LOVE YOUR LIFE 公演情報 LOVE YOUR LIFE」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 2.5
1-2件 / 2件中
  • 満足度★★

    絶対的な正義と悪
    弱者が居て強者が居る。
    戦争はいけない事で、人を殺すのも絶対悪。
    なんてことは通常の教育を受けた人間ならば分かっている事だが、
    ただ『分かっている』事と『実感できている』事とは違う。
    どれだけその伝えたい相手(今回の場合は観客)に実感させるか、
    その相手と共鳴する所までもっていけるか、
    それを動きも少なく言葉でのみ訴えかけるには、
    相当な技術がいるのだと思った初朗読劇でした。

    ネタバレBOX

    フリートークで感想を聞かれたので、直接お話しさせて頂いた事もありますが、
    台詞が言葉として伝わってこず、ただ音として耳に入ってきてしまい、
    戦争の悲惨さや恐怖、世の中の理不尽さや虚しさが実感できない部分があった。
    それは”単語の意味を知らないから”という事ではなく、意味のあるものとして
    言葉や文章がただ伝わってきませんでした。

    今回の題材が題材だけに、仕方が無いのかもしれないが、
    全てに於いて物凄く”負”の部分だけを繋ぎ合わせたストーリーになっており、
    共感できない部分が多々ありました。
    例えば派遣をきられた息子や、仕事が見つからずホームレスになるか
    自殺するしかない等、話す若者達。
    如何にも社会や会社の理不尽さだけをクローズアップするかの様な件があるが、
    仕事が何ヶ月も見つからないなんて事は、その本人にも何かしら問題があるのではないかと思ってしまう。

    あと主催の方が進行役として出ていらっしゃいましたが、音響に負け(爆撃音など)
    活舌もあまり良くないように思われました。
    ジャーナリスト役の方は良かったですね、感情の出し方や抑え方が上手いと思いました。

    主催者の方の演劇に対する熱意や人間性が伝わってきたので、
    終演後のフリートークには参加して良かったです。
    若さ故のがむしゃらさには、かなり好感が持てました。
    多分劇だけ観て帰っていたら、良い印象は残らなかったと思います。
    ただ、お金を取って観せる以上、その方の熱意や人間性の好感度は
    評価には加算しませんでしたので★は二つとさせていただきました。
  • 満足度★★★

    戦争もの
    以前、朗読劇はセリフ劇より難しいかもしれないと
    ベテランの俳優の方から聞いたことがあるが、
    その意味がわかった気がする。

    戦争モノは非常にバランスが難しい。
    最後のフリートークまでいなかったらあまり印象が良くなかったかもしれない。

    ネタバレBOX

    当然ながら若い人たちは戦争など経験したことがない。
    それでも脚本にある残酷な事実を表現しなければならないが
    役の置かれたあまりの過酷な状況を前に、入れ込みすぎて、説教臭くなる。
    それに押し付けがましさを感じて、観客が戦争モノを避けるようになっていく。

    この舞台もそうなりそうな感じがしたが、
    ジャーナリストの男性を演じた方の冷静な演技が温度を下げてくれたことと
    最後の主催の方のフリートークを聞いたので印象が上がった。

    若い人が戦争モノに挑戦するという気概は素晴らしい。

    個人的に、人間が生きるとどこかで必ず戦争は起こると思うが
    それを文化の力でとめるということは、芸術の究極の使命であると思う。

    それを真っ直ぐ語れる主催の姿勢がとても好感を持てた。
    ただ、フリートークに参加してなかったら★は二つだったかもしれない。
    だからこそ舞台の中で、その誠実さや素直さに変わる何かを示してほしいと思った。

    なるべく公平にと書かれた脚本だとは思うが、
    遠い戦争を描いているとはいえ、思想はデリケートな問題。さまざまな視点が必要だと思う。
    今回も事実を積み重ねているのだろうが、やはり一方的だと感じる部分もあった。
    戦争モノは見る側も、無条件で無批判になりがちである。
    どうしてもつらかったりかわいそうな人たちを出されると同調しなければならない気になる。
    観る人の哲学や判断も大事になる。

    また舞台を作る側の人々が、もっといろんな観方を提示するべきなのだろう。
    戦争についての舞台も作っていかなければならないのだと感じた。
    考えさせられる一日になりました。

このページのQRコードです。

拡大