『二人/狂う』 公演情報 『二人/狂う』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
1-3件 / 3件中
  • 満足度★★★

    観る側も頭使う感じ
    重力/Noteを観るのはこれで二度目。
    以前、『マリア/首』を観た時にはさほど感じなかったのだけど、この劇団の芝居、戯曲がすごくすんなり体に入ってくる。

    役者の台詞や動き方に独自のシステム的なものがある感じで、
    あくまで作品の一つの要素としての役者、という感じがとても強いように思えた。

    それゆえに、感情移入して観る、とかでは全然無く、目の前に存在するものを観ている、という感覚が強い。

    結果、「誰々の演技が〜だったね」とか「あそこの台詞は〜だったね」というような感想ではなく、
    「この話、〜だったね」というような作品に対する感想が出てくる。

    台詞回しが独特なので、何と言ってるのかはっきり聞こうと思い、結果、普通に吐かれる台詞を聞くよりも台詞が頭に残るような気がする。

    目の前で起きる事態に、
    「え?どうなってんの?」
    という好奇心で食らいつけば、舞台空間で客も役者も創造的な関わりが持てるはず。

    逆に、目の前で起きる事態に
    「は?わけわからん」
    となっちゃうと、まるっきり苦痛の演劇鑑賞になりかねないほど、スタイルは独特。


    私は、役者が踏みしめる砂の音や、投げられる道具の転がり方なんかにとても興味が湧きました。



    全体的に、「これぞ演出家の演劇!」って感じがしました。

  • 満足度★★★★

    象徴的で刺激的!
    黒い倉庫の後ろに板が立てかけてある。ステージ上には一列の砂。シンプルだが想像力をかきたてる舞台美術だ。登場人物は5人。長年連れ添ってきた夫婦が些細なことで言い争っている。どうやら家の外では戦争が起こっているらしい。それにもかかわらず家庭の中では…という物語。

    板が倒れる音、天井から物が落ちてくる音、それらが爆撃音を象徴している。斬新な演出、そして役者たちの無機質な演技、全てが刺激的だった。

  • 満足度★★★★

    イヨネスコは知らないけれど
    不条理と言われれば、
    確かにその通りだとは思います。

    でも、観ている側に伝わる質感には
    不思議な具体性があって・・・。

    背景も貫かれた物語もわからぬままに
    上演時間があっというまに流れて・・・。

    あとにはペーソスが
    確かな味わいとして残っておりました。

    ネタバレBOX

    夫婦の感触にしても
    戦争のことにしても、
    この戯曲の背景とは全く関係なく
    なにか東ヨーロッパの匂いを感じる。

    それが、観る側を異国の話として遠ざけるのではなく、
    むしろ、じわじわと引き寄せてくれるのです。

    どんなてぐすに引き寄せられているのかもわからず、
    失った感覚や結婚、生活への想い、
    体験したこともない戦争への不安感が
    しっかりと観ている内側に入り込んできて。

    見終わって、初めて
    自分がその世界に取り込まれていたことに
    気づいたことでした

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