満足度★★★
観る側も頭使う感じ
重力/Noteを観るのはこれで二度目。
以前、『マリア/首』を観た時にはさほど感じなかったのだけど、この劇団の芝居、戯曲がすごくすんなり体に入ってくる。
役者の台詞や動き方に独自のシステム的なものがある感じで、
あくまで作品の一つの要素としての役者、という感じがとても強いように思えた。
それゆえに、感情移入して観る、とかでは全然無く、目の前に存在するものを観ている、という感覚が強い。
結果、「誰々の演技が〜だったね」とか「あそこの台詞は〜だったね」というような感想ではなく、
「この話、〜だったね」というような作品に対する感想が出てくる。
台詞回しが独特なので、何と言ってるのかはっきり聞こうと思い、結果、普通に吐かれる台詞を聞くよりも台詞が頭に残るような気がする。
目の前で起きる事態に、
「え?どうなってんの?」
という好奇心で食らいつけば、舞台空間で客も役者も創造的な関わりが持てるはず。
逆に、目の前で起きる事態に
「は?わけわからん」
となっちゃうと、まるっきり苦痛の演劇鑑賞になりかねないほど、スタイルは独特。
私は、役者が踏みしめる砂の音や、投げられる道具の転がり方なんかにとても興味が湧きました。
全体的に、「これぞ演出家の演劇!」って感じがしました。
満足度★★★★
象徴的で刺激的!
黒い倉庫の後ろに板が立てかけてある。ステージ上には一列の砂。シンプルだが想像力をかきたてる舞台美術だ。登場人物は5人。長年連れ添ってきた夫婦が些細なことで言い争っている。どうやら家の外では戦争が起こっているらしい。それにもかかわらず家庭の中では…という物語。
板が倒れる音、天井から物が落ちてくる音、それらが爆撃音を象徴している。斬新な演出、そして役者たちの無機質な演技、全てが刺激的だった。
満足度★★★★
イヨネスコは知らないけれど
不条理と言われれば、
確かにその通りだとは思います。
でも、観ている側に伝わる質感には
不思議な具体性があって・・・。
背景も貫かれた物語もわからぬままに
上演時間があっというまに流れて・・・。
あとにはペーソスが
確かな味わいとして残っておりました。