つまり、「自分だったら…」と考えさせられてしまうのだ。
    富島の行動をそうしたことにして、観客に答えのない疑問を投げかけるという、もう一段先を見通したであろう脚本と演出がうまいということであろう。

    ちなみに、この案件は、たぶん100%労災を勝ち取れるのではないかと思う。弁護士がいくら失敗した経験があると言っても、及び腰なのはどうなのかな、と思った。

    課長を演じた吉田テツタさん、課長代理を演じた大塚秀記さんの、ストレートなパワハラがたまらない。会社の不正にどっぷり漬かっているから、富島の行動が理解できないのだ、ということを観客に見事に伝えていた。だからこそ、観客はどうすればいいのかわからなくなるのだ。
    人事部の竹下を演じた橋本恵一郎さんの、目がひくついている感じの気持ち悪さが印象に残る。また、会社の事務をしている三橋を演じた菊池未来さんの、あるある感としたたかさも印象に残る。
    富島の妻を演じた蒻崎今日子さんの、徐々に余裕がなくなっていきつつ、ラストで夫のことと自分のことを振り返り、後悔のようななんとも言えぬ雰囲気のうまさは、この舞台を締めくくるにはふさわしいと思った。「ああ、なんてことをしてしまった」と言うような、余計な吐露をさせないうまさ、それを彼女に託した演出のうまさだろう。


    次回は、苦い観劇後の味を舌に残した『明けない夜・完全版』(シアタートラム)ということ。かつて、本編+外伝の2本立てで行われていたものが、ついに1本になるということらしい。これには期待したい。

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