不幸の女神 公演情報 不幸の女神」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    年に1度の爆笑まつり!
    オムニバス・コント10本という予告だったが、実際に数えたところ13本+αあった(プログラムに配役やコントのタイトルを入れてほしかった)。
    メンバー9人全員本業を持つ社会人なので、回を重ねるごとに職場の同僚や友人のクチコミで人気広がっていったのか、ぴあのチケット売れ行きも毎回好調で、土曜夜の回の会場も満席、爆笑の渦。
    主宰の橋本和明はテレビ局のディレクターでバラエティー番組も担当している。
    ふだんお笑い番組をほとんど観ない私だが、周囲を気にせずゲラゲラ思いっきり笑えるって精神衛生上もいいですね。
    単なるお笑いライブというより演劇の一場面にも使えそうな内容で、CoRichのユーザーの中にも観たらはまる人が必ずいると思うし、もっと多くの人たちに観てほしいけど、年一度しか開催しないので、初見で観にいこうという人は少ないでしょうし、当分は固定ファンたちで楽しんでる状況が続くでしょうね。
    一般の劇団と違って客の対応に慣れていないのかもしれないが、一番最後に会場を出てきたらロビーにキャスト、スタッフたちがたむろってたにもかかわらず挨拶はなく、完全に無視。
    「客の送り出しは最後の一人まで」ですぞ。
    今後のご参考までに、ネタバレで内容を詳しく紹介しておきます。
    次回公演は来年の6月の予定。

    ネタバレBOX

    「不幸の女神」というタイトルと内容が関係ない。一考されたし。
    ①人質をとって銃を持ち、たてこもった犯人は男の刑事イトウに「女の刑事に1億円持ってこさせろ」と要求。ニューハーフデカ(なかなか美脚)と、オスカルの扮装で「愛あればこそ」を歌う宝塚デカが張り合った末、2人で出向くが2人とも撃たれて死んでしまう。
    ②深夜の2時、朝までにプレゼンの資料を作らねばと、部長と4人の部下がPCに向かって作業をしている。「呪いのケータイ」「会議で人数1人多いけど資料は足りた」「井戸に飛び込むOL」「死者からのFAX」など部下が次々怪談を披露しているうち、停電が起き、バックアップをだれも取っていなかったため、ピンチになり、怪談よりこわい事態に。
    ③TVの衆院選開票速報番組。時事ネタを織り込みながら解説者とアナウンサーの珍解説で笑わせる。北海道が3議席まで「熊」が圧勝で獲得し、人間は鈴木宗男のみという結果や、山梨で「アルプスの少女ハイジ」の「クララ」が圧勝、「立ち上がった実績があるだけに、たちあがれ日本の候補者を抑えた」とか「南アルプス市市民の後押しがきいた」というのが可笑しかった。
    ④KAT-TUNのコンサートチケット余券を求めてプラカードを持って立つ赤西ファンの女性2人と2人に付いてきたファン歴浅い友人の1人。よくある光景だ。対抗心から2人はすぐに喧嘩を始めるが歌ったり、ファン特有の妙な連帯感ですぐ仲直り。同情をひくための嘘がエスカレートしていき、2人に合わせようとするファン歴の浅い友人が孤立してしまう。
    ⑤「KAT-TUN赤西仁がいかにも言いそうなひとこと」を字幕で見せていく。赤西ファンではないとピンとこないし、正直面白くなかった。
    ⑥コンビニでエロ本と昼食を買った男が好きな女性と道でバッタリ。「お家に行って昼ゴハンを作ってあげてもいいよ」と喜んでいると、引ったくりにレジ袋を盗まれる。引ったくり男はすぐに捕まり、警官に袋の内容確認を求められた男はエロ本を彼女にみつからないようにさまざまな言い訳を試みるうち、逆上して引ったくり男を人質に刃物を持つ。彼女がエロ本に理解を示したので感激して投降するが、結局振られる。
    ⑦「釜山に舞う雪」は冬ソナのパロディ。ユミンは恋仲の学生ションソクが里子に出された実兄と母から聞かされ、その直後、ションソクは交通事故死。ションソクに瓜二つのビジネスマン、ヒョンチョルと出会うも彼もまた実兄だと母が言う。ヒョンチョルも交通事故死。母によると生き別れの実兄は78人いると系図を見せられる。またまた瓜二つのヤンキーのヒョンナムに出会い、系図を見ると名前がなく安心。しかし、母は腹違いの隠し子だと言い、これも172人いると言う。繰り返しが少々しつこく荒唐無稽だが、客は大笑いしていた。
    ⑧NHKの取材を受ける「謎解きが得意な」動物園の飼育員。「・・とかけて何と解く」というあれだ。動物を紹介しながら謎解きをはじめ、放送禁止用語を連発するので、NHKの取材人が注意すると、飼育員は怒って姿を消してしまう。
    ⑨ハローワークで仕事を探すメイド服を着た自称アユアユことヒラノアユミ。面接する職員にメイド言葉で話しかけるくせに、「普通の喫茶店で働きたい」と言うので職員は困惑。マスコットの「ベアちゃん」を取り出して会話する現実逃避の一方、簿記二級の資格を持ち、清水東高校出身など、まともな部分を持ち合わせてるところが笑えた。
    ⑩ナイトウメグミという女性にストーカー的恋心をもつ男、エノキダは扱いづらい性格から「普天間」というニックネームを持つ。友人の市川、ミヨシと土曜の夜、パジャマで集まって雑談。実は市川はメグミの彼氏であることをエノキダは知らず、市川も嘘をつくので、ミヨシは気が気ではない。市川とメグミの韓国旅行の事実を知って、さすがに気づくと思ったエノキダだが、あくまでめげない。
    ⑪ケンジとの仲をヒロキに相談するユミ。ユミに密かな好意を持っているヒロキに、1人2役の天使と悪魔がラップに乗せてさまざまなささやきをしてくる。と、思ったら、これは「劇団天使と悪魔」の第14回公演であることが判明。天使と悪魔のラップがとにかく可笑しい。
    ⑫映画「おくりびと」の予告編パロディ「さきおくりびと」。何かと先送りしてしまう主人公が可笑しい。「普天間問題でも見られた日本人の「先送りの美学」--ニューヨーク・タイムズ」が笑えた。
    ⑬厚生労働省内での「格差拡大問題阻止会議」。シンドウ部長に4人の部下がさまざまな提案を行う中、前半のコントの続編なども挿入される。
    ホームレス川柳、ホームレス店長、ホームレス長者番付などが出てきて・・・。しかし、翌朝の新聞を見たら、米国ではホームレスのジョギングにより生活支援を行うというネタ真っ青の実例が出ていた(笑)。
    シンドウ部長役の橋本は、まるでテレビ局の構成会議を思わせる仕切りぶり。いるのね、こういうディレクター(笑)。
    ボケの清水昭紀、「間」のいい江本哲朗、思い切りがよく女優としてもいけそうな佐藤可奈子が印象に残った。

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