ザ・ベストマンションシリーズVol.3F 公演情報 ザ・ベストマンションシリーズVol.3F」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
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  • 満足度★★★★

    「HELP」を観劇
    ある人気作家の最新作の発売が近づいてきているが、書けていないため、あるマンションの1室に缶詰状態(設定は、缶詰より監禁状態ですがww)にされ、そこから逃げ出そうとして編集者が仕掛けたトラップに引っかかったり、何故かいろいろな人が訪ねてきて、その場をごまかす為に嘘をついて、その嘘が嘘を呼んだりして、ラストはこの部屋で起こってる事を小説にしてしまうという、コメディータッチの物語になってました。

    物語の展開もなかなかテンポよく面白く、また笑わせてもらいました。
    また、物語上非常に重要になってくるトラップですが、鉄球(若干危なそうではあったがww)と落とし穴は、役者の演技と効果音のタイミングがなかなかバッチリで非常に笑わせてもらいました。

    しかし、予想外に面白かったので、もう2本がどのような感じであったのか、非常に気になるところ。

    ネタバレBOX

    最初の場面で、本棚の下敷になって抜け出せない状態になっているのに、本棚が軽すぎて浮いてしまったり(これは役者が抜け出せないような演技をもっとしないと)、ラスト逃げ回っていたのに、状態を収拾せずに終わらした(まあ、よくある描き方ですが)などはちょっと残念であったかな。
  • 満足度★★★★★

    大衆的で職人気質の喜劇。
    関西の小劇場系の若手劇団のなかでトップクラスの動員を誇るとのことで気になっていた磯川家。
    当公演はマンションの一室を舞台に異なるシチュエーションを用いて新作・長編3作品を上演するシリーズ公演の第3弾でこりっちの団体説明によるとこのマンションシリーズは前回2188名を動員したそうです。
    それだけ支持されるってどんだけ面白いの?なんてなかば半信半疑で3作品観劇させて頂きました。

    舞台装置の仕掛けによる視覚的観点からスピーディーな台詞の掛け合いや言葉遊び、アクセントとしての物ボケコントやパントマイムに至るまで徹底的に『笑い』を盛り込みカラーの異なる3作品を描いた緻密で強かな脚本と、舞台で表現する役者の振り幅の大きさ、そして日常の延長線上ではなくリアルと線を引き『現実ではありえない』世界観をきっちりと構築した骨太で職人気質の演劇であった点が清々しくて非常に好感を持ちました。

    味気ないニヒルな笑いやリアリズム演劇なんかがそれなりに支持されている今日において、磯川家のスタイルはひょっとしたらオールドファッションであるかもしれませんが、転げまわるほど笑う、だとか手を叩いて笑うだとか、つられて笑う、だとか無機質に染まり過ぎてしまったわたしたち現代人が忘れかけていた人間らしさや人間臭さ、他者との親和性のようなものを思い出させてくれるような気がしたのです。磯川家、いいですよ。

    ネタバレBOX

    『HELP』
    冒頭、ビートルズのHELP!が掛かり、本棚の下敷きになっている頭の毛の薄い男、綾小路レンのモノローグするところから物語がはじまる。
    彼は顔だし厳禁、正体不明をウリにしている流行作家で、シリーズ化されている恋愛小説の最新作の発売日が2週間後に迫っていたが原稿はあがってこず、業を煮やした出版社の編集担当者の園田が親のお金を使ってとあるマンションの一室を改造し、新作を書きあがるまで綾小路レンを監禁したのだった。脱出を試みるものの、その部屋には玄関を出ようとすると天井からまきびしが降り注ぎ、キッチンには落とし穴が、バルコニーに一歩足を踏みだすとどデカイ鉄球が振り子のようにぐわんぐわん動きだす、そんな仕掛けがほどこされていて、にっちもさっちもいかない状態。
    そこへ、隣の部屋で行われている怪しげな脳開発セミナーのビッグマネーをせしめるために、この部屋をアジトとして使っている泥棒がやってくる。泥棒は壁と一体化した回転ドアーを取り付けたり、クローゼットのなかに抜け道をつくったりするなど部屋のあらゆる場所を改造したため、マンションの一室はさながら忍者屋敷のよう。
    これらの大がかりな舞台装置の仕掛けとそれにハマる役者の所作がおもしろく、今から絶対に鉄球にブツかるよね、とか壁に頭を突っ込んで身体が貫通するでしょ、とかわかっていてもやっぱり笑える。しかも、スマートにナチュラルに突っ込んでいくという感じなので、いやらしさがなく、とても清々しい気持ちにもなる。こういう予期されたリアクション笑いって、たとえば8時だよ、全員集合!とかだいじょうぶだぁのドッキリ仕掛けなんかに近いモノを感じるのだけれど、そういうベタベタでスタンダードな笑いってテレビでは近頃見かけないし、演劇でもここまで徹底して作り込んでいる舞台というのは私は観たことがなかったので、何だか懐かしいような、でも新鮮味があって凄く面白かった。

    物語はこの後、綾小路レンの身の上を知った泥棒が彼の居場所と写真を2分間だけ自身の運営する綾小路レンのファンブログとツイッターに掲載したことから一気に加速する。その時に出回った写真というのは、『髪がフサフサである』という巷で出回っている綾小路レンに関する唯一の情報を鵜呑みにした泥棒が、頭の毛の薄い綾小路レンをスルーしてひょっこり部屋に現れたアフロのズラをかぶった脳開発セミナーの利用者の若造を綾小路レンと『勘ちがい』をして貼り付けたモノなのだけれども、その情報をもとにスクープをキャッチしにやってきた週刊誌の記者や、ハイテンションの新婚さんたちにアフロの若造が追いかけまわされてたり、どさくさに紛れて外に出ようとする綾小路レンとそれを追う編集担当者の園田で部屋はしっちゃかめっちゃかで戦場みたいになっちゃう。
    このくだりは本当にくらだないけど痛快で腹を抱えてケラケラ笑った。
    そして終盤、アフロのズラを被るだけで脳が開発されると詠ったインチキセミナー幹部は警察に摘発されて、年齢国籍様々なアフロのズラをかぶったセミナー利用者らが壁を突き破り、列をなして部屋を駆け抜けるあのシーンの高揚感には戦慄すら覚えたのでした。

    『ソラド』
    霊感が強く、トモダチのルカの部屋には幽霊がいると断言する主人公の女の子にだけに見える全身真っ白の幽霊は、トモダチのルカや園田のしぐさを真似たりちょっかいを出す、アクティヴでコミカルなヤツ。
    恐ろしさはないものの、呪われたり祟られたりと、ゆくゆく面倒になるかもしれないからお祓いをした方がいいと提案をして、部屋に呼び寄せたいかにも怪しげな霊能者。
    霊感がなく幽霊がみえない彼に幽霊の居所を教え、ほどなくして
    霊を追い出す呪文を唱えはじめた霊能者と一緒になって呪文を唱える真似をする幽霊には全く効果が得られずに事態は更に悪化してしまい、今度は全身真っ黒の幽霊がひょっこり現れ、なくなるどころか増えてしまう。
    この場面は、追い出したり傷つけたりするとひとりづつ部屋にふえてしまうという話の、世にも奇妙な物語の『イマキヨさん』を彷彿とさせるシュールさがあって、とても面白かった。

    これではいつまでたっても埒があかないと頭をかかえた主人公は、園田の提案で主人公の父を部屋に呼ぶことに。彼女の父親は高名な霊能者であるのだ。彼女の父親が登場してから物語は反転し、彼女が幽霊だと言っていたそれらは妄想の産物であったことが明かされる。更にトモダチのルカは既にこの世にはいなくて、それを受け止めきれずに精神がクラッシュしてしまい、時が止まったように記憶のなかだけで生きている主人公を担当するセラピストが園田で、白い幽霊、および黒い幽霊は園田の助手で、3人とも彼女の精神疾患を回復するための治療を施していたのだった。

    終盤、物語の冒頭で交された交された主人公、ルカ、園田の場面が反復され、誰もいない空に向かって笑いながら楽しそうに話している主人公の姿には、静かな狂気を感じた。行き場のない魂が浮遊するような金属の単音と暗転も効果的だった。

    『スウィート・ガールズと僕』
    隣同士の家に住み、同じ高校卒業に通っている幼馴染のコウとなつき。
    このまま一緒の大学に進学するのか、それとも違う道に向かうのか、これまで一緒に過ごしてきたふたりの人生を幼少期にまで遡り、その時々の心象風景をオーヴァーラップさせながら描いていく青春ラブコメディ。

    『HELP』では鉄球が飛び出してきたバルコニーの向こう側に位置する、ファンシーなお部屋。その部屋に住むなつきと、隣同士のコウ。
    お隣同士で幼馴染。これって、これって・・・
    矢沢あいの『ご近所物語』の実果子とツトムではありませんかっ!!
    私も、ツトムのような幼馴染がいれば・・・なんて妄想に耽りつつ、自身の青春暗黒時代の記憶をせっせと塗り替えるべく、コウとなつきのファンシーすぎる世界に、目を皿のようにして注視しておりました。笑

    どちらかといえば、さえない男子のコウに、学園のマドンナ的存在のなつきが毎朝、コウの分のお弁当を持ってきたり、なつきのお母さんが美しすぎたり、
    コウの部屋の隣に住む色っぽいお姉さまから軽く誘惑されてしまったり・・・
    このドラマ、『現実にありえない』奇跡の連続で成立しているんです。
    こういうの好きだなぁ。夢があるもの。

    物語は暗転の度にコウとなつきが、どんどん幼くなっていくのだけれど、シーンがはじまるまえに「小学6年生ですけど何か?」なんて前振りがあったりなんかして、もちろん、役者の演技に小学6年生らしいリアル感なんて全くもってないし、そんなこと言う事態ナンセンスなのだけれども、その一言は大人が演じる小学六年生に対する違和感を跳ね除ける強烈な破壊力があって、自虐ギャグ的な照れに没落せずに、見事にふたりのファンシーすぎる世界が構築されていて、心から恍惚させられたのでした。
  • 満足度★★★★★

    2Fから3Fへ、大阪から東京へ♪
    全くタイプの違う3作品、そのどれもが中味の濃いストーリーになっている。
    ちょこちょこ過去の作品のエッセンスが加えられている。
    磯川家初体験の人も、ヘビーリピーターも楽しめる作品☆☆☆

    疾走感がたまらない『HELP』、表裏一体が深い『ソラド』、男子の恋愛願望が詰まった『スウィート・ガールズと僕』、
    見事な3連コンボにKOされちゃいました!!

    素直に☆5と言いたかったが、少し心残りがあって☆4.9で!!
    綾小路レンにマスグチイサムばりのインパクトが欲しかった!!

  • 満足度★★★★

    『スウィートガールズと僕』を観ました
    おもいっきりギャルゲーの世界を演じきっていました(^^)
    またセットが凝っていて、ちゃんとベランダからの出入りしてるトコとか。
    丁寧に出来てた分、舞台正面を見て右側より(または最前列)でないと。
    ヒロインの部屋が見えにくいという欠点(?)がありましたね。
    しかしベタというか鉄板な展開は、安心して観れた上に笑えて楽しいです。

    ネタバレBOX

    幼稚園児から高校生まで演じ、
    生着替えまで見せてくれた主人公の演技に拍手です(^^)。
    しかし漫画やアニメ・ゲームでよくある設定を、
    生身の芝居で見せられると、浮世感ありまくりですねー。
    豪快なお姉さんも良かったですが、
    不惑超えた美人のお母さんもすごかったー。
    今度は妹も出したりしたらどうでしょうね?
    楽しゅうございました。
    開かなくなった窓を、あわてずアドリブでさらっと流す心臓の強さにも拍手!
  • 満足度★★★★★

    『HELP』
    まずは最高に楽しい時間をありがとうございました<(_ _)>

    こんなに笑ったの久し振りってくらい笑いました。
    因みに前回 こんなに笑ったのは、同じ磯川家さんの大阪最終公演です。

    時間の関係で、1本しか観る事が出来ず 本当に残念でしたが、同行の友(東京在住)もとても喜んでくれたので、大阪だけじゃないぞ!!って所を これからも見せつけて下さい。

    遠くから応援してます♪

  • 満足度★★★★

    「HELP」のみ観劇
    ベースは咄嗟のウソの積み重ねによる騒動という笑劇の王道パターンでありながらも細部は思いもよらない方向からタマが飛んで来る、な予想外の笑いが満載で、そのさまはまさに「温故知新」的な?(ちょっと違うか)
    いやさすが、笑いの本場・関西発!

  • 満足度★★★★

    祝東京進出!
    大阪で人気の若手劇団が東京に進出し、初めての公演とのこと。新作一挙に三本というだけでもこの劇団のやる気と才能が感じられる。

    時間の都合でHELPしか観られなかった。三本とも作品のタッチが違うそうで、話を聞くと後二本も面白そうだと悔しい気持ちでいっぱい。

    ただ、私の観た「HELP」、十分面白かった。テーマとか堅苦しいことは考えないでともかく笑ってくださいという姿勢が大阪出身らしくて潔い。東京で旋風を巻き起こすかもしれない。

  • 満足度★★★★

    3本立てはきついけど
    1日3本は体力的に結構きついですが^^;楽しく観ることができました。「ソラド」は途中までの展開が面白かった。「スウィート・・・」は胸キュンもの,青春時代の若さ,ほろ苦さ,馬鹿さを思い出しました。中高生の男女の心模様が見事に描写された作品でした。「HELP」が自分としては一番のお気に入り。何も考えずドタバタを楽しめました。いずれにしても3本とも楽しいコメディ作品だったと思います。

  • 満足度★★★★

    一日三本観ました!
    全体として、元気があって、役者さんが魅力的でした。

    笑いを入れながらそれぞれのテーマを丁寧な描き方で最大限に表現していました。

    ネタバレBOX

    同じ間取りのマンションを舞台に描かれた三本の話。

    『ソラド』、妄想癖の女性の話。不思議な現象を客席に解説するために、妄想部分を除外してもう一度客観的に再現していました。技術的には大変なことだとは思いますが、ちょっと丁寧過ぎるように感じました。話し相手の目の動きなどを見ていれば、状況が少し分かってきます。あまりにも丁寧に答を教えてくれるので、リピーター割引でもう一度観たような気持ちになりました。

    『スウィート・ガールズと僕』、甘酸っぱい初恋の物語。大学進学を目指し、人生の岐路に立った高校生二人が、それぞれの夢を叶えるためにどう行動するのか?!これでもか、これでもかというくらい甘い話でした。役者さんはみんな生き生きしてました!

    『HELP』 、書く気が失せた人気作家の話。奇想天外なドタバタ物。仕掛けがユニークで、特にバルコニーの鉄の球は最高でした。ただ、3本の中では一番テーマ性が少ない話なので、最後に観るのはどうかなと思いました。
  • 『BOYS BE...』演劇という蛮勇
    まさに「やりやがった…!」という印象のコメディユニット磯川家『スウィートガールズと僕』。
    舞台上でBOYS BE...的世界観を実現させるという豪胆さ。
    そしてそれを可能にするのは、コメディの文法…というより、役者個人のいわゆる“面白さ”。
    舞台上であの甘ったるすぎる世界観を実現する暴挙に苦笑し、そしてときおり役者のコメディ力に素直に爆笑するうちに、本気でその激甘空間に萌え、いや悶えていくという不思議な体験。
    下手なファンタジーや下手な不条理ものより、よっぽど異世界を見せてくれる演劇体験でした。

    ネタバレBOX

    ただ、だからこそ、中盤から終盤での進路や自己実現の葛藤はもっと抑え目でもよかったかもしれない。感情移入する余地が無い方が、閉じた・完成された世界だったかも。
    ともかく、あの世界観や登場人物を信じきってやりきったことに拍手。

    同時上演のサスペンス作品『ソラド』はもっと説明を省いてもスッキリ・サクッと見せてくれたほうが良かったと思う。
    『HELP』は舞台装置が主役の作品で、あの物体は反則。最初の登場シーンはバカすぎて誰もが笑ってしまうズルさ。ドリフの世界。
  • 満足度★★★★★

    キュン死した。
    『スウィート・ガールズと僕』を観た。

    いやもうありゃダメだ。
    ありゃキュンキュン来過ぎてダメだ。

    タオルの端っこでも噛みながら自分を抑えておかないと、『くぅ〜!』の声が漏れそうでどうしようもない。

    ったく、
    とんでもない芝居を観せてくれる・・・。

    ネタバレBOX

    いやもうホント・・・

    青春の甘酸っぱさ全部見せられた。
    思春期のプラトニック全開だった。

    いちいち繰り出される甘い言葉や酸っぱい仕草、やばいよ。

    これ書いた人・・・やばいよ。

    で、それを完璧にこなしてくれた2人・・・やばいって。

    で、僕らの気持ちを代弁してくれた姉ちゃん・・・これまたいろんな意味でやばいって。

    で、あのラストシーン・・・だからやばいって。

    途中、リンと付き合い始めたのかなと思わせるフリ、完全に騙された。

    で、わかってるな、と思った。確かに僕らが望んでいたのはあんなハッピーエンドだったんだから・・・。

    良かった良かった。
    観終わった後の気持ちがなんとも言えず思春期だった。
  • 満足度★★★

    HELP
    初めて観た。それなりには面白かったけど、残念ながら自分が思っていたほどではなかった。3本立てなので他の2本も観ないと正当な評価は出来ないのかもしれないが・・・。

    それより一番前に陣取っていた4人組のオバサンたちがやたらうるさかった。舞台上のセリフにそのまんま答えるなっつ~うの!!
    自宅で親戚の甥っ子がきて世間話しているわけじゃないんだから・・・・。話の内容からするに、役者の身内らしいけどこんな客がいたんでは楽しめない!!   客のほうがHELPだよ、これじゃ。

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