ドッペルゲンガーちゃん 公演情報 ドッペルゲンガーちゃん」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    タイトル「ドッペルゲンガーちゃん」通り、自分に向き合った心象劇。自分の気持の在り様を語る内容であるが、1人2役ではなく、ハーフマスクを付けた別人物が自分に成り代わるという 演劇的な観せ方をしており分かり易い。同時に舞台美術を上手く使い、気持の整理を巧みに表現する。

    物語は、パンフの記載にある章立てーー「ハムスターに呪われた女」「月の光に導かれ」「部屋を片付ける」のような内容を順々に展開していく。それは時の経過であり心の落ち着き、そんな一人の女性の心の変遷、成長譚である。

    上演前から、舞台下手にいる じゃじゃんがサンの圧ある存在感。それは劇中での進行役であり俯瞰もしくは観察といった役割を担っている。そこに脚本・演出/加藤睦望さんの心象<劇>を ことさら抽象的にさせない工夫が読み取れる。
    (上演時間1時間10分)

    ネタバレBOX

    舞台美術は中央にベット、上手に冷蔵庫や収納BOX、そして ごみ袋がいくつか。下手は姿見、敷物、衣類そしてペット<ハムスター>ケージが置かれている。因みにベットの下には からペットボトルが散乱している。部屋の散乱した光景は、そのまま 住人の心の乱れを表している。或る日、占い師に「死相がでている」と…そして飼い始めたハムスターが、冷徹に俯瞰するような。

    部屋の主は満子<みちこ>(マタハル サン)、コンセプトバー「かぐや姫」で働いている。開店と同時に勤め5年が経つ。常連客・みかどくん と揉め、店長からはそれを契機に卒業(30歳代でもある)を言い渡される。以後就職もせず閉篭り生活、そんな彼女の部屋に闖入者 ドッペルゲンガーちゃん(ちこゆりえサン)が表れ…。表層的には みかどくんが姿かたちを変えてと思わせるが、心の深淵を覗き込むと、そこには自分の分身と対峙しているようにも思える。物語は三女優で紡いでいくが、満子役のマタハル サン以外は、複数の役を担っている。

    ドッペルゲンガーちゃんが表れ、彼女を反面教師として心の平静さを取り戻す。いや自分の内面と向き 語り合うことによって成長を遂げていく。
    <部屋>光景に心をよせる、言葉を紡ぐ、生き甲斐を見出すような。ハーフマスクをつけたドッペルゲンガーちゃんと満子、その2役1人の会話によって真の満子を立ち上げる。そのイメージの連鎖がぼんやりとした感覚・世界観を覚醒させる。冒頭の散乱した部屋が、場面転換ごとに段々と片付いていく。気が付けば、整理整頓された光景になっている。舞台美術を利用し、視覚的に心の変化を表す巧さ。

    時期は 夏から冬(年越し)、それを衣裳の変化で表し、またコンセプトバーらしい可愛らしい服も観(魅)せる。音楽はクラッシックで印象付ける。
    ラスト、ハムスターをケージから出すが、そこに心の解放を見るようだ。深読みすれば擬人化したハムスターの「心と体」が「自由と解放」に重なるようにも思えるのだが…そぅフライヤーの顔が…。
    次回公演も楽しみにしております。
  • 実演鑑賞

    良い舞台だったと思います。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    客は関係者(?)を入れて十人、不安になる程。だが始まれば観に行って正解だったと誰もが思う筈。女優三人でこれだけの世界を演れるのか。脚本はまさに才能次第。一人の女性の実存に斬り込んでいる。
    流される曲はクラシックのスタンダード、余りにも正攻法。メルヘンチックな描写は大林宣彦調、『ふたり』なんかを想い出す。少女の一人遊びのような心象風景。

    上半分だけ二次元美少女キャラのお面を付けて(偽った自分を演じるメタファー)、コンセプトバーで働く主人公(マタハルさん)。コンセプトはかぐや姫。いつか月に帰る日まで皆を接客し楽しませる設定。ある夜、占い師に「あんたは死相が出ている。生き物を飼いなさい。」と勧められ、ハムスター(じゃじゃんがさん)を買ってくる。そんなある日、ガチ恋の常連客(じゃじゃんがさん)とのトラブルを理由に30代にして5年勤めた店を卒業させられる。気力を無くし、部屋に引きこもる主人公のもとに、昔の自分によく似た女(ちこゆりえさん)が現れる。

    マタハルさんに透明感があって魅力的。
    ちこゆりえさんの演技力のポテンシャルはヤバい。
    じゃじゃんがさんのドスの効いたキャラ。
    作・演出の加藤睦望さんの世界、妙に記憶に残る話。

    ネタバレBOX

    Oasisの代表曲、『Wonderwall』。

    「誰もいやしないんだ
     俺くらいお前の事を想っている奴はね」
    「だって多分
     俺を救ってくれるのはお前だけ」
    「俺は多分前にも言った
     俺を救えるのはお前しかいない」

    窮地に陥った自分を励まし力になってくれるもう一人の自分の歌。どうしようもない状況で自問自答している。

    主人公にガチ恋していた常連客に捨てられた恋人が、復讐の為に顔をそっくりに整形して近付いてきたというもの。他人に恋愛感情を持てずにいた主人公は、”もう一人の自分“となら上手くやっていけそうな気がする。この心底落ち込んでどうでもよくなった自分が、再生していく過程が丹念に描き込まれる。ラストの「さびし〜〜〜!!」が効いた。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    コンカフェをクビになったアラサー女性のもとに、コンカフェの私(?)が現れて…。憧れ?復讐?ドッペルゲンガーの動機がよくわからんのよ。

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