日常茶飯事 公演情報 日常茶飯事」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 2.5
1-5件 / 5件中
  • 201008011500
    201008011500@アトリエ春風舎

  • 満足度★★

    実験的パフォーマンス?
    みささんがお書きになっているように、私も演劇というよりはパフォーマンスのジャンルだと思った。佐々木透さんの作品を読んでいないので、正直、この劇で演出家の澄井さんが何を言わんとしているのか、自分にはよくわからなかった(言葉を知るために、あとで台本を買うべきだったかな)。
    これを演じた俳優さんは、身体的にも精神的にも大変だったろうなと思った。どうやって演出家の意図を自分の中で肉化し、表現しようとしたのだろう、ということのほうに興味がある。青年団での若手自主企画デビュー作に澄井さんがなぜこれを考えたのかも、知りたいところだ。
    上演時間1時間5分。「頭で理解するというよりは、観た人個々に感じてもらう」といった一種の実験劇みたいで、プレビュー的なものに思え、有料公演に適しているとは思えなかった。それだけにPPTがあればよかったと思う。

    ネタバレBOX

    うーん。どのように感想を書いたらよいのだろう、と会場のアンケートを手に迷った。劇が終わると、首をひねって苦笑して去る人が視界に入った。ほとんどの人はアンケートを書かず、出て行った。そんな中で、私の連れは最後まで1人会場に残って熱心にアンケートに感想を書いていた。その内容は知らないが、いろいろ感じることがあったらしい。「後半から面白くなった」そうだ。
    3人の女優が、あるときはひとりごと、あるときは会話らしき、とりとめのないことをつぶやきながらさまざまなポーズをとっていく。
    衣裳は宇田川千珠子、木引優子が、共に上はラインストーンを散りばめたグレーのカットソー、下は宇田川が緑のレギンスに緑と白のストライプのバイアス仕立てのミニのラップスカート、木引が青のレギンスに、宇田川と色違いの青×白のスカートをはいている。鈴木智香子は、黒のカットソーとレギンスに赤と白のストライプのロングのラップスカート。最後に、宇田川、木引がラップスカートを脱ぎ、鈴木の頭から襟飾りのように掛ける。宇田川、木引はレギンスの上にショートパンツをはいている。これらの衣裳が広告美術のようで、なかなか可愛く、ファッションの視覚的要素の占める割合が大きく思えた。
    木引が自分のラップスカートの中に宇田川の頭を隠したまま長い台詞をつぶやいたり、鈴木は倒立を披露したり、黒のマットに簀巻きにされて舞台の隅に転がされ、そこから1人で脱出したりする。ただ、それがどういう意図なのか見ていてまったくわからない。
    澄井の演劇活動は大学時代からずっと観てきた。「言葉と身体の融合パフォーマンス」というのは、以前所属していた害獣芝居時代、澄井自身も女優として演じている。今年の春に、害獣芝居で浅沼ゆりあも久々に実験劇風パフォーマンスを発表していたが、澄井もこの方向が好きなのかもしれない。
    本作で女優の発する言葉を聞いていると、澄井のブログの文章のテンポとどこか共通性があると思った。彼女の文章は、日常の出来事を書いていても、どこか浮遊感があって、読んでいて「なるほどね」みたいに容易に共感できないところがあるのだ。
    パンフの挨拶文に「それぞれ個々人がちょっとした希望と絶望を抱えて毎日毎日、海に逃げ込む前のたいやき君さながらやっていっているところに、演劇を差し込める余地があるんじゃないか」と書いてあり、何となくわかるようなわからないような(笑)。終演後、「よく理解できなかった」と澄井本人に伝えると、「あれは水の中、水面下で起こっていることなので・・・」という言葉が返ってきた。「水の中でしゃべっているという意味?」「そうです」。もっと質問したかったが、ほかのお客さんもいたので遠慮した。すると、あの3人の女性は「海に逃げ込んだ後のたいやき君」ということなのだろうか。
    澄井はすぐ次に利賀での演劇コンクール参加が控えているようだ。今後も彼女の演劇活動を見守っていきたいと思う。

  • 満足度

    理解不能
    いあ、全く持ってでんでん解りません。カテゴリは「演劇」となってるから脚本家は「演劇」とみなしてるようだけれど、ワタクシは「パフォーマンス」だと感じた。ただ、パフォーマンスの部類でもやっぱり理解不能。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    物語性はない。ピースをばらして繋ぎ合せないで放ったままの状態。ワタクシの中の「演劇」とは観客を楽しませて、あるいは、感動させて、あるいは、笑わせてナンボの世界だと考えているから、ただただ、作家が表現したいものだけを公演するような独りよがりの舞台は好みではない。

    更に、観客を置き去りにしてしまって良い訳がない。第一、料金を払ってるのは観客だ。正直申し上げて、この舞台で料金はとれないと思う。
  • 満足度★★★

    色々新鮮で楽しめた
    愛しの宇田川さんが出演しているので、
    もう迷うことなく観に行ってきた。


    実際に見終わってみた直後の感想としては、
    「ああ、人の身体って面白いな」ってことと
    「ちょっと、エロかったよな」ってことが真っ先に浮かんできた。

    や、たぶん、他の人が観たら別にそうでもないのかもしれないけど。

    ネタバレBOX

    舞台上で行われている会話の内容は
    自分も普段からよく考える事ばかりだったし、
    だから物凄く分かるなぁとも思ったのだけれども、
    何故かそれが共感というところには結び付かず、
    常に客観的な視点からそのやりとりを眺めているような
    感覚であり続けていたのが不思議で面白かった。


    観ている時の感覚としては
    身体系WSのエクササイズに取り組んでいる様を
    外側から観ているような印象だった。

    リアルタイムで変化し続けている自らの身体と向き合いつつ、
    常に発見を見出そうとしている中で、
    でも発される言葉の内容は自意識的な要素を中心に扱っている。

    そのズレが先に書いたような感覚に繋がったのかも。


    ちなみに、「WSのエクササイズを外側から~」というのは、
    もちろんそこから表現に繋げるための仕掛けは
    存在していることを前提にした上での例えなので、
    決して不完全なものを舞台に乗せていたという
    意味合いで書いたものではないのであしからず。


    あと、これは個人的な話なのだが、
    ところどころで自分が所属していた団体の表現手法に
    似ているなと感じさせられた瞬間があったことも、
    自分がここの表現に興味を抱いた原因のひとつなのかもしれない。


    次も観てみたいなって思った。
  • 満足度★★★★

    理解できなかったはずなのに・・・
    物語のシチュエーションや構成を
    理解できないままに終演まで来て・・・。
    分からないと断じた瞬間、
    霧散せずに残る感覚の強さに気が付きました。

    理解を経ることなく
    記憶に直接なにかが積み上げられていく感覚に
    とまどいながら、惹かれてしまいました。



    ネタバレBOX

    舞台上で発せられる台詞や動作から
    いろんなものが浮かんでくるのですが、
    観ていてもそれらが自分のなかに
    再構築されていくわけではない・・・。

    ところどころ、直感的に面白くて、
    思わず笑ってしまったり、
    かと思えば、
    やってくるものがとても冗長に感じて
    刹那、寝落ちてしまう時間も
    あった気がする。

    ただ、何度も、
    見つめる舞台で認識するものと
    異なるものが勝手に入り込んできて
    なにかをこちら側に置いていくような感じがあって。

    動作、台詞のスピードやイントネーション、間・・・・。
    掴んで捉えたものと、
    するっと抜け出てこちらに入り込んできたものが
    それぞれ勝手にイメージを広げていくみたいな・・。
    あるいは、
    観ているものと、なにか違うものが
    勝手にこちらの心に居場所をみつけて
    好きなことを書き込んでいくような・・。

    観終わって、
    作り手が作品に込めたものは
    きっと理解できていなかったはず。
    でも、
    きっぱり分からないと言い切れずに
    「はず」などという曖昧な表現をするのは、
    理解と別なところで
    自分でもつかめないような感覚が
    終演後も霧散せずに残っているから・・・。

    役者達のテンションと規律をもった動きが、
    どこかで作り手側の調和として世界をつくり
    観る側の手の届かないところに
    繋いでくれている感じがして。

    そして、
    その感覚に惹かれていたりもして。

    なんというか、
    とても不思議な体験をさせていただきました。

    ★★★○

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