この雨ふりやむとき 公演情報 この雨ふりやむとき」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
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  • 満足度★★★

    題名の違和感が全てに繋がる
    「この雨降り止まぬ時」ならすんなりと胸に伝わるのですが、「この雨ふりやむとき」という題名のしっくり来なさが、作品の本質にも繋がっている気がします。「この雨がやむ時」なら、どうだったか?などと、余計な邪念が湧いてしまいました。

    傑作戯曲だとは思うものの、キリスト教に対する浅薄な知識しかない、この作品の重要な骨格となる問題について、どうしても、自らに引き寄せて、共感し辛い部分がある、私には、やや疲れることの多い芝居でした。

    ミスキャストと思われる方もお二人いて、もっと違うキャストで、もう一度観てみたい作品ではありました。

    ただし、須賀さんは、とても良い役者さんだなあと、再認識。田畑さんとの若い二人のシーンには、常に心が奪われました。

    ネタバレBOX

    時と人物が入り組み、わかり辛いかと聞かれたら、そんなことはありません。とお答えします。

    これは、やはり、鈴木裕美さんの演出力によるものだと、感心します。

    ただ、残念なのは、冒頭ほとんど一人芝居状態の役者さんの滑舌が悪く、演技も一本調子なので、台詞を聞き取ることと、状況把握に、観客として、初めから相当力仕事を強いられて、すぐに疲れてしまいました。

    もう一人の重要人物を演じる女優さんも、体格が良く、肝っ玉母さんタイプなので、この役の、はかなさや悩める妻と母を演じるには、ちょっと不向きな感じがして、それだけで、この芝居の世界に入り込むのが、私としては、至難の業でした。

    その上、キリスト教の倫理観や教義にも、疎く、また、児童を対象とする、倒錯愛についても、観て想像はできても、共感理解にまでは到底及ばず、夫がそういう嗜好のある妻の苦悩にどうしても、気持ちが近づいて行かず、ずっと、舞台を傍観するしかありませんでした。役者さん自身も、このテーマを体で理解して、自分に落とすところまでは行かなかったのではないでしょうか。

    日本で上演するには、やはり相当の演出、役者力の結集が必須な戯曲だという気がします。

    「レ・ミゼラブル」の楽曲のように、時や人物が交差する中で、違う人物の口に何度もリフレインされる、名台詞は、大変戯曲の効果的な側面なのに、その良さが、このキャストではいまひとつ生きなかったのがとても残念でした。

    とにかく、観客はよく舞台を観て聞いていないと、置いてけぼりを食う作品で、しっかりと見守らないと、大事なところを見落とす可能性大です。
    後半の、八十田さんと、植野さん演じる夫婦のありかたには身につまされるものがたくさんありました。これから、ご覧になる方は、植野さんの一挙手一投足を、是非ともお見逃しなく!
  • 満足度★★★★

    もう一度観たい
    昼の部を観賞。
    説明通り、ラブストーリーでミステリーな物語。
    原作、読み直したいですね。
    もし、原作を先に読めていたら(予備知識あったら)
    もっと楽しめたかも。


    ただ、残念ながら、この作品の良さが伝わっていないのか、
    入場者数が見た目にも少ないのが分かりました。
    座席数に対して、6~7割でしょうか。

    あぁ、惜しい。
    もっとみんなに見てもらいたい。

  • 満足度★★★★

    `わからない’の面白さは後をひく
    1959年から2039年の間に起こる家族4世代の芝居は一見すると謎解きゲームのよう。
    オーストラリアとロンドンを行ったり来たり、時も遡ったかと思うと、次は未来。。と言った具合。。でありながら、親子、夫婦という家族の鎖でつながれたストーリーは舞台を観ていれば、自然と頭に入って来る。壮大なスケールで人とは何たる動物かを描いた傑作戯曲は、観劇後にジワジワと効いてくる。なが〜〜〜く後を引く芝居をご堪能あれ。

  • 満足度★★★★

    tptらしい良作だが…
    劇の構造も人物の内面も複雑なこの作品を丁寧に表現した役者さんたちに拍手。
    それだけに、お客さんの少なさが残念だが、地味な作品だからしかたないのか。はたまたパブリシティ不足か。

  • 満足度★★★★

    1959年から2039年までの親子3代にわたる物語。
    少々複雑ですがとっても面白かった!演出が丁寧でわかりやすく、仕掛けも贅沢。

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