公演情報
「凪の果て」の観てきた!クチコミ一覧
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/12/17 (土) 14:00
年初の旗揚げ公演「恋愛論」は「裏・鵺的どころか鵺的とは真逆」と感じたが、本作は鵺的の延長線上と言えるか? 離婚調停の当事者夫婦とそれぞれの代理人弁護士の会話をひとしきり見せてからの後半はその真相編と言おうか「実はこういうことでした」と明かす構成が面白い。
そして序盤では複数の人物の極端さに頬が弛むが観ているうちにそれが次第に実在感をもってくるというか、実際にいそうと思えてくる恐ろしさ。観客全員が固唾を飲んで観ている感もまた格別。濃厚な観劇体験でありました。
実演鑑賞
満足度★★★★
傑作。高木登の本気を見た。出演者全員にとって代表作になるのでは。
夫婦の協議離婚、互いの弁護士同伴での話し合いから開幕。函波窓(かんなみまど)氏演ずる弁護士は三浦葵さん演ずるヒステリックな妻が依頼人。函南氏は松田龍平と松重豊を足したような非人間的な冷酷さ。三浦葵さんは常に目をひん剝いて威嚇している。
赤猫座ちこさん演ずる弁護士は橋本恵一郎氏演ずる、愛人を作った夫が依頼人。赤猫座さんは流石の美貌。橋本氏は常に神経質に爪を弄っていて、何本かの指にバンドエイドが巻かれている。この演技プランが秀逸。文句なしに第一場のMVP。
演出の小泉愛美理さんに「あなたのその音が絶対必要なので」と説得された、サウンドアーティスト・北島とわさんのSEが凄まじい。真夜中の沼からひたひたと水を滴らせながら上がってくる何か異形の物の音。巨大なアンプの重低音、ブツブツと走るノイズ。無意識に人を不安にさせる環境音。これらの使い方も絶妙。これと絞る照明だけで、後は役者の力に託される。無論役者陣は期待を遥かに超えた怪演で応えてみせた。ほんの些細な動き一つにもビクッとして圧倒される。
高木登は黒沢清系ではなく、岩井俊二系。岩井俊二の『undo』のように、マニアックな世界でも大衆に開かれている。見事な作品だった。
妻と別れて愛人と一緒になりたい夫と、夫を苦しめることだけを生き甲斐に決めた妻。全く進展しない協議離婚。キチガイのように喚き散らす妻、幼児のように駄々をこねる夫。二人の弁護士も苛立ち、殺気立ち、暴言を吐く。だが、この話には更に裏があり・・・。
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/12/15 (木) 19:00
ユニット2作目。とにかく嫌な話(誉めています)。観るべし!95分。
離婚協議中の妻・晶子(三浦葵)が弁護士・笹井(函波窓)と一緒に、夫の弁護士・稗田(赤猫座ちこ)の事務所に来る。いろいろする内、夫・丈留(橋本恵一郎)が現われる。ドロドロとした展開の中、後半に移って、夫の愛人・野木(ハマカワフミエ)と稗田が会っているが…、の展開。ネタバレせずに簡単に展開を書けないのだが、終始嫌な感触の人々が展開するドロドロとした話で、緊張感が一杯で、終わって全く解決せず、ホッとしないのも珍しい。そういった全てを覆うザワザワ感が見事に演じられている。
フラットな舞台に椅子が3脚、同じ方向に向けて置いてあるが、それが隣り合っていたり向かい合っていたりするものらしい、というのを演技で見せる演出は見事。BGMにノイズを使ったり、繊細な照明も含めて、巧みな上演だと思うが、何と言っても役者陣の充実が凄い。函波や橋本は、一見マトモなようでいて実は問題を抱えた(タイプは違う)男を演じ、三浦はエキセントリックに見えて実は被害者かもというポジション。赤猫座は珍しく唯一マトモだと思える役で、ハマカワは典型的な弱い女だけど問題を抱える。ハマカワと赤猫座の対峙、それに三浦を加えた3人の場面では、頻繁に女優の表情を観るのに忙しくなってしまった。
実演鑑賞
満足度★
鑑賞日2022/12/14 (水) 19:00
座席1階
幕切れがあまりにも突然で、明るくなった客席は何が起きた分からず拍手も起きなかった。いろいろとっちらかしておいていきなり終わりで、それはないだろう、という感じ。
始まりから不協和音を中心とする効果音、ちょっとおそろしげな照明が続く。
要するに、離婚をしたい夫と別れたくない妻にそれぞれ弁護士がついて、協議に向かう過程で話し合いをする劇。夫は妻の攻撃的な姿勢に萎縮し、職場の派遣の女性と恋に落ちた。不貞ということで離婚の原因が自分にあるとは分かっているが、妻とは別れたいと切望している。妻は夫の態度が許せず、別れたくない理由は夫を苦しめたいがため。お互いに身勝手極まりない離婚協議が展開するが、双方の弁護士も実は相当なタマだ。突っ込みところ満載の会話劇が進んでいく。(沈黙も多いので会話劇とはいえないかも)
百歩譲ってまあそれはよいとして、物語はさらに複雑度を増して「さあ、どう結ぶんだ!」という段階になって、冒頭にも書いたような幕切れ。女性の生き方についてのせりふなども後段に出てくるが、いったい作者は何を言いたかったのだろう。
それにしても、これから何が起きる、というところでいきなり幕を切ってしまうのは客席の欲求不満が募る。これが作品の表現の仕方と言われたら仕方がないが、何のために1時間半の時間を劇場で過ごしたのかと自分は感じた。それはないでしょう、と劇場を後にした。