星の王子さま 公演情報 星の王子さま」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★★★

    モダン・アングラ?
    いわば「モダン・アングラ」か?
    かつてサン・テグジュペリの原典を読み、何年か前にミュージカル版も観ていたので原作準拠の部分と寺山修司による創作部分を識別できて、より面白かったような。
    また、中山ラビ、カルメン・マキらによるショータイム的な部分も堪能。

  • 満足度★★★★

    楽しめた“寺山祭り”
    出演者のブログにこの芝居を指して“寺山祭り”と評した一文があったがそのとおり。
    所縁の人たちをゲストに迎え、寺山を偲ぶ公演という色彩が強い。
    千秋楽所見。大好きな『星の王子さま』の世界がそこにはあったし、人気イラストレーターだった宇野亜喜良の絵に憧れた世代、あの時代のことも思い出し、じゅうぶん満喫した。うーん、しかし、やはり上演時間が休憩込みで2時間50分はいかにも長すぎる。構成の問題でもあったと思うのだが。

    ネタバレBOX

    小劇場公演には珍しく、少しも遅れず定刻どおりの開演。第1幕のあと、幕間ライヴが終わる1時間50分まで休憩がないせいか、休憩表示が出たとたん、女性客たちが凄い勢いでお手洗いにダッシュ!(笑)
    何人かの客がライヴの途中で席を立っていった。日ごろ休憩なし2時間の芝居だってあるのだが、それほど長く感じた人が多かったのだろうか(笑)。
    すっかり太めになった「黒い天使」カルメン・マキの歌を聴きながら、日本でのベトナム反戦運動の熱気を思い出し、筑紫哲也の顔が浮かんできた。
    「時には母のない子のように」。やはり、あのころの歌詞には心の奥深くしみるものがあったと思う。
    手拍子のテンポが若い世代とリアルタイムで聴いていたオジサン世代でははっきり違っていて、まったく揃わずに平行線のまま続いていくのにはふき出してしまったが。
    立派なライヴになっていて、ぜいたくな企画なのだが、カルメンや中山ラビの歌が素晴しいのは否定しないとしても、1人何曲も歌うので長くなる。前夜祭にありそうな企画で、芝居とは直接関係なく遊離しているのが気になった。
    芝居は芝居として完結させたほうがよかったかも。歌のコーナーを入れるにしても、作品と絡めたかたちならよかったかもしれない。
    サン・テグジュペリ(倉田知美)が王子さまと語る夜間飛行の場面が美しい。倉田が先日のPP1のキュートなブリっ子とは別人の凛々しい飛行士姿。星の王子さまとバラの人形も幻想的で美しかった。
    キツネ役は石井くに子。これがあの映画「初恋地獄篇」の鮮烈ヌードの少女かと思うと、歳月を実感した。
    ヒロインの少女、今村美乃が好演。お人形のように可愛らしくて魅力的だ。今村とともに青果鹿公演に出演していた村田弘美(演劇実験室万有引力)も活躍。
    野口和美のデッカイ「アリス」やお洒落な「ゾウ」も面白かった。
    吉祥寺シアターにふさわしく、全編“お洒落で美しいアングラ”だが、点灯士(川上史津子)とパパに化けた殺人者の女(遠藤好)の場面はレズビアン・ショーを思わせる淫靡さで、60年代の寺山ワールドを垣間見せた。
    モヒカン刈りと肉襦袢ですぐには川上だとは気づかなかったほど。力演である。遠藤も身のこなしが宝塚の男役のようにきれいでダンスのような動きも流麗でよかった。
    有料パンフレットがあの内容で1部800円は高いと感じた。配役表だけでも無料で添えてほしかった。
  • 満足度★★★

    素材は素晴らしい
    寺山修司の「星の王子さま」に、サン・テグジュペリの「星の王子さま」を融合させたそうである。そこに黒色すみれの演奏と歌。
    さらに、ゲストたちが加わる。

    ネタバレBOX

    気合いが入っている舞台である。
    (チケットのもぎりから舞台装置、衣装などまで)
    登場人物たちそれぞれが強い印象とともに現れる。

    黒色すみれの演奏に従い、並行して進む寺山版「星の王子さま」とサン・テグジュペリ版「星の王子さま」。
    サン・テグジュペリ版では、人形の王子さまとパラが演じる。

    物語の途中に、ストーリーとほとんど関係なく、ゲストの短い芝居や歌が挟まる。

    寺山版「星の王子さま」のエンディングは破棄され、サン・テグジュペリ版「星の王子さま」で幕は閉じられる。

    いろいろな要素が、次々と現れてくる。
    しかし、結局それら、つまり、寺山修司の「星の王子さま」、サン・テグジュペリの「星の王子さま」とゲストたちの歌のパートは、有機的につながることはなく、それぞれに存在し、それぞれに完結していったようだ。

    それにしても、この日のゲストだった、カルメン・マキさんと中山ラビさんの存在感は凄いものがあった。
    実際、それぞれをライブ会場でも観たことはあるのだが、演劇的色合いを濃くし、短時間にそれを凝縮したことにより、強さが一段と増して見えた。情念ともいえるような炎が燃えているようであった。
    これを観ただけで、満足と言いたくなるようなライブだった。

    役者も人形もゲストも素晴らしいと思った。特に女優陣の美しさは光るものがあった。

    これだけの素材がありながら、もうひとつ心をつかまれることがなかったのは残念。すべてがきちんと結びついていればな、と。

    普通に寺山修司版「星の王子さま」を観たかったな、というのが感想である。

    2時間45分(休憩時間含む)なのだが、休憩が前半1時間50分終了後に入るということもあり、前半の体感的な長さには閉口した。後半はあっという間だったが。
  • 家出のするめ買っちゃった
    とても豪華で創意工夫がたくさんで美しくて仕方ないお芝居でした。
    舞台美術見た瞬間涙をこらえました。
    こうゆう世界観を大切にこれからも頑張っていって欲しいです。

    ネタバレBOX

    あくまで私見ですが・・・

    金魚と戯れる人魚が素敵。
    スペシャルゲストさんたちのパフォーマンスは
    少し長い気もしたし
    番外編過ぎる気もしたけれど
    全然嫌いじゃないです。
    特にカルメンマキのパフォーマンスは惹きこまれました。
    バイオリンはあんなにかっこいいものか、と驚きました。

    そして星の王子様を人形でやるのが良かった。
    が、しかし
    もう少しバラとの愛と
    キツネとの友情をきちんと描いて欲しかった。
    そうしないと、ラストのシーンが
    なんだか希薄な印象で終わってしまう気がした。

    でも、とりあえず大好きな舞台です。
    笑えるところもたくさんで面白かったです。
    寺山が引き継がれていくのだなぁ、と妙に心打たれた夜でした。

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