牡丹亭 公演情報 牡丹亭」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
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  • 満足度★★★★★

    アジアの至宝
    「日本」の、ではなく「アジア」の至宝、と敢えて言いたいと思います。
    1幕45分、2・3幕各40分(途中休憩5分、20分)の総計2時間45分の
    長丁場にも関わらず、本当にあっという間の舞台でした。

    一年間徹底した猛稽古の結果、中国の役者と見まがうまでの発声を
    身に付けた坂東玉三郎。 自身の舞いもさることながら、脇を固める
    春香役の方の息も恐ろしくぴったりで、一幕「游園」から華麗な動きに
    圧倒され、美しさに食い入るように見つめている私がいました。

    ネタバレBOX

    四幕「離魂」で恋煩いの果てに、自身を梅の木の下に埋めて欲しいと
    懇願する娘の姿に涙を流すしか出来ない母と春香の姿。 
    両脇に設置されたスクリーンでの翻訳も格調高いものであり、
    この場面では引きこまれ、私もつい涙がこぼれてしまうほどに
    移入しました。 

    なんというのか…動きの全て、首のかしげ方、手のかざし方一つとっても
    意味が込められていて、その時々の心情が見ているこちらにしっかと
    伝わるんですね。 

    二幕「驚夢」で、春を司る神がその従者と舞いを踊るのですが、
    その動き一つとってもさざ波を表現していたり。 表現が巧みと感じます。

    一幕で苔むす庭園に心寄せたり、最小限の動きで心情を最大限に
    表現したりする手法。 ふと「もののあはれ」「能」と日本文化の粋と
    いわれるモノとの共通点も微かに感じたりと、どこか遠かった中国
    芸能に俄然興味が出ましたね。 今後は、その辺りの関係も勉強
    したいと考えます。。 でも、奥が深そうだなぁ。。

    ともあれ、荘厳で、かつ繊細な芸能に触れたいと思う人全てが
    見るべき舞台と最後に述べたいですね。 素晴らしい!!!! 

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