The Bando-Wanderer ~無稽・将門 公演情報 The Bando-Wanderer ~無稽・将門」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 2.3
1-3件 / 3件中
  • 満足度★★★★

    時空超越ファンタジーロマン活劇
    3月の大作を「壮大な前振り」に(笑)、卑弥呼の時代と皇紀2600年の「もう1つの日本」を繋いで描く時空超越ファンタジーロマン活劇、「無稽」シリーズの醍醐味満載。
    中でも将門と純友が「1000年後にまた逢おう」という前作での約束を果たす場面は「Zガンダム」でクワトロとアムロが邂逅するシーンの如く感動的。
    また、刀身を蛍光色に塗った武具でのサンプリングSEを使わず木刀がぶつかる生の音を活かした殺陣も迫力があってイイ。

  • 満足度★★

    その後半のエネルギーを、もっと前半にも!
    SPACE107という、普段足を運ぶ劇場よりやや広い空間…そこで繰り広げられる殺陣アリのド派手な芝居…!いつもとはヒトアジ違った期待をして出かけたのですが…う~ん…前半がちょっとけだる過ぎました…。声の小さい役者さんが何人かいらっしゃたりもしまして、正直ちょっとストレス。さらに期待していた殺陣にもあまり迫力が感じられずにアラアラどうした…。ただ、ガッカリし気味な気分の中で迎えた後半戦、こちらは勢いがありました。主役級の人達の殺陣はさすがにカッコいい!そして強めのセリフが多かったせいもあるでしょうが、前半感じた「聞こえづらい」ストレスも感じる事なく、スピード感もあってなかなか楽しめました。せめてオープニングだけでもこのエネルギーを見せてくれていたら、もうちょっと引き込まれたんじゃないかなぁ。ちょっと残念。

  • 満足度

    血で血を洗う「無稽」
    神武天皇が即位した皇紀元年と、日本が戦争に向かい始めている1940年(皇紀2600年)を対比させ、時空を超えた時代劇活劇。
    まさに血で血を洗う殺戮の歴史で、主人公の側に立った殺戮の正当化、自己満足ばかりで、観ていて救いがなかった。
    こういう活劇作品は、劇団新感線と傾向が似ており、どうしても比較してしまうので、申し訳ないが内容はお安い感じが否めず、チケット代4000円は高い気がする。登場人物が多くて人物相関が複雑なので、相関図が載った100円のパンフレットを買うようにできている(笑)。しかし、作家、演出家らの対談がふざけすぎていて、腹が立つ。作品についてまったく語らず、「言っとくけど、うちら飲んでなんぼの劇団だから。有料パンフを買ってくれたお客さんに、かんぱーい」だと。もっと真面目にやったらどうなのだ。裁断ミスのように切れていて解説文が読めないフライヤーといい、どこまでも客を舐めている劇団らしい。

    ネタバレBOX

    昨今増えてきた、殺陣の多い時代劇スペクタクルはとにかく出演俳優が多く、チケットノルマ対応策を感じる。
    この芝居では、「殺陣」を見せるため、殺戮を繰り返しているような脚本・演出が、観ていて不愉快になってきた。
    1940年の場面の「国軍」は日本というよりも米国のようだし、1940年といってもピストルが出る以外、江戸時代みたいに斬り合いで、違和感が強い。
    主要人物の藤原純友、平将門、平塚国香、ツクヨミがそろって野心家で、「平和のために人を殺すのはしかたない」みたいな台詞を言うから、共感できない。純友が神武天皇になる、というのもさすがに納得できない。
    滑舌が悪い俳優が台詞を噛んだことさえ、アドリブでお笑いにもっていこうとしたり、俳優いじりで、まったくウケない一発芸をさせて、シラケさせたり、客を舐めるな、と怒りたくなってきた。
    シャーマンを演じる日美呼(上田郁代)、トヨ(本倉さつき)が2人とも滑舌が悪く線が細いので、役のカリスマ性が出ない。特に本倉は声量がまったくなく、前列の私でさえかろうじて聞こえる程度だから、後ろの客まで声が届いていなかったのではないだろうかと思った。時代劇のヒロインを見た目志向でアイドルっぽい女優を選ぶ傾向が目立つが、こういう役こそ、黒色綺譚カナリア派の赤澤ムックや牛水里美あたりが演じれば、少しは厚みが出るのでは、と思うのだが。
    お笑い担当の上地春奈が「イジリー岡田そっくり」などとイジられながら笑いをとっていたが、ウケようという必死さが芝居に出てしまうのが気になった。
    陰鬱で残酷な悪役、田原トウタを演じた村田祐輔がフィナーレでは別人のように明るく、この俳優は笑顔のほうが数段良い。キャスティングに疑問も感じた。
    そのうえ、主役の将門(小川信太郎)と純友(佐藤秀樹)が思い切りむさくるしいオジサンで絵面的にも魅力に乏しく、小劇場系劇団だからこそ実現できる企画という感じだ。
    極め付けに呆れたのはラストシーン。新型爆弾を積んだ2つの爆撃機というのは、広島、長崎への原爆を暗示していると思うが、阻止しようとする純友、将門は描かれず、物語が尻切れトンボで終わり、フィナーレが始まる。終わったと思ったら、カーテンコールの意味もあるのか、もう一度同じ音楽と振付のフィナーレがやたらハイテンションに繰り返されるのだ。クドすぎる!出演者だけが楽しそうだったが、バテて膝がガクガクしている俳優もいた(笑)。おまけに千秋楽でもないのに、2度とも小川が「お手を拝借」と言って、3本締めを客に強要する。「何なんだ」と思った。
    この劇団の「将門」の企画、今春には朗読劇バージョンも上演されたが、以前の公演では劇団への評価が高く、絶賛されて「今後も観たい」という意見が多かった割には、春、今回ともCoRichでの注目度が極端に低かったのはとても不思議だ。



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