満足度★★★★
好感のもてる舞台
清水邦夫の人気作。上演時間も1時間と短く、小規模会場でのラボ公演としては適切な演目だと思う。プログラムにはこの戯曲が書かれた当時、70年代の年表や流行語・流行曲等、社会状況の解説が載っていた。演出の西村さんは「(当時は)アラサーなどと流暢なことは言っていられない時代。25歳までに結婚する人が多く、40歳はすでに人生半ばの「おばさん」であった。女優はきっと、今よりもっと己との闘いを強いられていただろう」と語る。自分も同世代だけに同感である。さらに「演劇は自分と嫌というほど向き合わされ、その人の「裏」の部分が噴出するという事。人生のクレンジングをすることになるのだ。それが苦しくてこの世界からいなくなってしまう人もいるのだから、それは壮絶なものである」と。女優になるというのは大変なことなのだなぁ。
活動歴はまだ浅い劇団のようだが、井上ひさし作品や創作劇も手がけているそうで、今後、より多くの人に観てもらい、磨かれていってほしいと思った。