公演情報
「行きたい場所をどうぞ」の観てきた!クチコミ一覧
実演鑑賞
満足度★★★★
瀬戸山氏の青年劇場書き下しは今作も十代女子が主人公。新鮮な風を感じる感性に導かれてちょっとした旅(だが真の意味での「旅」)をする。AIロボット(少女型)との二人旅の舞台はAIが人間の生活や産業の各所に導入された近未来社会、とは言ってもAIがもたらしかねない資本と雇用人口の熾烈な分断、といった深刻な状況よりは、自我(状況を判断し自己の行動を決定する土台)が芽生え、人間に近い感情を持ち始めているAIというファンタジックな想定。非人間性が社会を侵食するディストピアとは対照的な、異種の人格が人間界に参入する「多様性」の未来への想像力に観客は感化され、感動が湧き起こるのだろう。
実演鑑賞
満足度★★★★
高校生がAI女子高生と一緒に、幸せの国を探して旅するロードムービー演劇。いろんなところにひねりや現代社会への皮肉が込められている。戦地からの帰還AIも出てきたりして、いろいろなことを考えさせる。今まで見たことのない若い俳優が中心で、リアリズムとは違うファンタジー色が強い。今までの青年劇場の殻を破ったユニークな舞台だった。
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/02/24 (金) 14:00
座席1階
ミナモザの瀬戸山美咲が書き下ろし、大谷賢治郎が演出。見事な舞台だった。脚本がとてもおもしろく、演出も独創的で見ている客席を飽きさせない。昨年青年劇場に入ったばかりという新人女優が、秀逸な熱演を見せた。
主役は何と人間そっくりのAIロボット「夕凪」。駅の待ち合わせ広場にいて、駅を訪れた人が生きたい場所を案内するのが仕事だ。なぜかスカートの短いJKなのだが、企画したのがおじさんたちだからこうなったというくだりは笑える。
広場に来た本物のJKの光莉に夕凪は声を掛けるが、光莉はぶっきらぼうに「ネラ」というところに行きたいという。AIの夕凪がいくら検索しても見つからないその場所。見つけられなくて悔しかったのか、AIロボットなのに職務を放棄して、夕凪は光莉の手を引っ張って旅に出る。
物語では、人間がAIロボットを酷使している会社なども描かれる。結構、現実味がある近未来の姿だが、演劇的なのはAIロボットが人間の姿であることだ。そのロボットが「人間になりたい」などと言ったり、過酷な労働に対して休息を要求したり、とても人間的なのだ。
演出もすばらしい。舞台には可動式の背の高い塔のようなものをいくつも配置。冒頭の場面などでは人間もAI人間も一緒になってパフォーマンスをしたり、舞台転換にもうまく使っている。
だから客席の目が離れることはなく、テンポよく物語をつないでいっている。ある意味シンプルな舞台装置なのだが、SF的な物語だということを踏まえ、脚本の色彩を絶妙に表現している。
中高生無料デーを設けるなど、若者をターゲットにした企画だと思うが、大人たちもいろいろ考えさせられる舞台に仕上がっている。一見の価値があると思う。